高間邦男のレビュー一覧
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変わり続ける社会環境。この変化に企業が対応していくためには変革が必要、ということはずっと言われ続けてきました。ビジネスの教科書には必ず載っている言葉です。しかしながら、わかっていても変革ができていないことも少なくありません。それは変革の本質を捉えていないことが大きな要因ではないでしょうか。この本では、ホールシステムアプローチやU理論などのイノベーションのアプローチを踏まえて変革に向けての踏み込んだ考え方が整理されています。
以下、要約と解釈です。
変革を求める企業に求められる基本的な考え方 ⇒ 複雑性の増す現場を見る
企業には常に環境に合わせて柔軟に変化し、社会に必要とされる価値を継続して提供していくことが求められます。このとき、基本的な考え方として、
・机上の空論では意味が無い ⇒ 動いているのは現場
・機能を並べるだけでは意味が無い ⇒ 経営トップから現場までの一貫性が必要
ということは忘れてはいけません。あわせて環境変化が
・これまで以上に早く
・多様性が高まっている
・複雑性も増している
ということも認識することが必要です。特に複雑性については以下の3ステップがあり、現状は最も複雑性の高い生成的複雑性にあることも認識することが必要です
・物理的複雑性 : 新技術や新制度の登場など環境によって引き起こされる複雑さ
・社会的複雑性 : 利害関係などの関係性によって引き起こされる複雑さ
・生成的複雑性 : 物理的複雑性×社会的複雑性の両方が派生する予測不可能な複雑さ
変革を実現する基本的なアプローチ ⇒ ポジティブアプローチで未来への創発を
予測不可能な複雑性に企業が対応していくためにはどうすればよいのでしょうか。物理的な複雑性であれば、全体の仕組み(システム)を最適化することを考えていれば解決できました。社会的複雑性については、参加者同士の協調性を引き出す対話の場があれば解決することができました。しかし、生成的複雑性ではそれらのアプローチでは不十分です。予想不可能な複雑性に対しては、過去のケーススタディに学んで踏襲するのではなく、新しいアプローチを創発していくことが必要なのです。
その創発していくためのアプローチの一つがポジティブアプローチです。具体的な手法としてはAIやフューチャーサーチなどがありますが、共通した原則は
・信頼感のある対話の場を作る
・メンバーの察知力を引き出す(互いの考えを感じ取る関係を作る)
・相互に敬意をもって強みを引き出しあえる状態にする
・一人ひとりが主体性を引き出す
・場の一体感を作る
・共通の思いを創る・言葉にする
ということが必要になります。このあたりのアプローチはU理論や知識創造などの要素が多分に含まれています。
変革へのアクション
ポジティブアプローチの原則を押さえた上で、実際に変革を行っていくためにはアクションを起こさなければいけません。そのアクションとしては
1・俯瞰的視野から現状を把握してわかりやすく共有する
2・ありたい姿の共通認識を持つ
3・相互の信頼関係を作り上げる
4・目的・ゴールを全員が理解する
5・ネガティブな要素も含めて現状を受け入れ、そこからの創発を引き出す
6・創発した内容を深め、全員が理解を共有する
7・何を・いつまでに・だれが・どこまでやるか具体的なシナリオを決める(アクションプラン)
8・ゴールに向けてシナリオを実行する
9・レビューをして成果を実感する
という9つのステップが必要となります。そして9ステップ目までたどり着いたら再びステップ1からはじめていくことで、予測不可能な複雑性に対応していくことが可能なのです。
ただし、この実行にはコーディネーターが必要です。放っておいて自動的に進むわけではありません。自分自身が変革を強く求め、信念をもって周囲に働きかけることができるリーダーの存在は必要不可欠です。理屈で押し固められたリーダー像ではなく、論理も理解しながら、ハートももっているリーダー像が求められるのです。 -
Posted by ブクログ
非常に頭に入り易い読み物でした。
センゲの"学習する組織"よりもスンナリと読み込むことができました。
著者である高間さんの経歴をみると、産能総研にも在籍していたとのこと。
言われてみれば、"HRM戦略" で学んだフレーズが多々ありました。
段々と自分の中に"学習する組織"の下地が形成されつつある感があります。
あとは実践でのPDCAだ!
これだと思ったものについては、徹底的に読み込む、裏を取る、繰り返す。。。
職人さん的に、体に染み込ませる様な学び。
何らかインパクトを自分自身に与えないと、本当の意味で身につかないと考えているので。
自分の言葉で語れるレベルまで学びこむ。
"観察の理論負荷性" のブラッシュアップ。
自分の主軸は、観察(リアル世界)にあります。
観察の幅を広げたり、洞察を深めたい。
そのための理論習得でした。 -
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人材開発のコンサル会社をやっている著者の書いた人材開発のノウハウ本です。
専門家なだけあってかなり眼識があるようで、コンピテンシーやら人材開発で活躍する人材の特徴やら意見を出すための打ち合わせの方法やら、話は多岐に渡っていたのですが、終始安定したクオリティでした。
バランススコアカードなども概念としては知っていたのですが、こういう現場で使っている人から改めて説明されると理解が進みます。
ビジョン・戦略・戦術・評価へとブレークダウンしていく、というロジックとしては非常に単純な構図になっていても、この整合性を取るのは非常に困難です。
特に具体的な数値目標・評価項目に落とし込む段階で重み付けがうまく取れなくなってしまいます。
組織を考える上で非常に参考になる一冊でした。 -
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ネタバレ組織論に関して基礎的なことにも触れ、
目指すべき方向を書いている。
だが、、、話が分散しすぎて読みづらい。
基礎の部分が多方面に展開してるので、
知っている部分が多かったし、具体的な話が少ない。
そのため、主張が弱い感が否めない。
その上横文字乱用。覚えずらいのから、
よく聞くけど、意味が取り違えてしまう単純な単語。
読んでて、兎に角集中しづらかった。
必要なことは変化への意志共有。そして時間をかけること。
また分析的思考ではなく、時系列も含めた、
システムシンキング。(=システム思考)
これは論理的思考とも若干異なる。
1つの課題を徹底的に掘り下げて解決していくのが、分析的思考。
1つ以上の課題を全体との影響をみながら解決していくのが、
論理的思考だろうか。
1つ以上の課題を全体への影響を未来への変化も含め
考えていくのがシステム思考か。
このあたりはシステム思考の方を1冊読んだ方が(読んだから)いい。
とはいえ、おっさんが即答することの浅はかさが納得できた。
それが『ダウンローディング』
自分の今までの経験などから物事の判断などを相手に伝える(即答する)こと。
言い換えると、自分の認識の中だけで、周りの条件や立場を考えずに発言すること。
これは痛感することがしばしばある。
特に職業柄これをされると本当にイラっとする。
ITに関しては漠然にも、理解している人はほとんどいない。
その上、歳だけ取って過去を引きずってる保身的な年寄りは
是非退場していただきたい。言い過ぎました。
■チェンジ・エージェント
停滞した組織の中で変革を起こすキーマン。
あらゆる能力が高いことを期待されるが、周りに信頼があることも重要。
周りのサポートが絶対に必要なため。
根本的には誰でもなれるはず(気持ちの面では?)という。
言葉を選んだり、変化に対して否定的になったのは、
就職してからだから。それ以前は誰もがもっと主張したり、
変化に対応できたはずだから。
組織内での評価の位置づけについて。
評価とは、評価することが目的でなく、
目標達成へ向かわせることが主眼のはずである。
そうするとやはり業績だけでの評価は不可能であり、
相対的なプロセスの評価も必要になる。
また目標に対して、管理職がDo型かBe型かで別れ、
Do型は~をしろ、というタイプ。
Be型はDo以外の部分。属人的な部分が多く、意志の共有と言うか。。。
Do型で成功することはない。個人の成長の妨げになるし、
言われたことだけやればいい、という安易な考えになっていく。
その点Be型であれば共有し、評価される面でも、同じ基準を持てるし、
組織力が増して、何をするのも円滑に。
会議の進め方に関しては、目的・役割・プロセスを考え、
発言の規制はせず、頭の考えの早い人のペースには合わせない。
遅い人に合わせないと、結局共有できない結果になる。
って、わかるんだけど、具体例が少ないんだわ。
タイトルにしても「学習する」って言うのが適切かもわからん。
もっと学習工低を重点的に、具体的に知りたかったんだが。
でも自分の会社に当てはめると色々考えられる。
社長はDo型ではないけど、Be型なのかもよくわからん。
今やっている他部門のシステム開発では、
チェンジ・エージェントになっている人が明らかに力量不足。
その上周りが協力する気がほとんどない。
でも個人の「気持ち」という面では十分に条件を満たしている。
それだけ行動力と発信力はある。
でも時間が足りなかったなぁということを実感した。
変化への意志共有が全くできていないということだろう。
役員からダウンローディングされてイラっとしたけど。
人材不足はどうにも解消できそうにないしな。。。
あと自分もそのせいで共有することより、
進めることに重きを置きすぎたなぁ。 -
Posted by ブクログ
[ 目次 ]
第1章 仕事をめぐる環境が、大きく変わった(メンタルモデルの大きな転換点;マネジメントのあり方に影響を与える、環境の変化)
第2章 組織は生命体(組織のメタファーを変える;組織の生態系が壊れると、何が起こるのか)
第3章 「働きがい」をつくり出す方法(関係者が一堂に会するホールシステム・アプローチ;ギャップアプローチ ほか)
第4章 ポジティブアプローチで組織を変える(信頼感のある対話の場をつくる;メンバーの「察知力」を高める ほか)
第5章 組織を変えるプロセスをコントロールする(組織変革の九つのステップ;全体観をもち、状況の共有によって視座の向上を図る ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
新書の難しさというのは、自らで要点をまとめていかねば
いけないところだと思う。
そういった意味で、この新書の要点をまとめ、実践に落とすまたは
理想をイメージするというのはとても難しい。
けど、知恵をもらうためのヒントはたくさん隠されている感じ。
・Q×A=E
クオリティ×アクセプタンス=エフェクト
・ベクトン・ディッキンソン
・エンゲージメントとは、自分の成長や働きがいを高めることは
組織の価値を高めるということ
・動機付け要因は、達成を認められる、成長できる、責任が増えること。
・学習機会とは、ピカピカ光る背中を持つ人間の周りをウロウロできること。 -
Posted by ブクログ
どうもいわゆる「コンサルタント」と呼ばれる方たちの著書は、いまいち「ん?何を言っているの?」という箇所が必ずある。
例えば「ポジティブアプローチで組織を変える」という章の中の一節に、次のような内容が載っています。
「一般的に、組織がストーリーを広めるねらいは、理解してほしい事柄を物語にしたほうが、聞き手の関心を引きやすく、記憶に残りやすく、
自由な解釈の余地があるので共感しやすいということでしょう。」
そしてここから・・・
「しかし、こういう理解でストーリーテリングを行っても、ストーリーのダウンローディングになり、自他非分離の場づくりや、知識の生成エネルギーは
湧き上がってきません。」・・・ん?何?
ただし、良い内容もたくさん載っています。
やはり、組織を変えると言った場合、例えば「会議」ひとつとってみても、嗜好を変えてみたり、細かい「気配り」が大切で、かつコミュニケーションも
非常に重要ということも理解出来た。結局は、目標を共有し、関係の質を向上させると、目的・ゴールも共有しやすくなり、結果として組織を変えることが
できるというもの。至ってシンプルというばシンプルですね! -
Posted by ブクログ
ネタバレポジティブアプローチで組織を変える
原則1 信頼感のある対話の場をつくる
原則2 メンバーの「察知力」を高める
食器をそのまま返すか、洗って返すか
原則3 一人ひとりをリスペクトし、強みを認める
原則4 主体性を引き出す
原則5 自他非分離の場をつくるーストーリーテリングの重要性
原則6 暗在的リーダーシップでサポートする
組織を変えるプロセスをコントロールする
ステップ1 全体観をもち、状況の共有によって(メンバーの意識や)視座の向上を図る
命令ではない(メンバーにやらされ感が生じる)
マネージャーが自分の想いを語る
他社、他ステークホルダーの声を直接聞く
直接現場で他の人の仕事を体験する
➡ 触れて視て匂いを感じる、身体経験からの体験的情報がメンバーの認知を変える
ステップ2 みなのありたい姿、夢を共有する
ステップ3 関係性の向上を図る
ステップ4 目的・ゴールを共有する
ステップ5 否定と創造
人々の抵抗を掻き立てることはなるべく避ける
秩序(ビジョンや仕組み(プロセス))がしっかりお皿としてつくられ、その皿の上でメンバーが主体的に自由に振る舞いカオスを形成する
すべてのメンバーに現状のままでは達成できないストレッチ(背伸び)目標をもたせ、カオスにならざるを得ないようにする(GE)
ステップ6 新しい意味の創造
これからこれをやっていこうと心の底からおもう状態
ステップ7 アクションプランをつくる
小さい実行可能なもの(最適解でなく近似解でいい)
大切なのは、主体的に素早く仮説、検証し、より良い価値を生成し続ける仕組みをつくること
「何を、誰が、いつまでに、どのレベルまで」実行するか明確にする
特に「誰が」を明確にするl
達成状況確認のため指標をつくる
ステップ8 行動する
実行のための構造的な支えが必要
実行の約三週間〜1か月後に振り返りのミーティング
ステップ9 振り返り、成果を実感する -
Posted by ブクログ
「学習する組織」についてのコンパクトな解説書で、情報量は結構多い。日本的な環境において、実践していくためのアドバイスも豊富である。
センゲ的な「学習する組織」だけでなく、それをコンピテンシーや目標管理など人事制度に結びつけるための考え方とか、従業員の成長に結びつけるためのアクションラーニングとか、戦略を実行に移すためのBSCとか、具体的な会社の制度に結びつけるときの考え方が結構詳しく言及されている。
そこが、既存の経営管理、人事管理制度を抱えながら、「学習する組織」に取り組もうとしている実務者にはとてもよいところだろうか。
一方、センゲ的な「学習する組織」を日本で取り組むためには?という部分については、ちょっと薄い気もする。
という意味では、タイトルから本書に期待したものとは、少し違う気もした。 -
Posted by ブクログ
この本のベースとなっているピーター・ゼンゲの「最強組織の法則」に、うちの会社の経営者が心酔していることから、その解説本という位置づけで読んでみました。会社で受けた企業文化の研修と非常に近しいところもあるし、多少の予備知識があった文、分かりやすく読み取れました。
とはいえこの手の組織論とか人事論って、学問だけで語っていくと本当に疲れるし内容も薄く感じちゃうんですよね。随所に散りばめられたケース・スタディをもう少し掘り下げて紹介いただくと、初めて読んだ人にももっと伝えたいことが伝わるんじゃないかなぁ、と、自省も兼ねて思いました。
正直、買ってから手をつけるまでにだいぶ時間があいてしまっていたのですが、読み応えのある一冊であることは間違いありません。