渡辺利夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりにこういう系の新書。
どんどん新しい知識が体の中に吸収されていく感じがして、読んでて楽しすぎた。ってことで、★5つ。多分、読むタイミングが違えば評価も違ったやろけどww
内容としては、
「日本のODAってよく批判されてるけど、実際のとこはどうなの?」
っていう出発点から、日本のODAを他国と比較しながら分析していく感じ。
日本のODAは『借款』が中心で、『贈与』の割合は(他の先進国と比べれば)低い。ただ、それは借款をすることで、甘やかしで終わらないために必要なことであり、本当の意味での「開発援助」と言えると述べられている。しかし、一方で、日本のODAは円借款が中心で、「お金 -
Posted by ブクログ
以前から、渡辺氏はバランス感覚のある思想家だと思ひ、いくつかの著作を読んできた。
今回の新書は、拓殖大学の総長として、拓殖大学の歴史を織り交ぜながら、日本の明治以降の近代史を書き上げた本である。
故人となつて仕舞つたが星野君の母校でもあり、近代史を通観する為にも良いテキストだと思つて選んだ次第である。星野君はどんな感想を表明するか楽しみにしてゐたのだが、残念である。
先づ書き出しの垂直的人間関係と水平的人間関係と言つた概念は新鮮で説得力ある表現だと感じる。
私事であるが、母方の曽祖父は日露戦争の日本海海戦で戦つた帝国海軍軍人であつたし、祖父は大東亜戦争前の南京攻略戦で戦死した帝国陸 -
Posted by ブクログ
ODAの入門書。同期の一部がこの業務に携わる為、読んでみた。日本はODAを通じて発展途上国(東アジア)の貧困削減・経済発展に成功した唯一の国と言っても過言ではない。筆者は日本のODAを他国も見習うべきだと主張すると共に、東アジアへの支援は別の形に移行すべきだと言う。それは「ハード中心」「二国間」「一方通行」的な協力から、FTA締結や地域協力の推進を視野に入れた「ソフト中心」「多国間」「双方向」的な協力へというものだ。また筆者はODAの「触媒効果」を期待する。つまりODAがソフトインフラ整備を通じて民間活力を誘い出す触媒になるということだ。そのための「知的支援」において日本はODAのリーダーにな