【感想・ネタバレ】考古学はどんな学問かのレビュー

あらすじ

考古学は物的証拠を手掛かりに、過去の人々の行為を再現する学問だ。したがって石器時代や縄文・弥生などの古い時代だけでなく、近現代までもが研究対象となる。もちろん物的証拠も幅広く、銃弾といったものさえ証拠になる。犯罪捜査さながらにスリリングな学問であり、時には一国の歴史を書き換えることすらある。アメリカで長く国民的英雄とあがめられていた将軍の遺跡が、実は先住民への暴力の跡だったことが分かった「リトルビッグホーン古戦場」などは代表的事例だ。歴史の生き証人を足元から掘り起こす考古学。その魅力を余すことなく伝える、読んで楽しい入門書!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 本書の先ずもってのお薦めポイントは、考古学の面白さ、魅力を、具体的な題材を通して、一般読者にも分かるよう丁寧に教えてくれるところにある。

 考古学という学問・方法によって、人間の営みがどのように再現されていくのか。著者は、貝塚や魚骨の分析から縄文人の食生活を解き明かし、縄文漆の全国の分布状況やその時期、技術工程から当時の生活状況を推測する。  
 また、先史時代のみならず、文字資料が存在する時代でも、考古学資料により歴史の実相を明らかにできると言う。銭を墓に入れる習俗である六道銭を通して江戸時代の銭貨の流通状況を明らかにしていくところは大変面白い。

 入門書であるが、学問としての考古学の意義、方法論、実践について具体的に知ることができる。

0
2021年02月15日

「雑学・エンタメ」ランキング