この様な投資に必勝法は無いが、負けが続くと色々と投資にかかわる本を読み漁ってしまう。 日経225先物や、オプション取引に関わる本は何冊もあるが、私が主に取り組んでいる「日経225Weeklyオプション」に関する本は、ほとんど見かけない。
日本で日経225Weeklyオプションが開始されてからま
...続きを読むだ歴史は浅いが、本書はWeeklyオプションの戦略について解説している最初の本とのこと。(私の探し方の問題もあると思うが、その他にWeeklyオプションについて解説している本は見つからない。 現時点で最初で最後の本!?)
Monthly取引が主であったオプション取引がWeeklyになったことで、オプションプレミアムが安価になり、参加の敷居が低くなったことは間違いない。 本書では、Weeklyオプション投資の特徴として以下のポイントを挙げている。
•激安のプレミアム (時間価値が殆ど残っていない)
•損失限定 (損失は支払ったプレミアムの代金のみ =数千円~数万円)
•理論上、利益は無限大
•明快な取引 (ITMになりそうな権利行使価格を選ぶことに注力)
Monthlyオプション取引をしている人から見れば、色々と意見が出そうだが、著者がその様に言う背景としては推奨する手法が「オプション買い」を主体とする取引だからである。
極論、Weekly取引最終日の木曜日に、プット買い、またはコール買いを仕込み、最後1日の変動を以て利益にするというやり方である。(確かにそれだと損失はオプションプレミアム分に限定される) そして、それが有効であるという理由は、昨今ボラティリティ(IV)が上がっており、Weeklyですら変動が激しいからと言う。
本書は、2016年に初版発行なので情報として古い部分はあるが、2013年~2014年の米国が金融引き締め及びテーパリングを行っており、奇しくも現在(2022年)の状況と重なる部分がある。
そして、本書には相場を動かす経済指標や、Mothly SQやメジャーSQ時には波乱が起こりやすくなるなど、日経225先物・オプション、FXなどの初心者には知っておくべき内容も盛り込まれている。
(オプション取引はボラティリティが利益の源泉なので、相場変動=ボラティリティの上昇と考えると、そのボラティリティを動かす要因に関する説明は必要である。)
著者は、オプション買い戦略の基本として、以下の6つの手法を挙げている。
1.木曜日のプット買い
2.木曜日のコール買い
3.月~水にかけての超短期プット買い
4.月~水にかけての超短期コール買い
5.ストラドルの買い
6.ストラングルの買い
その週に行われる主要イベントや、全体の相場観から大きく動くのか、動かないのかを予想し、上記戦略を選んでいくこととなる。
私自身が負けが続いている状況もあり、本書がWeeklyオプションに特化した本でもあったので、当初は何かヒントが無いかと思って手に取った。 ただ、本書が"単に” 「オプション買い」で利益を得る方法と分かって少しがっかりした。 (未だに”裸売り"を主体にしている私の投資手法そのものが駄目なことなのに、何故かその駄目な部分を認めたくないという心理が、がっかりさせた理由だと思う。)
しかし、裏を返せば、これまでの私の取引で、売りと買いを逆にしてやっていれば、少なくとも現時点で儲かっていたはずであるし、裸売りで大負けした理由はボラティリティの上昇である。 今となっては当たり前の様に思っているが、ボラティリティが変動する要因をきちんと説明してくれているので、自分を変える意味でもじっくりと読み直す必要があると感じた。