あらすじ
なぜ日本にはGoogleが誕生しなかったのか。なぜ日本にはルイ・ヴィトンを超えるブランドがないのか。なぜ日本では中高年男性の自殺が異様に多いのか。それは「出る杭」思考がないからだ。頭の使い方が因循的な「おじさんカルチャー」を脱しきれず、新しい価値を創造しようと思わないのである。それでは、グローバル化がリアルになる時代を生き抜くことはできない。いまこそ、画期的なアイデアや技術で社会を変えるイノベーションが必要とされている。イノベーションはよく「技術革新」だと誤解されがちだが、そうではない。新しいアイデアや技術が広まり、新しい価値の体系をつくり、結果として社会全体を変えることを指す。では、日本でイノベーションを実現させるためには何が必要なのか。横並び、視野狭窄、頭の使い方が下手な「おじさんカルチャー」を脱する思考法とは。米国で医学部教授として活躍し、内閣特別顧問も歴任した著者が大胆に語る。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
以前読んだ本を再読した。少し古い本だが、内容的にはほとんど古びていない。
イノベーションという言葉は1990年代以降、日本では特に2000年以降に頻繁に使われるようになった言葉である。
では、イノベーションとは何か。それは創造的破壊である。破壊を伴う点が、単なる技術革新と異なる。既存のルールを破壊し、新たなルールをもたらすもの。それがイノベーションである。
日本では、イノベーションを叫ばれながら、現実にはイノベーションは進んでいなかったと言って良い。では、イノベーションを阻むものは何か。それは、日本人の「内向きの思考」である。真のイノベーターは、世界の市場のルールを変えようと考える。しかし、日本企業はどうしても内向きの思考で、世界を視野に入れた戦略は描けていない。さらに、政官業の鉄のトライアングルが、イノベーションを阻む。
では、真のイノベーターを育成するにはどうすれば良いか。それは、内向きの思考を外に転じる教育である。留学生を受け入れ、若いうちに海外を見て、視野を広げること。海外に友人を作ること。その触発の延長にしか、イノベーションを起こす人財は作れない。会社に属して働く人材ではなく、人財を育成することが最重要である。
Posted by ブクログ
言葉にしてしまうと、イノベーションて何と平易なんだろう。本書の内容は、然りであるが、それ以上響いてはこなかった。
本書より、黒川氏の実物のインパクトは、物凄い。ランチBOXを抱えて余り聞く耳を持たない外国人投資家数十人を、スーッと引き込む英語での話術と、資料無しなのに説得力のあるプレゼンは素晴らしかった!