小林綾子のレビュー一覧

  • 市民的抵抗:非暴力が社会を変える

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    ネタバレ

    「市民的抵抗-非暴力が社会を変える」
    著者:エリカ・チェノウス
     
    一般的印象とは違い、非暴力運動の成功率は高く、非暴力抵抗のキャンペーンは半分以上が成功したことに対し、暴力抵抗のキャンペーンの成功率は25%しかなかった。それを証明する文献です。

    非暴力運動=市民的抵抗で、ストライキ、デモ、ボイコット、座り込み、非協力等。風刺や落書きも非暴力運動に入る。

    ①成功率は運動の政治力に左右される。あらゆる所得層、職業、宗教に支持され、多種多様な団体と連携することが重要である。海外の同様の団体や人権支援国家とも連携することももちろん重要である。
    ②更には敵=権力側の人員にも協力者、味方に取り込む。

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    2025年06月29日
  • 市民的抵抗:非暴力が社会を変える

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    日本にいると体感では分からないが、今も世界は(物理的な)暴力で満ち溢れているが、それでも(物理的、構造的かつ社会的)暴力を減らすには非暴力を貫き通すということの重要性が分かる一冊。
    斎藤幸平『人新世の『資本論』』で3.5%論が取り上げられたのでこの数字だけが一人歩きしている感も否めないので、是非、
    『人新世〜』を読まれた方、
    日本から社会運動を盛り上げたい、社会をなんとかしたい、と思う方には読んでほしい。

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    2023年07月02日
  • 市民的抵抗:非暴力が社会を変える

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    暴力と非暴力の市民的抵抗の対比で書かれているが、暴力を非難するのではなく、暴力よりも非暴力の市民的抵抗の方が効率的で効果が得やすいといった論調のためフェアに比較できる。そして3.5%の市民が行動を起こせば社会を変えられることはよく覚えておきたい。改革を起こすには3.5%は非常に大きな比率であり、変革を起こすためにどれだけ仲間を募るかの一つの指針になり得る。

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    2025年07月18日
  • 市民的抵抗:非暴力が社会を変える

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    学ぶべきことは多い。3.5%の市民がキャンペーンに参加すれば抗議は成功する。これは当たり前だが絶対ではない。しかしその数字に囚われることなく市民が不正義に対峙することや声を上げることを一人でも多く増やしていくことは大切なこと。暴力抗議より非暴力抗議の方が成功しやすい。あくまでしやすいとのことだし文脈や状況にも左右はされるのだろうけど敵対エリートや国家権力者や軍人や警察の離反を求めることが大切なのなら確かにこちらが暴力を用いては相手も暴力やそれ以上の暴力で対抗せざるを得ないということは直感的にも理解できる。
    包括的で多様な人々がより多く参加をし誰も周縁化せず非暴力を用いて周到に組織化をし不正義に

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    2025年05月15日
  • 市民的抵抗:非暴力が社会を変える

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    1900年~2019年までの市民的抵抗を網羅的に調査し、統計結果と個別の研究から説得的な論考を進める画期的な本。
    様々な方向から丁寧に説明されているので、自分の中でぼんやりと考えていたことに輪郭と裏付けが与えられる思い。
    市民的抵抗の活動中の方も、活動していないが社会問題の解決に心を悩ませている人も、ぜひ一度読んでほしい。

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    2024年02月10日