国分拓のレビュー一覧
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面白いのと同時に、いろいろ考えさせられた。
作者が「分からないことを分からないままに受け止める」
というスタンスだったから、押しつけがましくなくて、
面白くて、分からない部分はいろいろと想像した。
あとがきの引用
「ヤノマミの世界には、『生も死』も、『聖も欲』も、『暴も愛』も、何もかもが同居していた。剥き出しのまま、共に同居していた。
だが、僕たちの社会はその姿を巧妙に隠す。虚構がまかり通り、剥き出しのものがない。僕はそんな『常識』に慣れきった人間だ。自分は『何者』でもないのに万能であるように錯覚してしまうことや、さも『善人』のように振る舞うことや、人間の本質が『善』であるかのように思い -
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ヤノマミとはブラジルとベネズエラの間にある深く広大な森にいる原住民ですが、その部族と共に過ごした150日間を収めたルポルタージュです。当然のごとく、文明に毒されていない生活様式があり、人生観があり、その違いを刻々と記してしるため、興味深く面白い内容になってます。出産に関する記述は読むのに苦しいですが、ヤノマミにとってはそれが当たり前であり、その違いについては考えさせられます。無駄なものが多いこの文明に生きてると、それが当たり前になりますが、人間、自然、宇宙の真理を受け継ぎ、そして理解せずとも理解してきた彼らの精神世界にはとても興味を引きつけられます。これは読むべき。
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Posted by ブクログ
ヤノマミの世界には、「生も死」も、「聖も俗」も、「暴も愛」も、何もかもが同居していた。剥き出しのまま、ともに同居していた。 だが、僕たちの社会はその姿を巧妙に隠す。虚構がまかり通り、剥き出しのものがない。
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ノモレが良かったからこっちも買ってみたけど、こっちの方がさらに良かった…!
最後に筆者が心身を壊したのがリアルでいい。彼らとは違うと線を引くことなく本当に正面からぶつかったんだんだなぁと。正しさとはなんなのか、生きるとは、幸せとは?タイ・ミ。
個人的には子供を精霊にするか人間にするか決められるというのは優しい仕組みなんじゃないかと思った。 -
Posted by ブクログ
世界を知った気になってないか?こんなにもお前さんが知らない現実があるよ、冒険もあるよ!
ドキュメンタリーを読むのはこんな声が聞こえた時だ。
そして今回読んだのは、きっかけはジャレド ダイアモンド氏の「銃・病原菌・鉄」だったと思う。十分に食料に恵まれ集団の維持ができるならば、石器から鉄器に移行しない文明がってもそれは当然、という話の流れで南米のヤノマミの名が出ていた。
本書はヤノマミと延べ150日間過ごしたテレビ取材の緊張、驚き、発見を淡々と書いてくれている。
読んで何度も驚いた。信じたくないような場面もたくさんあった。知ったことで、私にとって世界はまた広くなった。 -
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ブラジルとベネズエラに跨る広大な森に生きる先住民ヤノマミ族。
男たちは獣を狩り、女子供は田畑を耕し、巨大なドーナツ状の集合住宅に暮らす。そこにプライバシーは皆無で真っ暗闇の中、眠り、時に交接する。
基本的には一夫一妻制が成り立っているが開放的な彼ら。浮気や不倫は日常的で父親違いの子供も多い。
なにより、衝撃的だったのが出産に関してのこと。彼女らは森で出産し、生まれた子を精霊のまま天に返す(殺める)か、連れ帰り子供として育てるかを一人で決断する。
14歳の少女が45時間の難産に苦しみ泣き続けた末にやっと産み落とした命を天に返した。それを目撃してしまったディレクターは帰国後もなかなかショッ -
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番組スタッフが、ブラジルとベネズエラの大森林に住む原住民と150週間共に生活した体験を綴った本。
ヤノマミの持つ、死生観と宇宙観がどんどん西欧文明と出会うことで崩れていっているのは、とても哀しい。
でも、その文明の恩恵を自分自身が受けているのも事実だ。
森林保護とか原住民保護とか”保護”という観点はいわゆるしようとする側の論理で、される側にとっては本当は何が1番いいのか。
何が正解か、は本当に難しいと思った。
NGOなどの活動のむつかしさも改めて思う。
また、昨年、震災とパプアニューギニアでのわずかながら強烈な体験をとおして人間のシアワセって?ということについてすごく考えた’が、
ヤノ -
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ネタバレ小さな畑を女が耕し、ほぼ狩猟採集に近い生活をする部族ヤノマミに密着取材したNHK記者の体験記。弓矢で狩りをし、死んだ親戚は
持ち物ごとすべて焼いて家族の囲炉裏に埋める。人は死ぬと精霊となって天に行き、精霊の寿命が終わると地に戻って虫となって消える。女だけで森で出産をする。生まれたばかりの子供はまだ精霊で生んだ女が家に連れて帰ると決めて初めて人になる。精霊のままにするのであれば母が子を殺して白蟻の塚に埋め、後に火を点けて天に返す。
150日に及ぶ滞在から疲れ切って戻ってもしばらく体調が戻らない。カメラマンは子供を殺す夢を見るようになったし、著者はしばらく夜尿症になったという。
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最初は「文 -
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ヤノマミはシンプルだ。そもそも文明というものとほとんど接触しない暮らしを営んできた部族に我々の常識が通用するはずがなく、その行動が我々の目にどれほど奇異に映ろうとも、彼らは彼らのルールに従って生きているにすぎない。にもかかわらず、保護の名の下に彼らに予防接種を行い重病の者は都市の病院で治療する、あるいは洋服などの日用品を与えるなどといったことが是か非かという議論はここではおくが、文明と接することで彼らは新しい知識を得、その知識がこれまでにない欲望を産む。結果としてヤノマミは変容して行かざるを得ないだろう。それが彼らにとって幸福なことであるのかどうかという問いに解答はない。