瀧晴巳のレビュー一覧

  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんがどのように育ち、何に触れて何を感じたかを知ることが出来てとても興味深かったです。
    特に目からウロコだったのが、物語を読むことで色んな体験や知識を手に入れることができるが自分自身ではなんのリスクも負わずに受け取れるのはずるいという考え方です。私は、読書をすることで登場人物が体験したことや、感じたこと、様々な知識を得ることができることに有難みを感じていましたがそのような考え方を今まで感じずに与えられていたんだと思いました。だからこそ、物語の中で体験してきたことの大切な部分を、生身の自分で体験してみようという、上橋さんの考えが素敵だと感じました。ぜひ、私も臆病な自分がいたら「靴ふきマ

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    2025年04月04日
  • 物語ること、生きること

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    文化人類学者でもある作者の鋭い感受性、五感を刺激する平易で具体的な言葉遣いがどのように育まれたのかが、とても優しい言葉で沁み込んできます。
    永遠と一瞬、語られるものと語りえぬものなど、絶えず大きな視点を意識されているからこそ、壮大な物語が生まれてくるのだなぁ、と感じ入りました。

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    2024年06月16日
  • 物語ること、生きること

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    面白かった。若い頃の思い上がりをそのまま話してくれて、いいのかな、誰かわからない相手にこんなに自分のこと話してくれて。スーパーマンじゃないバルサが生まれたのも納得した。

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    2023年04月23日
  • 物語ること、生きること

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    ファンタジーものが好きで、どちらかというと空色勾玉のような古代日本をベースとしたファンタジーのほうが好きだが、上橋さんの精霊の守り人シリーズも好きだった。初めて知ったのだが、完全に現実世界とは別の世界のことを書いたファンタジーは「ハイ・ファンタジー」と言うんだね。
    しかし完全に別世界といっても、さまざまな民族文化や世界の世俗を参考にしているわけで、そのために上橋さんの民族文化の研究がまさに役立っている。沖縄の神話をベースにしたファンタジーとか書いてみたいなと思うのだが、相当のフィールドワークが必要なんだろうな。

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    2019年11月16日
  • 物語ること、生きること

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    作家・上橋菜穂子の作家になるまでの生い立ちや、作品創作についてのインタビューをまとめた本。なぜ本人によるエッセイという形でなく他人の手を介する形にするのだろうという疑問がありましたが、あとがきに相当する部分を読むと、インタビューという形で他人が介することで引き出されるものもあり、自分のことを自分で語る以上のものが出てくるのだということがわかり、なるほどと目から鱗の落ちる思いでした。
    上橋菜穂子の作品には「こちら側」と「あちら側」の境界線が舞台となることが多く、またその両方を行き来する人が出てくることも多いです。それが魅力となっているのですが、これを読むとなるほどここからあの物語たちが生まれてく

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    2016年04月10日
  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんが、作家になるまでに至る幼少の頃からの経緯を語り、インタビュアーが本にまとめた一冊。
    小さな頃に昔話を語ってくれた祖母のことや、読書が大好きで行動することは苦手だったこと。
    あこがれの作家、ボストン夫人に会いに行った話や、大学で文化人類学を学び、やがて研究者になる話等々。
    精霊の木や守り人シリーズを書いた背景が目に浮かぶように、この一冊に詰め込まれています。

    体調の悪いときに読み始めたけれど、一気に読んでしまった、心が奮い立ってくる本でした。

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    2016年02月13日
  • 物語ること、生きること

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    人が全身全霊でモノを書いていくとは
    どういうことかを
    学んだような

    作家が生きてきた過程そのものが
    あの作品に こんなふうに昇華されていくのだ
    あの作品の 背景はここにあったのだと
    綴っておられる
    上橋菜穂子さん

    改めて 上橋作品のファンであることを
    再認識してしまいます

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    2016年01月16日
  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんが小説を書くようになるまでのインタビューをまとめた1冊。
    物語への思いや今までの読書体験、上橋菜穂子さんが今に至るまでの物語。
    自然や、生き物、人へ向ける眼差しはこのようにして培われ、物語に生きてきていたのだと感慨深いものがある。
    ファンタジーは今まで手に取ることのほとんどなかったが、上橋さんの著書は一通り読んでいる。ファンタジーとはいえすぐそこに実際にありそうに感じられる人々の息づかい、生活の描写、その筆力に引きずり込まれる。そしてその根底にある想いはこの本の中にあるように「境界線を越えて交わろうとすること」なのかもしれない。

    ○ひとりの人間が考える事と、群れとしての人類が起

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    2015年12月12日
  • 物語ること、生きること

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    上橋さんが小説を書くようになるまでのお話を書いた本。
    ひとつひとつの経験を通じて納得することができました。
    「上橋さん、引き返すならいまよ。今ならまだまともな人生が待っているわよ。」
    何の保証もあるわけではないのに、就職する道を棒に振って、作家や研究者を目指した上橋さん。
     目指す道は違いますが、つい自分をそこに重ね合わせてしまいました。

     余白やひらがなをうまく使っていて、とても読みやすいな、と感じました。
    上橋さんの作品は読んだりしたことがなかったのだけれども、読みたいなと思いました。

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    2015年09月29日
  • 物語ること、生きること

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    ネタバレ

    上橋さんはほとんどぜんぶ読んでいるけれど、上橋さん個人のことは、対談などでうかがい知るほかは何も知りませんでした。こどもにも読めるように平易に書いてあるのに、大人が読んでも面白い。上橋さんの描く物語には、これだけ重厚なバックボーンがあったのだと、驚きの連続でした。世界観や地球環境、現代の社会問題なども、人類学者としての目線でさらりと語られていましたが、ことばを選ぶのは難しいはずです。
    上橋さんが古武術によって身体の動きを知っていたので、バルサの殺陣も息を呑む緊張が生まれていたのだと、あらためて知りました。
    物語を聞かせ続けてくれたおばあさま、好きでたまらなかった本。必死になって身体を動かし続け

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    2016年01月16日
  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんが作家になるまでの生い立ちを、インタビューして本にしたものです。
    だから、上橋さんが書いた本ではなく、まさに上橋さんの本!ってことになりますね。

    小説を書く時に、嘘をつきたくないという言葉がとても印象に残りました。
    ファンタジーを書いてるから、嘘の部分もあるんだけど、根っこの部分では嘘をつきたくないんだそうです。
    上橋さんが書くものは全て実体験に基づいているから、こんなにも心を揺さぶる小説が書けるのか!上橋菜穂子さんの謎がひとつ解けました。

    この本は、インタビューだからなのか、本当に上橋さんが話してくれていて、それを聞いている感覚になります。
    人柄もよく伝わってきました。

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    2015年06月15日
  • 物語ること、生きること

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    H27.2.18
    上橋さんの生き方そのものが物語のあちこちに展開されている。体験にそって、言葉に換えられているというのは臨場感溢れていて引き込まれる。

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    2015年02月19日
  • 物語ること、生きること

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    物語を書いてみたいと、作家になりたいと読書が好きな子供なら一度位は思ったことがあるのではないだろうか。

    それでも読む側のままの人と、物語を生み出す人の違いってなんだろうと思ってた答えが、この本からおぼろげに見えてきた気がする。

    自分の好きなこと、興味があることを突き詰めて行く強さ、一歩を踏み出す勇気。上橋さんは家でぬくぬくミルクティーを飲んでいたいタイプといいながら、毎回悩みながらも自分で自分を鼓舞して、温かい場所から抜け出し、自分を新たな場所へ運んでいる。

    「経験は大切です。でも、べつに、人と違うことをたくさんしなければいけないということではなくて、むしろ、人と同じことをしていながらわ

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    2015年02月11日
  • 物語ること、生きること

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    自分がどうして上橋さんの本を好きなのかよくわかりました。私自身、大学で史学に在籍しながらも、卒論で書きたいテーマを教授に相談したら「それは民俗学ですね」といわれたことを思い出しました。

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    2015年01月03日
  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんの作品の、一人一人の登場人物たちが、なぜあんなに生き生きと胸に迫るか、それがよくわかる。すべての人物が、上橋さんの分身だからだ。自分が行動して得た、喜び、悩み、痛み、苦しみ。それら一つ一つが登場人物となって立ち現れる。
    何歳になっても、どんな状況になっても、現実から目を背けないで、自分の目で心で物を見る勇気をもらった。

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    2014年09月03日
  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんがどのようにして素晴らしい作品たちを生み出していったのか。こちらを読んで、ルーツを知れたのが嬉しかったです。
    影響を受けた本や学んできた事を知り、ここからバルサやエリンや小夜が生まれたのだと、とても不思議な気持ちになりました。素敵な作家さんであることが大変良くわかる本でした。
    「境界線の上に立つ」登場人物が多い事への疑問も解消できた気がします。

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    2024年11月05日
  • 物語ること、生きること

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    「精霊の守り人」の作者、上橋菜穂子さんが語る、どうやって作品を生み出しているのかと、どうやって作家になったのか。
    繰り返し尋ねられては断り続けてきた彼女がアンサーとして出した一冊。
    研究者にもなれない、作家にもなれない、と涙が止まらなかった日々や、研究者としてオーストラリアをひたすらハンドルを握り走り続けた日々とその時の思いを、率直に語ってくれています。
    「子どものころ、時を忘れて物語にのめりこんだように、私はいまも、物語を生きるように、自分の人生を生きているような気がします。」p171
    簡単な道などない。一歩踏み出した先に、次の道が開ける。
    「古くてあたらしい仕事」を読んだ時と似た読後感。そ

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    2020年09月04日
  • どこじゃ? かぶきねこさがし かぶきがわかるさがしもの絵本

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    歌舞伎について子どもたちに伝えたくて買ってみたのだけどど、5つの名作についてや特徴的な見せ場について書いてあり、自分が勉強になった。
    ただ、ストーリーは大人でも(簡潔な分?)ややこしかったので、幼児にはさがし絵のところを楽しんでもらって雰囲気を味わってもらえたらいいのかな。

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    2020年07月08日
  • 物語ること、生きること

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    「上橋さんの物語が好き」という立場からも、「ソーシャルワークに携わるひとり」という立場からも、心に響くお話でした。

    人を、社会を、文化を、どのように見るか。
    それを見る「わたし」はどう在るか。

    ひとりの人としてのお話と、文化人類学に基づくお話。
    それらが融合して、「自分はどうだろう」と考えが引き出され、あたたかく勇気づけられる一冊でした。

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    2018年05月15日
  • 物語ること、生きること

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    幼い頃の体験から始まり、小説家に至るまでの道程。
    経験の大事さ、読者に対する心遣いなど、
    作家を目指す人には良い道しるべとなる内容です。
    巻末の“上橋菜穂子が読んだ本”のブックリストは、
    自分のと半数近くがダブっていて嬉しかったです♪

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    2017年10月15日