あらすじ
「この新しい本で台湾の人々から日本の友達に
温かい想いを伝えたいと思います。
また、国民と政府の協力により、新型コロナウイルスを克服し、
健康で安全な生活を取り戻すことができると信じています。
ありがとうございました」 ――オードリー・タン
彼女のことを話すとき、
「IQ180の天才大臣」を枕詞にするのをそろそろやめよう。
オードリー・タンの思考は、そんな数値では語りきれない。
そして、私達ひとりひとりが、彼女の思考を知ることで、
この社会を変えていくヒントを得ることができるだろう。
オードリーはこう言っている。
「情熱や使命感は一定の時間を過ぎると使い終わってしまう
けれど、楽しさを原動力にすればずっと続けることができる」
――まずは、楽しむこと。
オードリー・タン公認本!
台湾在住10年のノンフィクションライターによる独占インタビュー。
オードリー氏が今、台湾政府の中で推進している、
「ソーシャル・イノベーション」を軸に仕事の仕方、コロナ対策、
アイディアを行動に移す方法、人との繋がり方、おすすめのデジタルツール、
これからの社会を良くするために何ができるか? 等々を縦横無尽に、
時にはユーモアを織り交ぜながら語っている。
台湾在住の著者である近藤弥生子氏は、
オードリー氏とその周辺の人達の言葉を一言一言、丁寧に掬い上げて取材。
台湾と日本の垣根を超えて、アフターコロナに私たち一人一人が
どう社会と関わっていけばより良い未来を作れるのか、
多くのヒントを示唆してくれる内容となった。
~彼女の人生をまとめる伝記ではなく、これまでの日々に彼女が何を思い、
どのように考え、どう行動しているかについて考えてみたい。
これが、政治ジャーナリストではなく生活者視点で物書きをしている私が、
本書を書くにあたって大切にしたことである。
本書を手に取ってくださった方の心に、少しでも「何か」が宿ることを願って~
――著者
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Posted by ブクログ
本書にて通算4冊目、しかも2020.9.30、2020.11.29、2021.2.18(本書)、2021.4.19と約1年半の間に発売された4冊を読み終えました。
彼女の半生、それはもちろん4冊全て同じですし、「最年少のデジタル担当大臣」「マスクマップ」おそらくこの2つが彼女の存在を日本に広め、私自身がオードリー・タンに興味を持つきっかけであり、日本で彼女の書籍が注目を集めるようになった理由だと思います。
小学校時代のイジメ、転校、中学を中退、ドイツ留学...そんな幼少期の記述、g0v(ガウ・ゼロ)、ひまわり学生運動などもどの書籍にも共通してくる内容で、何冊か手にしてきたからこそ少しずつではあるが理解が深まってきたように思います。
彼女を通じて学ぶことはまだまだたくさんある。
本書の感想を締めくくるのに、巻末に記された言葉以上に相応しい言葉は見つからない。
「一人の天才を生むことは難しいが、一人一人の心に小さなオードリー・タンを宿そう」
説明
内容紹介
オードリー・タン公認本! 台湾在住10年のノンフィクションライターによる、独占インタビュー。日本では、「IQ180の天才IT大臣」という惹句で紹介されることの多いオードリー氏。しかし、彼女の思考は、到底それだけで量れるものではない。本書では、オードリー氏が今、台湾政府の中で推進している「ソーシャル・イノベーション」を軸に仕事のしかた、コロナ対策、アイディアを行動に移す方法、人との繋がり方、おすすめのデジタルツール、これからの社会を良くするために何ができるか――?等々を縦横無尽に、時にはユーモアを織り交ぜながら語っている。台湾在住の著者である近藤弥生子氏は、オードリー氏の言葉を一言一言、丁寧に掬い上げて取材。台湾と日本の垣根を超えて、アフターコロナに私たち一人一人がどう社会と関わっていけばより良い未来を作れるのか、多くのヒントを示唆してくれる内容となった。
著者について
近藤弥生子(こんどう・やえこ)
台湾在住の編集・ノンフィクションライター。1980年福岡生まれ・茨城育ち。東京の出版社で雑誌やウェブ媒体の編集に携わったのち、2011年2月に駐在員との結婚がきっかけで台湾へ移住。現地デジタルマーケティング企業で約6年間、日系企業の台湾進出をサポートする。台湾での妊娠出産、離婚、6年間のシングルマザー生活を経て、台湾人と再婚。独立して2019年に日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う草月藤編集有限公司を設立。
雑誌『&Premium』、『Pen』で台湾について連載中。ブログ「心跳台湾」にも、台湾での暮らし、流行、子育て、仕事のことなど台湾の「いま」がわかる情報を執筆している。
Posted by ブクログ
著者とオードリー・タンとのインタビューを元に書かれた本。堅苦しくなく読みやすい。
メモ
・ユーモアを持ってフェイクインフォメーション対策にあたる
・fast(速さ)、fair(公平)、fun(たのしさ)
・楽しさが原動力(Optimizing for fun)
・認知のズレは衝突の原因になるので、共通認識作りが大切
・ポモドーロ・テクニック
→25分毎のタスク実行、5分の休憩を繰り返す時間術。
Posted by ブクログ
台湾のデジタル大臣、オードリー・タンの思考について、そういう思考の持ち主になった背景として、彼女の幼少き頃の様子も含めて書かれている。
オードリー自身はIQが高いだけではなく、非常にオープンマインドでEQが高い人。そして、彼女の行動原理は、「自分が面白いと思うことしかしない」ということ。なぜなら、面白いと思いながら何かに携われる場合、その過程で新しい学びを得ることができ、それをシェアすることで、さらに活動が広がるから。
また、誰かから意見が出されたとき、「すぐに相手の考えに反応する」のではなく、きちんと説明できるようにするために大切なのは、「心の中にゆとりを保てるスペースを持っておく」ことだというのも参考になった。
台湾自体も、WHOへの加盟が認められていない状況ながら、「台湾に敵はいない、いるのは友人だけだ」という台湾の姿勢を知り、改めて、台湾の懐の深さに敬服する。