虫明亜呂無のレビュー一覧

  • 女の足指と電話機 : 回想の女優たち

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    ネタバレ

    スポーツには興味がないが肉体には興味がある

    ボードレールとランボーはデカダンスができる。
    丈夫な体を持った人だけが頽廃を体験できる。

    私がジムに通いはじめた理由、ここにあり、

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    2023年09月18日
  • 女の足指と電話機 : 回想の女優たち

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     映画・演劇評論を中心としたエッセイ集。まずはとにかく映画や音楽、文学等への造詣の深さに恐れ入る。
     ほとんどが女性の美しさやエロスについて書かれたものであるが、その文章は非常に上品で知的、美しく、そしてエロティックであります。
     例えば「オナニー」なんて語がモロ書きされているんだけど、それがちっともいやらしくないから不思議である。
     そして、映画のお気に入り場面を回想し、俳優だけでなく画面に映るあらゆるモノ1つ1つにエロスを結び付け、自分の世界観により再構成していく。
     その緻密な技巧の素晴らしさは読後にもあとをひき、何度も読み返したくなる衝動に駆られます。
     ちなみにタイトル「女の足指と電

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    2010年09月12日
  • 女の足指と電話機 : 回想の女優たち

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    ★肉体への憎しみ 時さえ忘れて 愛されるのはなぜか


    「舞台の上に、あおむけに寝た宇津宮雅代が、足指をそっくり三浦洋一にくわえられ、舐められるところがある。男女の愛欲が、ある緊張感を伴って表現される。と、三浦洋一のひもが、女の足をそのまま電話器にして、客引きの注文取りにつかう。ここが、舞台の演劇的ハイライトで、奇妙なセクシュアルな情景がかもしだされ女のなまの味が、観客をとらえる。ひもを軽蔑し、しかもひもから離れられない女が、かなり明白にクローズ・アップされてくる」

    タイトルにもなっている「女の足指と電話機」というエッセイは、六本木の自由劇場で好演された三浦洋一のひとり会・つかこうへい作『ス

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    2012年10月01日
  • 女の足指と電話機

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    舞台上で女優の足が、官能の道具から電話機へと変化を遂げる、そのエロチシズムへの感性を書きとめ、「リタ・ヘイワースは惜しくないけれど、ヒンドスタンを日本へ売ったのは、自分の生涯の失策だった」と、かつての夫から競走馬と比べられた女優の行く末についての考察を綴る……。

    「永遠の謎と美」の存在である女性の、生き方や感受性、美意識を、映画、音楽、演劇、文芸など幅広いジャンルの作品を手がかりに読み解き、絹のように上質な文章で紡ぐ。

    著者が最も健筆をふるった70年代から80年代の単行本未収録作品を集めたエッセイ集。

    「地獄の黙示録」、「愛のメモリー」評が印象に残る。そして本書にも登場する「恋」。確

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    2023年10月19日
  • むしろ幻想が明快なのである ――虫明亜呂無レトロスペクティブ

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    スポーツ評論をはじめ、映画、音楽、文芸など幅広いジャンルをテーマに上質で官能的な文章を書いた異才、虫明亜呂無。戦前の職業野球への追想、岩下志麻や太地喜和子の軽妙なスケッチ、栄光と悲劇のランナー円谷幸吉・人見絹枝の美しいポルトレ、荒井由実やエゴン・シーレや『ベルばら』などを軽妙に取り上げるコラム、巨匠内田吐夢監督の撮影現場レポート……単行本未収録作や代表作から精選した珠玉のエッセイコレクション。

    名前は知っていたが、著作を読むのは初めて。人見絹枝、円谷孝吉の評伝と内田吐夢の撮影現場ルポが読みであり。「恋」をリバイバルで観たのはいつだったか。

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    2023年09月30日