松谷浩尚のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[誘惑と書いて、イスタンブールと読む]東洋と西洋の狭間にあって、数々の歴史的出来事の舞台となってきたイスタンブール。そんな都市に魅せられた人物のエピソードを紹介しながら、トルコの歴史についても合わせて教えてくれる作品です。著者は、イスタンブール大学で博士号を取得した後、イスタンブール領事などを歴任された松谷浩尚。
アガサ・クリスティーやナイチンゲール、さらには乃木希典に至るまで、歴史的な人物の多くがこの都市とかかわりを持っていることに驚かされました。紹介されている人物のリストを見るだけで、東西の別なく多くの人物を惹きつけた事実とともに、東と西をつなぐその地理的な重要性を再確認させられました。イスタンブールの観光トリビアも紹介してくれていますので、旅行の際はぜひカバンに入れておきたい作品です。
各章で紹介されるエピソードに付随するかたちでトルコの歴史がわかりやすく紹介されているのも、興味を持続させながら読み進めることができるために素晴らしい。歴史の教科書では残念ながらそこまで大きく取り扱われないと思うのですが、数々の混乱や戦乱を乗り越えながら独自の国・文化づくりを進めていった歩みには敬服の念を覚えます。さらに深くイスタンブールとトルコについて知りたくなること間違いなしです。
〜重層的な文化も芸術も、栄枯盛衰の歴史も、東洋も西洋も、古いものも新しいものも、聖なるものも俗なるものも、すべてを呑みこんで融合したのがイスタンブールである。〜
私もこの「人々」のうちの1人です☆5つ -
Posted by ブクログ
最近はトルコ国内でも不安な情勢であり、気軽にイスタンブールに行こうと思うことができず、残念だ。
ある都市について勉強したくなったときは、その都市の歴史本に手が伸びがちだが、本書のように都市に関連のある人物について、都市の歴史と絡めながら紹介する方法もとても良いと思った。
日本の和歌山におけるエルトゥールル号難破事件については、このところメディアで度々取り上げられている場面を目にするが、事件のみの紹介になりがちで、トルコに義援金を持って行った人物に焦点を当てていない気がする。本書では詳しく山田氏について述べているため、エルトゥールル号難破事件と併せ、国交のない時代の日本とトルコの民間外交について知ることが出来、非常に有意義であった。
トルコ旅行をしばらく諦め、本でトルコを楽しもうと手に取ったつもりであったが、ますますトルコへの思いが募ってしまったのである。 -
Posted by ブクログ
トルコ旅行の参考に読んだが、トルコの近現代史が少し理解できた。クリミア戦争から第2次大戦までの約一世紀の間に、イスタンブールに滞在した日本人を含む12人のトルコに関わるエピソードを紹介している。さらに、12人が滞在した時期のトルコの近現代史についても、要領良く紹介している。12人のエピソードとトルコの近現代史を関連付けて読者の頭に入れるという試みは、成功している。取り上げた人物は、ナイチンゲール、シュリーマンからアガサ・クリスティ、ブルーノ・タウトまで幅広い。日本人も乃木希典、芦田均ら5人が登場するが、日本との外交関係樹立以前から民間大使として活躍した山田寅次郎のエピソードが興味深い。トルコの親日感情の起源が、日露戦争の勝利だけで無いことを知った。