【感想・ネタバレ】公務員、中田忍の悪徳 7のレビュー

あらすじ

異世界エルフ・河合アリエルの秘密と悪徳。

瀬戸内海に浮かぶ謎の孤島『耳島』から帰還した忍たちの関係には、小さくない変化が生じていた。
土壇場で何もできなかった御原環は、己の無力さに挫けかけながらも、アリエルの秘密すら利用して、忍への慕情を届かせんと奮闘する。
アリエルを見殺しにしてでも忍を救いたかった一ノ瀬由奈は、ついに己の心と向き合い、深い絶望にその身を沈める。
ぶつかり合う想いの中心で、何も知らないまま、知らされないままに立ち尽くす、我らが福祉生活課支援第一係長、中田忍。
そして不可侵の秘密を抱え、超越的に暗躍する異世界エルフ、河合アリエル。
平穏を護る欺瞞のヴェールが暴かれたとき、閉じられた優しい世界に、終演の舞台風が吹く。

異界の笛の音に秋鹿が踊る、急転直下の第7巻。
葛藤は、小さな瞬きに呑まれて消える。

※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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クソ真面目だがぶっ飛んだ思考を持ったやべーやつが異世界エルフに出会ったら…。

これは地方公務員・中田忍と、彼の家に現れた異世界エルフによる異種族・異文化コミュニケーションを描いたお話。

「エルフを、冷凍したい」

普通ならほのぼのホームコメディにでもなりそうなところだが、そこはこのやべーやつ、中田忍である。

エルフには未知の細菌が潜んでいる可能性があり、そんなものがあれば人類が滅びかねないとして、エルフを冷凍して海底へ棄てるべきだという、なんとも物騒な発想に至ってしまう。
(友人の協力や説得もあり思い止まるが…。)

その後中田忍は人類の為そしてエルフの為、身命を賭してエルフを保護することを決意し、かくして彼らの同居生活が始まる。

言葉も通じない、生態もわからない未知とどうやって意思疎通を図っていくのか…。

中田忍のぶっ飛んだ言動と真面目な地の文のシュールさが笑いを誘う。
シリアス・サスペンスあり、ほっこりシーンもあり、これはジャンルという枠に収まらない唯一無二の快作だ。

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ネタバレはありません。

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