加藤重広のレビュー一覧

  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    日本語学者であり「語用論」の専門家である著者による、「我々はなぜ相手を怒らすことを言ってしまうのか」をアカデミックな視点から解説した本。

    著者によれば、我々が普段生活していて不愉快に感じる発言には必ずそのロジカルな理由があるという。相手の言葉に微妙に現れている感情や思いを感じ取って不快に思う。

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  • 日本人も悩む日本語
    これはとても面白い本でした。お薦めです。
    現代の日本語の誤用を、「正しい日本語」でダメ出しするのではなく、まず「正しい日本語」がどういう背景を持った言葉なのか、次に誤用はどうして発生したのかを、全ての言葉に対して述べられているので、とても興味深く読む事ができました。
    これが正しい文学者の取るべきスタ...続きを読む
  • 日本人も悩む日本語
    「日本人が間違える日本語」を集めた本はこれまでにも数多く出されているが、この本の良い点は、単なる「語録集」ではなく「どうして誤用がうまれるのか」について言及している点だ。正誤は簡単に判断することができないという視点にたち、読み手側にも考えるよう示唆している点がすばらしい。
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    予想以上に実践的な内容。目から鱗。
    「なぜ、その言い方は人を不快にするのか?」を、心理学や経験則からではなく、言語学的に分析していて新鮮。
    「他者のパトスを断定しない物言い」の重要性に大いに納得。
    ロゴスの正当性だけではなく、パトスへの共感が必要」という主張を、この本自体が損なわないように、著者が配...続きを読む
  • 言語学講義 ──その起源と未来
    言語学についての概説かと思っていたら全く違い、ほとんどが国語の話題であった。教科書や知識の整理では使えないが、一般向けの読み物としてはこうした書き方しかないのであろう。
  • 言語学講義 ──その起源と未来
    チョムスキーとソシュールでない言語学。それがまず私には衝撃だった。カジュアルな書き口で言語学のこれまでと今を描き、課題を残す。
  • 日本人も悩む日本語
    言語学者が「それって正しい言い方なの?」と聞かれると、歯切れ悪くなる理由が縷々語られた本(笑)

    一言で言ってしまえば、言語学者は、「規範より記述」を学問的態度として叩き込まれるから。
    言葉の変化には、過去の用法から見てどんなにおかしなものでも、そのように変化する何らかの理由がある。
    言語学者は、決...続きを読む
  • 日本人も悩む日本語
    ら抜き言葉、“はつまご”それとも“ういまご”?、“憮然”の意味の変化など、歴史やことばの成立過程をもとに「誤用」に関する謎を解き明かしていく。

    本文で筆者は『安易に言葉の「正しい」か「間違っている」かを判断することはできない」と説く。誤用だと思っていても、時代とともに使用する人が増えればそれが正と...続きを読む
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    タイトルだと啓蒙書っぽいけど、実際には言葉(主に日本語)について分析した一冊。

    ロゴスとパドスについて、そして実際の使用法について記述している。
    長くなるので詳細は割愛するけれど、その中で「全然おいしい」や、「お越しになられました」みたいな二重敬語は必ずしも間違いではないと書かれていた。
    論拠と...続きを読む
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    [ 内容 ]
    謝罪の場面で真意が伝わらず怒らせる、誤解を与える、だらだらと長く続く言い訳文、空気の読めない発言、どこか変な敬語、…。
    こうしたコミュニケーションの行き違いを生じさせる言い方や表現は、ニュアンスや印象論で語られがちだが、実は言語学的な理由がある。
    本書では、「まずい」具体例を数多く取り...続きを読む
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    「え~~~ほんとにこの日本語間違っているの?」「ちょっと不自然、ちょっと変」知らないうちに使ってる。感覚的に変だというのではない。言語学的見地からの解説
  • 言語学講義 ──その起源と未来
    当代の碩学、加藤先生による言語学随筆か四方山話かというところでしょうか、ご本人も概要書ではないと書いておられます。
    特に後半は概念説明もあったりなかったりなので門外漢の自分が読むとそういうものかとしか言えないわけで、できればもう少しだけ、例えば生成文法って大雑把に言うとこう言うこと、詳しくはこっちの...続きを読む
  • 日本人も悩む日本語
    「いただいてください」は「召し上がってください」と改めるのが正しいとされる。但し、本書は単なる○×では留まらない。さらなる掘り下げがある。たとえば「いただく」と言っても自分でお茶を買い自分で飲む場合はへりくだる相手がおらず、場合によっては厳密な謙譲語から逸脱する用法となっている。いただく=謙譲語と断...続きを読む
  • 日本語を知るための51題
    「シカト」(=無視)、「タメ」(=同年齢)などの隠語が一般化する理由は?
    「私は田中です」と「私が田中です」の違いは?
    「御返事」は「お返事」?「ご返事」?

    日本人たるもの正しい日本語を身につけたい!正したい!気になる!という安易な好奇心から手を出した結果、想像以上に上級者向けの専門的な世界が広が...続きを読む
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    言葉遣いで、印象が代わって、上から言葉になったりしたり。そういうと敬語ばかりに着目しがちだが、敬語以前の言葉選びにも、印象を考慮してチョイスすべき。普段着にしない言葉の印象が細かく検証されていて面白い。
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    仕事で思うところがあり、手に取った本。書き言葉ではなく、話し言葉について中心に書かれています。『火に油を注ぎかねない「は」』とかうなずきながら読んでしまいました。。ただ、最初のほうは結構面白くてぐいぐい読んで行けたんですが、最後のほうになってちょっと減速。。。そこで少し点数を下げました。それでも、人...続きを読む
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    語用論の参考書?として読みました。

    「日本人は~」とか「日本語は~」とかの表現が多いですが、
    あまり海外との比較・対照がないように感じました。

    内容はわかりやすかったです。
    ただ、個人的には、もっと専門的でもいいかなぁと思います。
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    前半には 身近に見られる引っかかりを感じる言葉遣いを例にあげながら、どの様に意思疎通の失敗が起こるのかを解説。

    後半は筆者の専門領域である語用論に踏み込み、前半の様な誤解が起こる仕組みを、ロゴスとパトス、「空気を読む」などと言われる話者や場の了解事項などの枠組みで捉え直し、どうやって気持ちを害さず...続きを読む
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    おもしろかった。話がダラダラ続いてしまう日本語の特徴、続けないと不安になってしまうという隠れた心理を、「文を閉じられない病」と名付けたのは秀逸。