小田部雄次のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
華族に関する入門書として最適だと思います。
華族関連書籍は概ね気合が入りすぎているからか、やたらと資料や込み入った解説が多く
結局なんだったのか分からないといってことに陥りがちだったと思います。
しかしこの本は裏づけとなる数字や資料、またその解説の程度が
華族に対する特別な知識のない人間にとってまさに絶妙の配分、難易度なのです。
華族ってどんな人たちがなったの?
華族ってお金持ちだったの?
華族って何人いたの?
公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の違いってなに?
↑それぞれ何人くらいいたの?
華族のその後ってどうなったの?
などなどの疑問に答えてくれるニュース解説の池上さんみたいに親切な一冊で -
Posted by ブクログ
ネタバレ急激に変化していった時代の流れに追いついていけた庶民は一体どのくらいいたのだろうか。
何百年も続いていた生活習慣が禁止をされてしまうのは非常に厄介だったのではなかろうか。
当時の流行り廃りをはじめ、何故流行ったのかも現在まで分からないことも、少し前の時代の事でもあるのだなと疑問に思ったが、市民全員が勉学に勤める時代になったのは本当に最近の事だと知り、そりゃあ文章として残したりはなかなかできないよなと納得。
何となく流行、なんとなく飽きて、なんとなく廃れていく文化はいつの時代も起こるものなのだろう。
学ぶことよりも家事の手伝いを重んじていた時代、小学校に反対して放火までしてしまう心理も良く分かる -
Posted by ブクログ
世襲っていうのは、ほとんど身分制度みたいなもので、地盤や資産だけではなく、親の代から世話になった“シガラミ“まで引き継いでしまう。世襲ではない総理は、やはり良いのかも知れない。
士農工商という身分制度は、武士以外は横並びで江戸時代に規定されたものではなく、明治以降に広まった言葉。最近の教科書では、こう修正されたらしい。現代の身分制度はというと、政治家や経営者、高学歴採用の大企業、資格を有する士業は「武士」。圧倒的多数の中小企業が「農(商)」、農家は既に職人のような扱いで「工」みたいな感じだろうか。武士のみが特権の世襲でそれ以外は横並び、経済を日々耕すサラリーパーソンは農民だという点でも、見直 -
Posted by ブクログ
断片的な引用だが刊行当時は知られていなかった事柄が分かった点はある。例えば方子女王と王世子李垠との成婚は「政略結婚」ではなく梨本宮家が結婚適齢期を迎えた方子女王の相手として4歳年上で朝鮮には戻らないであろう王世子李垠に白羽の矢を立てたという事実。
著者は「李方子」で「荒唐無稽なフィクションともいえない迫力がある」と評価している赤瀬川隼の「青磁のひと」なる小説があるが、この本を書いた時点では「青磁のひと」の末尾に紹介されている張赫宙の「秘苑の花」を読んでいないらしいのは何故なのだろうか?「英親王李垠伝」に紹介されていて刊行当時に張赫宙が手を加えた「引用文」があるのに彼の存在を知らなかったので気 -
Posted by ブクログ
上皇后美智子様が色々な場で仰っしゃられた366の言葉
一日一個読めや!ってことだったのかもしれんが一日で読んじゃいました
はい、ぐだぐだ言わずに特に響いた言葉をメモ的に残します
震えろ
「憎しみに囲まれて何かをしようとしても、くずれる砂山を足場にするように、何一つ実るものはございませんでしょう」
「私はいつも自分の足りない点をまわりの人々に許していただいてここまで来たのよ」
「くまモンはお一人なの?」
「人の目というのは、大変といえば大変かもしれませんが、一方で励ましという意味にも取れるのです」
「バラの花って、日の当たっているところもきれいだけど日の当たらない影のところもきれい -
Posted by ブクログ
「皇族に嫁いだ女性たち」と銘打ち3人の宮妃写真を表紙カバーにしているが、内容は彼女達の人生にクローズアップというよりは(してるけど)維新後の皇室全般を説明してくれている。
まぁ宮妃を話そうにも豊富なエピソードが伝えられているのは歴代皇后皇太子妃、梨本宮伊都子妃くらいだろうからそりゃこうなるよね的な。
それでも男系家系図だけでなく女性に基づいた家系解説などは当時の姻戚関係を感じ取るのに便利。
内容に特別新しいものはない(小田部氏の他本と大体同じ)だが、久邇宮良子のお妃選びについての考察で「実子のない昭憲皇太后を介して血縁が近すぎるとした一条朝子を外したのは謎、九条家出身の貞明皇后なのでは」「九 -
Posted by ブクログ
子が中学受験に向けて、猛進しています。
そんな中、子が通う早稲アカから配布された雑誌の中で、男子御三家のどこかの先生がこの本をお勧めしていました。
こんな本、隔世の感がありますよね。決して悪い意味ではなく。
そもそも譲位ということが長らくなかったわけなので、ご存命の天皇の伝記漫画がでるということが新鮮。
でも決して何かを煽るような内容ではなく、しとしとと平成の天皇・皇后の歩みが記されている。それがアラフォーの私の目に触れる前に、小学生向け雑誌に掲載されている。
歴史は、平和への祈りは、受け継がれていってほしいと強く思いました。うちの子は残念ながらあまり読書の習慣がないので、私が買って、私が -
Posted by ブクログ
「皇族」については、一般にその歴史と近代日本における役割を詳細に知ることはあまりないし、なんとなくのイメージしか持たないいようにも思える。
本書は、その「天皇家の近現代史」を詳細かつ丁寧にひもといており、興味深く読むことができた。
「近代皇族の誕生」における「陸海軍」での役割を読むと、当時の皇族に課せられ、期待された任務がよくわかるが、「皇族男子の全て」が「陸海軍の軍人になることが義務付けられる」とは、当時のヨーロッパにもなかったことではないのだろうか。
その後の「昭和の戦争」における「皇族軍人」が及ぼした影響を考えると、当時この制度ができた理由はなんだったのか。
「法制化される皇族 -
Posted by ブクログ
ネタバレ皇族の定義は自体によって違う。
臣籍降下した11宮家は室町時代・江戸時代の天皇から分かれた系統で、現皇室とは血縁的に相当さかのぼる。
伊藤博文は女系天皇容認論者であった。
東久邇宮は欧州に留学し、その後なかなか日本に戻らず、再三の説得によりようやく帰国した。
伏見宮博恭王は軍令部総長となり、皇族という立場も利用して、自己の考えを推し等した。非立憲的態度であった。
昭和天皇と2直宮とは、対米開戦を巡り相当のやりとりがあった。特に高松宮とは開戦後の相当意見の対立があった。
皇族でも戦後には離婚騒動があった。閑院宮。
皇室関連法、軍人皇族一覧、皇族外遊先一覧、臣籍降下時の宮家財産、内親王・女王婚家一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
古代より「天皇の血族」として存在した皇族。
明治維新後、最も近親で天皇を支える階級として、軍人の義務と多くの特典を獲得し成立した。
だが、自らの権威・特権を背景に、長老の皇族軍人や直宮は、天皇を脅かす存在でもあった。
本書は、古代から現代の皇族を概観し、近代以降存在した十五宮家、皇族軍人たちの動向、新たな位置づけを求めた戦後の「皇室」を中心に、皇族の全貌を明らかにする。
巻末に詳細な「近代皇族一覧」付。
[ 目次 ]
序章 十一宮家の皇籍離脱―伏見宮系皇族の解体
第1章 近代皇族の誕生
第2章 法制化される皇族―男系・傍系・配偶者
第3章 謳歌と翳り―近代国家の成立期
第4章 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
明治維新後、旧公卿・大名、維新功労者などから選ばれた華族。
「皇族の藩屏」として、貴族院議員選出など多くの特権を享受した彼らは、近代日本の政治、経済、生活様式をリードした「恵まれた」階級のはずだった。
日清・日露戦争後、膨大な軍人や財界人を組み込み拡大を続けたが、多様な出自ゆえ基盤は脆く、敗戦とともに消滅する。
本書は、七八年間に一〇一一家存在したその実像を明らかにする。
巻末に詳細な「華族一覧」付。
[ 目次 ]
序章 イメージとしての華族―鹿鳴館を彩った人びと
第1章 華族の成立
第2章 「選ばれた階級」の基盤構築
第3章 肥大化する華族―明治から大正へ
第4章 崩壊への道 -
Posted by ブクログ
この本は、明治維新〜現在までの、皇族についてかなり網羅的に書かれた本であって、おそらくあまり他にない目の付け所で、貴重な記録である。皇室ゴシップ的なおもしろさで読むことも出来る。
我々は皇族というと、つい現在の天皇家を考えてしまうが、戦前は皇族の範囲はもっと広かった。彼らは特権を持っていたが、基本的に軍人になるという社会的な使命も負っていて、独特な存在で、それなりの影響力もあった。しかし、戦後の皇室典範の改正により、過酷な財産税も科せられ、臣籍降下される。その運命は興味深い。
また、皇室に関する記述も多く、天皇の素顔を垣間見ることができる。天皇跡継ぎ問題についても言及がある。著者ははっきり -
Posted by ブクログ
ネタバレ近代皇族の概説を女性を中心にって感じで浅く広くという印象ではあるけれど面白く読めた。
最後の上皇今上の結婚や良子美智子雅子に対する内外の風聞に対する考察は読み応えがあった。
系図が断片的なのがいくつかあるだけなので気になった人の出自を確認するのが難しい。
最初からパラパラ見直して結局わからないことが何度かあった。
もっと横断的な系図を1枚つけるだけで格段に読みやすくなると思うのだが。
梨本宮伊都子妃の日記が良く出てくる。この人自体ネタに困らない人のようだから当然なのだろう。
封建的な考えした古い人というイメージだったがちょっと興味が出て日記調べてみたら本著と同じ著者で笑った。
愛子様って