池田純一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前半を読み終えて現代アメリカのインターネットで起こっていることの羅列だけなのかと思われたが、著者がウェブのライトヘビーユーザーであり、ウェブのようにノンリニアに表現した結果というのがわかった。トクヴィルが見たデモクラシーを実現する社会がfacebook、googleを得て新たな局面に入っている。民主主義ってことを実験し、フィードバックをかけ、間違ってたらすぐに訂正し発展させていく国としてアメリカを捉えている。
アメリカ自身金融危機の問題等はらんでいるが、元々のトグヴィルが見たシステムが機能し解決に至るようにしてほしい。
もし、このような本を日本のこととして書くとどうなるだろうか?
日本の理念て -
Posted by ブクログ
情報社会論(だと思う)。
ウェブの世界がこれまでどう推移してきたかと、Facebookに関心が高まり、現に存在感を示している現在のウェブの世界がどう位置づけられるか(理解すればいいか)が、丁寧に書かれている。さらに、ウェブの世界を今後動かしていく力が「構想力」であるとし、この点は厚みのある記述がされている。
「Web2.0」、「フリー」、「ネットワーク中立性」等の新しめのキーワードについて、一連の文脈・背景を持たせた説明をしている。こうした説明により、これらの言葉や考え方が持つ意味を、改めて一つの話のなかで理解できた気がした。
難しいところもあり、まだ全体を一度しか読めていないが、繰り返し読み -
Posted by ブクログ
コメントが難しい一冊。なぜアメリカでインターネット関連産業が隆盛したのかという問いを立て、仮設として60年代のヒッピームーブメントを上げる。そこから本書では、アメリカ建国の歴史から東海岸と西海岸文化の違い、現在のGoogle、Facebook、Appleの根本の発想の違いまで縦横無尽に描く。そして結論は、宇宙開発。アメリカのフロンティアスピリットことその根源というところまで至る。
個人的には、アンダーソンのウェブは死んだというコメントが印象的。確かに、スマートホンとアプリの一般化によって、ブラウザによるオープンなネット環境は転機を迎えている。
技術をベースに社会学、歴史、心理学、哲学までを駆使 -
Posted by ブクログ
アメリカ発の今のソーシャル/ウェブの流れを解き明かし、これからのウェブの構想を語った書。
元にあるのはコミューン志向。
ヒッピー文化とはカウンターカルチャー。ヒッピーたちはシステムの外から見つめ直すことを選んだが、景気後退などのあらゆる事象で、システムに戻らざるを得なくなり、その精神はオーガニックやDIY企業に組み込まれた。
CQはカウンターカルチャー世代が一度は退却した社会との折り合いの付け方を提示した。そうしてカウンターカルチャーはポップカルチャーに組み込まれた。それがカウンターカルチャーの保守化。
電子の広場と市場。こばへんさんが言うところの貨幣経済と非貨幣経済。広場が意識の拡大やコミ -
Posted by ブクログ
・当初の意図通りに成長する起業などいない。出発点から手探りで進む。探索の連続である。当初描いていたものとは違ってもデスティネーションに辿り着ける
・70年代以降顕著になったファイナンスの数理工学化によって、企業価値の計測や算定が日々行われるようになり、その結果、かつては両立可能だった利益の最大化と企業活動のミッションという二つの目的が乖離してしまった。10年代に生まれたベネフィット・コーポレーションは、これを修正するものだ。具体的には、会社法の改正を通じて、利潤(プロフィット)だけでなく公益(ベネフィット)を重視する企業であることを法的に位置づける。経営側だけでなく働く側にも新たな選択肢を与え -
Posted by ブクログ
PC/ウェブの来歴について
アメリカ建国まで遡って検証した労作
文化全般にわたって幅広く取材し
精緻にしてダイナミックな論考を
展開する本書の中で(なぜだか)
いちばん印象的だったのは
次のようなざっくりした話です。
ところで、
いささか言葉遊びになるが、
真善美という三つの基本的な価値に
なぞらえれば、
科学的合理性を追求するGoogleは
「真」、
ユーザーという
人間的なインターフェイスを通じて
共同体の構築を進めるFacebookは
「善」、
触覚を通じた
自在性を売りにすることで、
ヒューマンタッチを
具現化させたAppleは
「美」、
という具合に
それぞれ基本的な価値を実現