西本紫乃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中国が近代化している今の時代をネットという視点や、現地での体験から鋭く分析されている一冊。
今の中国が徐々に変わりつつあることがよく読み取れます。
ある意味、「話語権」というものが無かった一般大衆にネットというツールによって、緩やかにではあるが民衆のものになりつつあるという事が様々な出来事を通して、より大きくなっている事が読み取れる。
中国の中から見ると、この緩やかさが当たり前で、外から見ているともどかしく思われるが、それは日本人が鯨を食べるのは野蛮だ止めろということに近い反発の感覚が中国の国民にはあるのだろう。
今の中国のネットユーザーが若年層に多く、そういったネットの状況が今の中国の国 -
Posted by ブクログ
最近は「中国」や「韓国」という単語が出ただけでヒステリックに拒絶しがちな流れがあるので、ちょっと冷静な視点からの論がほしいところです。
この本は、ここ数年で急激に存在感を増してきている中国のインターネットによる発言と世論形成、それに伴うデモや腐敗した権力者の吊るし上げ、といったあたりに論を絞り、実例を多く踏まえながら紹介されてます。
実例が「多く」出されてはいるものの、それぞれの例の詳しさに関してはちょい物足りないというか、舌足らずの感は否めない。まぁ新書という本のページ量の限界というところでしょう。
それと本が出たのが2011年、尖閣諸島の問題が先鋭化し始めた時期とも重なってしまい、その辺 -
Posted by ブクログ
中国ネット言論事情。マスメディアが共産党の宣伝部隊である中国では,ネット発情報のインパクトが大。日本だとネットで話題の事件がリアル社会で知られないってのはザラだが,中国ではもっとネットに存在感がある。
体制という社会的制限の中で,規制はあるにしてもある程度の自由な言論空間を提供するのが中国のインターネット。「話語権」という言葉が近年注目されるが,従来「主流」の人のものだったこの権利が,「非主流」である大衆にも開かれるようになってきた。
「話語権」というキーワードのほか,「五毛党」と「人肉捜索」が面白い。前者は中国特有,後者は日本でも似たような現象が見受けられる。「五毛党」とは,インターネッ