国分拓のレビュー一覧

  • ヤノマミ

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    何年か前に友人におすすめされて
    うっすら頭の片隅にあったものの
    出会う機会なく保留になっていた本

    出産のくだりなど
    先にネタバレを聞いていたので
    驚きやショックはなかったものの
    大きな文明に飲み込まれていく様は
    なんとも...虚しい?寂しい?
    今までそうやって数々の民族が
    吸収や消滅していって
    それが必ずしも「悪」でないところに
    やり切れなさ切なさを感じた

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    2025年06月26日
  • ノモレ(新潮文庫)

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    息子に勧められて読んだ。
    結論が出ていない?感があったので、続編希望!
    語彙が少なくて、どう表現していいかわからないけど、人間そのものを描いた一冊かなぁ。

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    2023年06月11日
  • ノモレ(新潮文庫)

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    久々にワクワクする読書体験。文明化していない先住民がどのように考えるかを覗かせてくれる。あとがきにある明日の約束はできないが、今の約束か100年後の約束ならできるって言うのが印象に残る。ずっと先の約束は忘れない、時間感覚や利害度外視の優先順位で生きている人もいるということが自分の人生の選択においてに勇気を与えてくれるような気がする。

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    2023年03月20日
  • ヤノマミ

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    文明社会から遠く離れて、原始的な生活を続けるヤノマミ。原始的な、という言葉を使うこと自体、果たして正しいのだろうかと思ってしまう。

    世界各地で少数民族が激減し、激減すると同時に同化政策が進み、その少数民族を残すための保護政策が遂行されたりするが、果たしてそれは両者のためなのか?文明側の上から目線の、良かれと思っての政策ではないのか、と思う。と同時に、少数民族が、いったんテクノロジーや快適な生活に触れると、もう今までの生活には戻れないだろう。これについて誰も答えは持っていないのだろう。どちらが良いとか言えるものではないのだ。たとえ、文明に取り込まれて、少数民族の寿命が延びることになっても。 難

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    2019年01月27日
  • ヤノマミ

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    ブラジルの先住民族と同居してノンフィクションを撮ったNHKスペシャルディレクターによる本。番組は既にTVで見て、生まれた子供を精霊として森に還す様が非常に印象に残っていた。著者は民族学者でもない同時代の日本人なので、その視点に共感しやすい。

    言葉も文化も異なる人々の中に入り込んでいく苦労から始まり、彼らの行事・祭りの様子、家族関係や個々の人物像、シャーマンとその思想、そして女たちの出産と赤ん坊を人間として迎え入れるかどうかへと村の描写がされていく。終盤は一転して、村イチの長老シャボリ・バタがこの村ワトリキに至るまでの流転へ。淡々と語られる歴史だが、病気による大量死などが語られ圧巻。今の彼らの

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    2018年11月05日
  • ヤノマミ

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    文明と幸せは比例していないのだ、と感じる。
    幸せって、なんて脆いものなんだろう。
    私たちは幸せになりたくて文明を発達させたのに、全員が幸せになっているとは到底思えないし、逆に必要最低限しか持っていないヤノマミがとても楽しそうに生きていたりする。
    でも私たちの幸せも、ヤノマミの幸せも、実はとても脆い。
    幸せって、一瞬でも感じられるなら、幸せな事なんだと思う。
    幸せなんて感じないで生まれて死んでいく生活だって、すぐ側に、過去や未来に転がっているのだから。

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    2016年11月17日
  • ヤノマミ

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    生まれた赤ちゃんを殺めるお母さんはしんどいだろうな、と思った。
    精霊になってまた返ってきて、次はたくさん抱っこしてもらえるといいな。

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    2016年09月16日
  • ヤノマミ

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    圧倒的な世界を
    できる限り客観的に
    事実を捉えて
    言葉にしようとした作者の意図が感じられる
    そこにあるのは圧倒的な事実

    あとがきより
    ーヤノマミの世界には、「生も死」も、「聖も俗」も、「暴も愛」も、何もかもが同居していた。剥き出しのまま、ともに同居していた。だが、僕たちの社会はその姿を巧妙に隠す。虚構がまかり通り、剥き出しの物がない。そんな「常識」に慣れきった人間だ。自分は「何者」でもないのに万能のように錯覚してしまうことや、さも「善人」のように振る舞うことや、人間の本質が「善」であるかのように思い込むことに慣れきった人間だ。ヤノマミは違う。レヴイ=ストロースが言ったように、彼らは暴力生と無

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    2016年06月17日
  • ヤノマミ

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    他の人も書いてたけど「アハフー、アハフー」これに尽きるw 森に生まれて森に還る。それってこういうことか。 圧倒される。

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    2014年06月26日
  • ヤノマミ

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    テレビの人だから、文章は上手くはないし、学術的な考察があるわけでもない。
    でも、圧倒的な事実。体験。その迫力。
    価値観を揺さぶられる快感。

    「悲しき熱帯」「旅をする木」と来て、この本を読んだ流れは偶然だけど、共通のテーマについて、いろいろ考えた。
    「ニングル」で倉本聰が言った「知らない権利」を思った。
    一方で児童文学ではあるが「アーミッシュに生まれてよかった」で感じた、選べない人生への憤り。
    たくさんの選択肢がある中で、自分は何を捨てて何を手に入れようとしているのかな。

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    2014年05月09日
  • ヤノマミ

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    安く感傷に浸ることもなく淡々としたドキュメント。「文明」側のわたしはただそれを受け入れるしかないということをまざまざと思い知らされる。

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    2013年09月07日
  • ヤノマミ

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    ヤノマミは彼らのコトバで「人間」の意味。現地に長期滞在した著者らは当初「ヤプ」(ヤノマミ以外のもの、人間以下のもの)と呼ばれ、その事実に恐れを抱く。その滞在を経てシャボノを離れるときセスナから保護区を見た著者は、彼らが「出て行け」と叫んでいて欲しかった、と思う。子を産み落とした瞬間に、人間にするか精霊にするかを選択する母親。彼らは暴力と無垢を併せ持つ、人間の原初的存在なのかもしれない。そのヤノマミが文明化することに対する著者の揺れる思い。その心境の変化が胸を打つ。

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    2013年06月01日
  • ヤノマミ

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    ベスト2012年!

    テレビより詳細に描かれている。ヤノマミの生活、社会的背景、ワトリキの人たちの関係、取材中の著者とヤノマミの関係・・・
    そして著者の内面。最終章には、静かに、強いメッセージが書かれていた。

    年を重ねるごとに、心にガーンと突き刺さる経験、魂が浮いた状態になる経験って、なかなかなくなっている。でも、この本と映像の中には著者のそういう経験が詰まっている。そして私もそれを想像力を働かせることによって、体験しようと努めた。メッセージは明記されているわけではないけれど、でも何かとてつもなく私にとって大事なものがこの中に詰まっていた。

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    2013年01月04日
  • ヤノマミ

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    久しぶりのドキュメンタリー。

    私の精神力や体力ではとても行けない場所。
    だからこその読書での追体験。

    文明化されていると信じている私たちの勝手に作った基準では、彼らの生活は野蛮で道徳に反してるかもしれない。でも何が正しくて何が悪だなんて、どうして一方からだけの考え方で決められるだろう。
    色んな人間が地球にいるのはとても楽しい。自分の基準だけで、文明化させようなんておこがましい。
    どんどん地球が平準化されてる。もう私がおばあさんになる頃は、どこに行っても、違う世界を享受できなくなるのかな。

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    2012年09月25日
  • ヤノマミ

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    ベネズエラ側のヤノマミ居住区で最近違法金採掘者によるヤノマミ襲撃が起きたというニュースを目にしたのをきっかけに読書開始。全編通して、読み進むモチベーションは9割方好奇心だったと思うけど、読み終わった時には、筆者と共に人間という存在について考えてみている自分もいたりして、シリアスな動機("社会問題"的"正義感"?)もありつつ、結局好奇心の方が圧倒的に大きかった。それくらい異次元過ぎておもしろい!本の内容もその辺りのバランスがいいからなのか、読んでいる間は飽きることなく(むしろ目を若干白黒させつつ)、読み終えた時には哲学じみた充実感も味わえる、"美

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    2012年09月23日
  • ヤノマミ

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    「貨幣」も「法律」もない世界。そこには、動物である「人間」の姿があった。

    近年、多くの人が経済成長の「夢」から醒め、自身の「存在価値」と答えなき「幸せ」を問い続けることを強いられた。

    この流れの中で、僕たちは「今」をどう生きるのか。
    そのヒントが「ヤノマミ」にあるんじゃないか。と思い購読した。

    ヤノマミは、言葉の通り「人間」としての純粋な「欲望」を中心に動いている。

    寝たい時に眠り。
    犯したいときに犯し。
    腹が減ったら狩りに出る。

    そこには、ヒトを支配するために作られた「宗教」や「規則」はない。

    森に生まれ、森を食べ、森に食べられる。
    「自然」と「人間」が共存し、生きていく世界。

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    2012年08月26日
  • ヤノマミ

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    限られた資源の中で家族の暮らしを支えていくために、父親は狩猟の責任を、母親は命の選別の責任を負う。死が生を支えるという原初の森の暮らしの壮絶さと、リアリティに打ちのめされた。

    文明社会の干渉に晒され、ヤノマミの社会は、もやは後戻りできない変化をとげつつあるという。「僕にとって、依存され憎悪されるなら、憎悪されるだけの方が遥かに気が楽だった」 −取材を終えてワトリキを去る際の著者の言葉に胸が裂ける。

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    2012年01月29日
  • ヤノマミ

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    ブラジルとベネズエラにまたがる森林地帯には先住民・ヤノマミ族約3万人が200以上の集落(移動性)で暮らしている。その集落のひとつワトリキに150日間を共に暮らしたNHKドキュメンタリーの書籍化だ。
    この現代社会においても、原初の暮らしをしている人々。生と死が一体化し、森の精霊たちと共存する。私有とプライバシーがなく、暴力性と無垢性が矛盾なく同居する生活。
    あまりに文明社会とは異なる規範があり、それは感動するほどに自然の中でいのちを生きている。
    文明化がよいことなのか、この人たちの幸せは何なのか?
    しかし、この強烈な生き方は、文明社会に暮らす私たちへのアッパーカットでもある。

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    2012年01月24日
  • ヤノマミ

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    確かなもの、当たり前のものと思っていたことがガラガラと音をたてて崩れていく…ものすごいルポ。
    稀に見る読書体験。
    むきだしの“人間”に畏怖を感じるとともに、じゃあわたしは何なんだ?と。
    彼らの言う「ナプ」という言葉が深いところに刺さってしばらく心がざわつく。遠くで何かのアラームが鳴ってる。

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    2011年10月07日
  • ヤノマミ

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    「ヤノマミ」

    それは、ブラジルの森の奥深く、
    ベネズエラとの国境沿いに住む先住民族の人たち。

    彼らの言葉で「人間」を「ヤノマミ」と言う。
    だから彼らは「ヤノマミ族」と呼ばれている。

    この本は、ヤノマミ族の中に入り、計150日間一緒に暮らし、
    それをドキュメンタリーにしたNHKのディレクターさんが
    その時見たこと、感じたことを綴った本。

    読み終わった感想は・・・衝撃だった。

    ヤノマミ族の生と死とが同居する営み、
    そこから育まれている価値観、
    文明と接することによる破壊、葛藤。

    色々なことが自分の生活と違っていた。

    最初は、違ってるからこそ面白くて読み進めていった。
    でも、途中で違っ

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    2011年09月25日