小笠原祐子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
先進諸国の中で職場の女性の地位が日本ほど低い国はないと指摘されている。
しかし、男性が女性一般職に対し奇妙に遠慮がちなのに対し、女性が男性をからかったり仕事の優先順位を勝手につけるなどして抵抗しうるのはなぜか。
弱者の立場を逆手にとって男性の競争を傍観者として楽しむ戦略は伝統的性別役割の再生産につながるのではないか。
ゴシップ、バレンタインデー等細部を通し武器としてのジェンダーとその落とし穴を考える。
[ 目次 ]
序章 OLという存在
第1章 「女の敵は女」のウソ
第2章 ゴシップ
第3章 バレンタインデー
第4章 OLの抵抗の行為
第5章 男のストラテジー
終章 ジェンダー -
Posted by ブクログ
会社の中でOLと言われる一般職の女子社員は、総合職男子社員の補助職であり、個人の人格も認められず「女の子」とひと括りで呼ばれる。昇給、昇進も殆ど無く、従って勤務評定も不必要なので名ばかりである。つまり優れた仕事をしても評価はされず、サボっていても不利益な結果には繋がらない。そんな弱い立場のはずのOL達が、男性社員に対する好みで勝手に仕事の優先順位をつけたり、なおざりな態度で仕事をしたりなどするのは、もともと昇給も昇進も望めないOL達には、その仕事ぶりで得るものも失うものも無いからである。そうなると男性社員は仕事を上手く進めるためにはOLの機嫌を取って「気持ちよく手伝って」もらうという事に気を使