加藤正夫のレビュー一覧

  • 陸軍中野学校 秘密戦士の実態

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     陸軍中野学校の創設から教育、各国の独立運動で暗躍した機関、戦争末期の空挺作戦や戦後処理に至るまでが触れられている。独立運動に関係する工作は、歴史を変えるかもしれない内容のものも多くあったが、結局大本営や軍政と意見の違いや戦局の悪化によって上手くいかなかったのが読んでいて感じた印象であった。ただ短い陸軍中野学校の歴史で、卒業した戦士が各地で活躍していたことは良く伝わってきた。

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    2025年11月17日
  • 陸軍中野学校 秘密戦士の実態

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    著者は終戦直前に陸軍中野学校を卒業し、実戦配備の日に終戦を迎えた。発足当時の中野学校の詳細は本書では判らない。しかし、日中戦争から太平洋戦争、そして終戦後の中野学校出身者の動向をよく調べて上梓されている。インドに対する中野の秘密戦は成功だったと思う。しかし、ビルマに対しては軍部の思惑と中野的戦略の乖離で失敗した印象。やはり軍上層部の、秘密戦=謀略=卑怯というステレオタイプのために、愚かで悲惨な終戦を迎えた要因だったのか?

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    2019年10月28日
  • 陸軍中野学校 秘密戦士の実態

    Posted by ブクログ

    こういった本を歴史の教科書に引用したいですね。コラムあたりで。
    特に藤原機関から岩畔、光機関の活躍は圧巻です。マレー戦線、インド国民軍の創設とインパール作戦での敗北、戦後インド独立へのくだりに秘密戦士の底力を感じます。
    中野学校創立の昭和13年から終戦昭和20年までのわずか8年間で、卒業生は2,500人。しかしながらその功績は絶大。まさに少数精鋭ですが、ただ情報戦の技術に長けていただけではなく、アジア民族、現地人への深い愛情を彼らが抱いていたのだと、藤原教官の言葉に感じます。
    賛否両論はありそうですが、他国の解放にこれだけの情熱を傾けられる彼らの愛情はやはり本物と思えてなりません。

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    2011年09月05日