池田純一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ソーシャル以後、ウェブ上で様々なコミュニケーションが可能であることを、世界中の人々が経験した。そのため、それ以前に比べて人類のレベルで幸福を想像することが容易になったことは確かなのだろう。
ウェブ企業における地球規模のユーザー数の多さが、そのような発想を自然なものにする。この段階になるとおそらくは、人類の幸福を扱う世界観(=宗教観)の下で世界を解釈してきた文明的記憶の有無や程度が、そもそもの発想に影響を与えることだろう。キリスト教を始めとする普遍宗教への関心が高まるのもそのためだ。
なぜなら、極めて個別的な体験が、ウェブという地球規模のコミュニケーション回路を通じて瞬時に世界に行き渡ることで、いつの間にか、世界的なもの、見かけだけならば普遍的なものになってしまうような時代に人々が居合わせているからだ。
個別の出来事が短期間のうちに世界化/普遍化するのであれば、確かに人々の意識とともに世界のイメージも書き換えられてしまうことだろう。』
チャラい作品かと思ったら、途中から、パース、ジェイムズ、デューイとプラグマティズムの議論になり、「二周目の近代」論は濃厚だった。
近代化の焼き増しというか、近代の再生産というか、素晴らしい近代論で、もう少し周辺の補習が必要だと感じた。
特にプラグマティズムへの理解がもっと必要だと痛感した作品。 -
Posted by ブクログ
「Web界隈」というのは不思議な言葉だけど、取り敢えずそれに関する本(別にこの本にこの用語がつかわれているわけではない)
網羅的で、後半程よくロマンが入ってくる
これ単体で面白いというよりは、いろんなことの入り口や橋渡しをしてくれる本
『評価経済社会』と合わせて読むと面白いところも結構ある
・ウェブの自由さ、オープンさが減って来ている
・ORの話もちょっと出てきた
・web以前からの流れ
・フォンノイマンのゲーム理論の著作は「ゲーム理論と経済行動」
・ハーバートサイモン(政治科学者)の話も
組織原理について考えるときに、「組織」への注目が集団の方に振れれば、企業経営や政府運営に向かうし、個人に振れれば「認知工学」のような方に向かう
そして個人と組織を架橋するものとしてコンピューターがある
・最適化過程としてのデザイン
・システム設計としてのデザイン
サイモンに端を発する人間の持つ限定合理性を前提にした人工物としてのデザインの工学化
・建築
・シリコンバレーのハリウッド化
・利益よりも価値
・価値を利益に転ずることが「マネタイズ」
・Facebookはバーチャル国家、Twitterはソーシャルメディア
・社会学におけるルーマンとハーバーマスの対立
・「ヒューマンタッチ」が重要。
人間を感じさせる要素
・真善美⇒Google、Facebook、Apple
・企業経営や政府運営の文脈で「ゲームチェンジャー」という言葉が多用されるようになっている
・デモクラタイズ
・漸近すること、計算可能性
・遊戯性と可塑性 -
Posted by ブクログ
自分にとって読書とは、ある部分においては自分自身を発見するための手段でもある。
自分がどうして昔からMacを使っていたのか、この本を読んで何となく理解できたような気がした。「カウンターカルチャー」だったのだ(でも、どうして自分が「カウンターカルチャー」に憧れたのかはいまだによくわからない)。
筆者は、現在のウェブの姿を、その歴史的・思想的な背景から丁寧に腑分けする。その切り口は、アメリカという国がどういう国かというところから発想されている。
扱っている材料はなかなか大きすぎて料理しにくいと思われるのだが、それを力技でなく平易な語り口の中に収めようとした筆致はお見事のひと言。
よい本だ。 -
Posted by ブクログ
アメリカがなぜウェブ時代の強者となったのか。
組織、制度に対する考え方が特異的である。
例 企業と市は組織として並列、営利が一番でないけどNPOでもない新しい組織が最近できた
各州で法律が違うので企業が登記したがる州、とかがある
州ごとに制度が違うことで遺伝アルゴリズムみたいなことになって進化が進む
科学と技術の関係が科学から技術、という第二次大戦でバネバーブッシュが提案した流れから技術から科学へに揺り戻されている
例 グーグル、スペースx
技術を制度化する流れ西から東へ
write and build
プラグマティズム 実験によって仮説を確かめる
未来を語るのは投資家 -
Posted by ブクログ
ネタバレ* ウェブの死:クリス・アンダーセン
* スマートフォンやタブレットの登場で、インターネットの中に世界中にオープンなWWWとは異なるクローズドな世界が作られている
* その帰結として、ウェブの細断化/断片化が進んでしまう
* iPhoneやFacebookのようなモバイルウェブやソーシャルウェブの動きがそれで、そうしたクローズドな世界を提供するアプリケーションによって、自由なアクセスが担保されたWWWは死んだ
* ウェブの死は、逆に言うと新しい何かが生まれようとしてるとも言える
* 個別に作りこまれるIFが乱立すると、ウェブが持つリンク可能性がもたらす相互参照性が薄れる
* ウェブは本来、水平的な網目構造は相互に行き来が可能、参照が可能な世界
* ネットワーク外部性
* 初期の優位性が短期間で最終的な優位性につながってしまう
* 繋がりがつながりを呼び、そのつなげてしまった結果うまれる「皆が使うから使う」という選択圧力の効果
* ソーシャルグラフ
* 人間の交友関係を捉える視点
* 人はグラフ構造のノードとなり、人と人との交友のありなしが、そのノード間のブランチで表現される
* オライリーのWeb2.0のコンセプト
* 今後のウェブ活動を支えるのは、ブラウザやアプリのような目に見えるフロントエンドのIFではなく、表向きは見えないバックエンドに蓄積されるデータであるという認識
* ウェブの死はあまり気にかけていない
* Googleが革新的だったのは、リアルワールドからのマネーの補填に頼らずに、ウェブの活動そのものでマネーが回る仕組みを作ったこと
* カウンターカルチャー
* アメリカで主に60年代に起こった若者による運動の総称
* ヒッピー、ドラッグ、ビートニク、コミューン運動、フリースピーチ運動、公民権運動、女性運動、ゲイ開放、ベトナム反戦
* ARPANETは冷戦下の核攻撃による通信網の破壊=連邦政府機能の停止による恐怖から生み出された
* 2点間を結ぶ電話網の脆弱性の克服が開発当初からの目的
* 採用されたのは効率性よりも冗長性を重視する分散型のネットワーク
* 当初からパケット方式が利用できるデジタルネットワークとして設定
* Comprehensive Design :バックミンスター・フラー
* デザイン=設計の際には、全体(Comprehensive)を見渡した上で、最小限で最大の効果を得るのが最良のデザイン
* ソーシャルネットワーク
* 端的に社交関係のこと(社会全体とか共同体とかのイメージではない)
* 社交デビューすることで社会化(socialize)が完成する(アメリカ特有のパーティ(ボール)に男女で参加するような)というアメリカの慣習に基づく
* オプトイン/オプトアウト
* オプトイン:ユーザが利用する(in)という意思を示さなければ使えない
* オプトアウト:ユーザが利用しない(out)という意思を示さない限り利用できてしまう
* ビズストーン(Twitterの創業者の一人)
* Value Before Profit:人々が日々使ってくれるなにか価値があるものを作ることが最優先事項
* GoogleとFacebookは対極的な発想を持つ
* Googleの方向性
* 人工知能研究の成果を取り入れ、徹底的に機械化/アルゴリズム化をして、ウェブの利用の具体的プロセスで極力人の介在を排除する
* それによって人間の恣意性を排した客観性=公平性を担保する
* FaceBookの方向性
* あくまでネットワークを操るのは人間。
* 人間の側が自らの意思で「シェアする精神」に寄することでウェブを豊かにするのが大切
* 現在のウェブは三層構造
* 場=プラットフォームを作る人(アーキテクト)
* その場の上でサービス/アプリを作る人(クリエイター)
* そのサービスを消費する人(プレイヤー)