池田純一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『ソーシャル以後、ウェブ上で様々なコミュニケーションが可能であることを、世界中の人々が経験した。そのため、それ以前に比べて人類のレベルで幸福を想像することが容易になったことは確かなのだろう。
ウェブ企業における地球規模のユーザー数の多さが、そのような発想を自然なものにする。この段階になるとおそらくは、人類の幸福を扱う世界観(=宗教観)の下で世界を解釈してきた文明的記憶の有無や程度が、そもそもの発想に影響を与えることだろう。キリスト教を始めとする普遍宗教への関心が高まるのもそのためだ。
なぜなら、極めて個別的な体験が、ウェブという地球規模のコミュニケーション回路を通じて瞬時に世界に行き渡るこ -
Posted by ブクログ
「Web界隈」というのは不思議な言葉だけど、取り敢えずそれに関する本(別にこの本にこの用語がつかわれているわけではない)
網羅的で、後半程よくロマンが入ってくる
これ単体で面白いというよりは、いろんなことの入り口や橋渡しをしてくれる本
『評価経済社会』と合わせて読むと面白いところも結構ある
・ウェブの自由さ、オープンさが減って来ている
・ORの話もちょっと出てきた
・web以前からの流れ
・フォンノイマンのゲーム理論の著作は「ゲーム理論と経済行動」
・ハーバートサイモン(政治科学者)の話も
組織原理について考えるときに、「組織」への注目が集団の方に振れれば、企業経営や政府運営に向かうし、個 -
Posted by ブクログ
自分にとって読書とは、ある部分においては自分自身を発見するための手段でもある。
自分がどうして昔からMacを使っていたのか、この本を読んで何となく理解できたような気がした。「カウンターカルチャー」だったのだ(でも、どうして自分が「カウンターカルチャー」に憧れたのかはいまだによくわからない)。
筆者は、現在のウェブの姿を、その歴史的・思想的な背景から丁寧に腑分けする。その切り口は、アメリカという国がどういう国かというところから発想されている。
扱っている材料はなかなか大きすぎて料理しにくいと思われるのだが、それを力技でなく平易な語り口の中に収めようとした筆致はお見事のひと言。
よい本だ。 -
Posted by ブクログ
アメリカがなぜウェブ時代の強者となったのか。
組織、制度に対する考え方が特異的である。
例 企業と市は組織として並列、営利が一番でないけどNPOでもない新しい組織が最近できた
各州で法律が違うので企業が登記したがる州、とかがある
州ごとに制度が違うことで遺伝アルゴリズムみたいなことになって進化が進む
科学と技術の関係が科学から技術、という第二次大戦でバネバーブッシュが提案した流れから技術から科学へに揺り戻されている
例 グーグル、スペースx
技術を制度化する流れ西から東へ
write and build
プラグマティズム 実験によって仮説を確かめる
未来を語るのは投資家 -
Posted by ブクログ
ネタバレ* ウェブの死:クリス・アンダーセン
* スマートフォンやタブレットの登場で、インターネットの中に世界中にオープンなWWWとは異なるクローズドな世界が作られている
* その帰結として、ウェブの細断化/断片化が進んでしまう
* iPhoneやFacebookのようなモバイルウェブやソーシャルウェブの動きがそれで、そうしたクローズドな世界を提供するアプリケーションによって、自由なアクセスが担保されたWWWは死んだ
* ウェブの死は、逆に言うと新しい何かが生まれようとしてるとも言える
* 個別に作りこまれるIFが乱立すると、ウェブが持つリンク可能性がもたらす相互参照性が薄れる
* ウェブ