小津薫のレビュー一覧
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映画『ひつじ探偵団』を観て、原作も読みたくなって買っちゃいました!かなり映画と違いました…が、それはそれで面白かったです!
登場人物たちが羊なので、話はすぐに脱線するし、とりあえず草を食みはじめるし、謎解きの途中で寝るしで…羊でした。テンポのよいミステリィが読みたい人には不向きですが、そんな羊の愛らしさを楽しみたい人にはオススメです!登場人物より登場する羊の数の方が多くて、名前覚えるの大変!
ジョージ・オーウェルの『動物農場』のハッピーエンド版、という感じがしてよかったです!のんきで、難しい事は考えたくない羊たちなのだけど、めげずに、よく頑張った!!
小説の舞台はイギリスなのだけど、作者はドイツの人で、原文もドイツ語なのが意外でした。イギリス小説好きの(日本人と気質が似ている)ドイツ人の方なのかな…と思うとなんか親近感(#^.^#)。 -
Posted by ブクログ
大戦中に迫害を受けるユダヤ人の悲哀 ゲシュタポとレジスタンス 紙一重の駆け引が痺れる #狼たちの城
■あらすじ
第二次大戦中、ユダヤ人である古書店主の主人公に、ポーランドへの移送通知が届く。不安に思った彼は、自身の安全と家族を守るために、レジスタンスに所属するかつての恋人に協力を求めた。
一方、ドイツ秘密警察が駐留している城では、人気女優の殺害事件が発生する。しかし事件を捜査するはずだった特別捜査官は、現場への移動中にレジスタンスに襲われてしまう。
レジスタンスは主人公の彼に、特別捜査官に成りすますように告げるのだった。
■レビュー
第二次大戦中のドイツ舞台に繰り広げられる、歴史&冒険ミステリーです。
そのまま海外ドラマになっても良いくらい、展開がお見事で、シンプルに読んでいて面白い! ★5
これまで大戦中のスパイ小説や映画は、いくつか体験したことがありますが、他に負けないくらい素晴らしい作品でしたね。
話の筋としては大きく二つ、殺人事件の解決と秘密文書の入手。さらにユダヤ人とドイツ軍高官との入れ替わりのサスペンスが、さらに物語を盛り上げていきます。
始まりから終わりまで、次にどう話が転がるか全く分からない、ひりつく場面が目白押しです!
とにかく特にレジスタンスたちの命を張った、ギリギリのやり取りがスゴイんです。
ばれちゃう? うまくいくの? どこにいったの? そんなの無理だろ! え、さらに裏切者がいるの?! なーんて驚きと感情が、次々押し寄せてきます。
そしてやはり本書を読む中で一番強烈なのは、戦争がもたらす罪の描写。
ユダヤ人の迫害…いかに教育が重要であるか。
権力者にとって都合の良い情報や知識を与えることで、群衆は悪魔のごとく育ってしまう。彼らの財産、自由、生命すら奪うことが、むしろ「正義」とされている価値観がヒドイ。たった80年前に行われていた現実を目の当たりにし、強烈に胸を打たれました。
また権力を持つことの恐ろしさが切々と語られていきます。
権力者がただそこに存在しているだけで、恐怖を吹き込んでいくのです。
民衆は決して欲望や悪意でユダヤ人を迫害しているわけではない。自らの安全を担保するために、弱者や悪者と定義して叩くしかないのです。人間性を失っていく様子は、まさに戦争がもたらす不幸で見るに堪えませんでした。
■推しポイント
良い人間が戦わなければ、悪い人間が勝利する。
主人公が成長するきっかけとなった、女性レジスタンスが言ったセリフです。
当たり前のように聞こえるシンプルなセリフですが、はたして自らの生命を賭けることができるでしょうか。
遠い場所で繰り広げられる戦争、我々はぼんやりと他人ごとのようにテレビで見ています。自分自身が戦うということ、そのために行動することがいかに大事か。肝に銘じておかねばならないと思いました。 -
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アレックス・ベール『狼たちの宴』扶桑社ミステリー。
第二次世界大戦末期のドイツを舞台にした冒険探偵ミステリー小説『狼たちの城』の続編。前作から続くユダヤ人の元古書店主イザーク・ルビンシュタインの悪夢。
基本設定や大筋は前作と同じなのだが、決して二番煎じとはならず、新たなスリルとミステリーが描かれる。やはり非常に面白い。
前作でゲシュタポの特別犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンに間違えられ、ナチスが接収した城内で起きたドイツの大人気美人女優ロッテ・ラナー殺人事件を解決したイザークは再びアドルフ・ヴァイスマンとして女性絞殺事件の捜査に挑む。
幕間に描かれるマリアンネという女性に失恋してから周りの女性が全てマリアンネに見えてしまうという幻覚に悩まされる怪しい男性。真犯人に間違いないと思うが……
やがて女性絞殺事件は過去の事件も含め、連続殺人事件の様相を呈していく。そして、次第にその正体が暴かれようとするイザーク。イザークの運命や如何に。
古くはボブ・ラングレーの『北壁の死闘』、ジャック・ヒキンズの『鷲は舞い降りた』、近年ではハリー・ファージングの『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え』など、意外にナチス物はハズレが無いように思う。特に全く話題にもならなかった『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え』は最初のエベレスト登頂を果たしたのはナチスの精鋭だったという山岳冒険小説で、隠れたお薦め本の1つである。
定価1,430円
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1942年ニュルンベルク。ユダヤ人イザークは家族6人全員が収容所に送られる直前。レジスタンスと関係のある元彼女のクララに何とか出来ないかと頼むと・・・ナチス親衛隊中佐の家で著名な女優が殺害された。守衛がいて、人の出入りは厳密にチェックされていた。事件解決のためにベルリンから敏腕捜査官のアドルフ・ヴァイスマンが送られてきた。クララがイザークのために用意してくれたのはヴァイスマンのパスポートだった。イザークはヴァイスマンになりすまして事件を解決しなくてはならなくなった。
めっちゃくちゃ面白かった。ユダヤ人がどういう目に会うのかの臨場感、事件解決のプレッシャーが凄い。私は必ずしも主人公に自分を投影して読まないのだけれど、本作はなぜかイザーク=ジブンで読んでしまった。 -
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アレックス・ベール『狼たちの城』扶桑社ミステリー。
第二次世界大戦末期のドイツを舞台にした冒険探偵ミステリー小説。
非常に面白い。古くはボブ・ラングレーの『北壁の死闘』、ジャック・ヒキンズの『鷲は舞い降りた』、近年ではハリー・ファージングの『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え』など、意外にナチス物はハズレが無いように思う。
迫害される主人公のユダヤ人古書店主がナチスの親衛隊に扮して、ナチスの深部に潜入し、戦争の早期終結のために活躍するというストーリーで、さらにはこの主人公が探偵役まで果たすというのだから、たまらない。
第二次世界大戦の末期、ナチスによるユダヤ人迫害が続く中、ニュルンベルクのユダヤ人古書店主イザークと家族のもとに突然ポーランド移送の通達が届く。ただならぬ事態を予感したイザークはかつての恋人でドイツ人でレジスタンス活動に関わるクララを頼る。彼女はイザークの家族を安全な場所へ匿い、イザークのためにはゲシュタポの特別犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマン名義の偽の身分証を用意した。しかし、それはクララが所属するレジスタンスの命運を賭けた危険な計画だった。
何も知らないイザークは特別犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンに間違えられ、ナチスが接収した城内で起きたドイツの大人気美人女優ロッテ・ラナー殺人事件の捜査に臨むことになるのだが……
イザークの運命や如何に……
帯にスティーヴン・ハンターの新刊『Basil's War』(原題)が2021年8月2日発売予定という物凄く楽しみなお知らせが!
定価1,320円
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読み終えた途端に、「彼ら」に関する叙述をすべて読み返した。これまで読んでいたものは自分の読んだと思っていたものと全く違っていたことを知る。それが終盤になってわかる。いわゆるどんでん返し。トリック。叙述と構成がもたらすストーリー・テリングの奇妙に捻じれた世界。
饒舌な小説ではない。ある緊張感が全編を満たす。日常生活からアウトランドにはみ出した者たち。自由意志であろうと、強制された形であろうと、登場人物のほぼすべてがそのようにカテゴライズできる。
非日常生活を象徴するのが、冬という季節、凍りついた湖と、その周囲に広がる森、そして古びた小屋。小屋には狭い地下蔵が用意されている。
小説を緊張させる重要な要素は、誘拐される子供たち。彼らは地下蔵に収容され、一人一人が髪の毛をつかまれて持ち上げられてどこかへ消えてゆく。雪の森の中での異常な世界。何が起きているのか? 緊張感が高まるというより、全編子供とその父親の復讐をめぐる張り詰めた時間を物語が進む。そう、最初から最後まで。気が休まることのない張り詰めたプロットが。
世界中で今、書かれ、また読まれているミステリのあまり珍しくなくなった素材としての小児性愛、小児虐待、を材料にした小説と見える全体を覆う重苦しさ。しかし「彼ら」も、本作全体も、実は見た目通りではなく、物語はもっと巨きな時の歯車に推されて動く、とても見えにくい暴力装置を描いたものである。その象徴とされるのが、凍りついた湖であり、閉ざされた冬という季節なのだ。
狩人として森に散ってゆく大人たち、子どもたち。父親としての復讐に燃えた主人公は、単独で秘密のグループに潜入を開始する。読者は主として彼の叙述する「わたし」と生存した被害者少女の「きみ」の章につきあってゆくことになるのだが、登場人物たちには見えていない「彼ら」を含め、複数人称かつ複数時制によるトリッキーな仕掛けが小説全体を覆っていることが、本作の一番の読みどころとなる。
張り詰めた品格のある文体に、ドイツらしい生活風景と、北ヨーロッパの冷たい冬。独特の音楽的味わい。極めて稀有で印象深いミステリー作品である。 -
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ネタバレ映画とは結構違いますね。あちらは犯人捜しにがんばる羊たちと地元警官のかみ合わない共同作業がコメディタッチで展開されていましたが、こちらはそもそも警官が出てきません。羊たちも動物とは思えない内省的な面があり、犯人を一直線に追いかけるというよりは自己の存在意義に悩みつつ、ゆっくり解決に向かうという雰囲気です。哲学的な心理描写に加えて、草を食むことへのこだわり、匂いで物事を判断するという羊独特の感性が入り交じり、難解と言ってもいいくらいです。
そんなわけで、気軽に楽しめた映画に比べると読破するのにちょっと苦労しました。飼い主ジョージの死の原因も違うし、ほとんど別物と言っていいかもしれません。原作のこれを読むと映画の方は誰もが楽しめるように作ってあるのがわかりますね。
驚いたのは羊たちが死の現場を再現するための演劇をすることです。ジョージ役の羊は死んだふりまでするわけですが、現実の再現とはいえそんなことをするためには相当の知性というか客観的な視点がなければなりません。彼らは本当に羊なんでしょうか?
ともかく、映画だと羊は動物としての限界があり、そこを踏み越えていくことで成長するというのが一つのテーマでもあったわけですが、こちらは成長するというより悟る趣がありますね。できないこともあるが、それを受け入れるというような。 -
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ネタバレわたしたちのご主人が殺された
頭脳明晰な名探偵ひつじが事件に挑む。
だけど、事態は思わぬ方向に……
早くも迷宮入り!?
映画予告を見て、「面白そう!」と思って購入した1冊!
動物の擬人化っていう視点が面白かったからなのか、スラスラと読めた◎
(動物の探偵は始めてみました!)
最初は、キャラクターの名前と基本情報の把握に時間がかかったので。
その都度、最初のプロフィールを振り返りながら読み進めた。
映画で映像を見ながら、羊たちを覚えた方がいいかも!
これは、ただひつじが可愛いくて、癒されるだけの話じゃない。
本格的なミステリー小説だ。
ミステリー好きにはオススメの作品 -
Posted by ブクログ
のどかな田舎町の羊飼いジョージが何者かに殺された。ジョージの羊たちは犯人を探そうと奮闘する。
映画版がなかなか面白かったので原作もと思って読んでみました。
児童書みたいなノリかと思っていたら、意外と重め。
まずジョージのイメージがだいぶ違っていてびっくり。そして事件の真相も映画とは全然違うものになっている。
羊たちそれぞれに特技や個性があって、それらを活かして謎を解いていくわけだが、いかんせんのんびりした羊たちだからそれぞれバラバラな事を考えていたり、羊の常識で考えるから価値観が人間とズレていたり、眠くなったりお腹が空いたり…
それでもバラバラな思考や行動が奇跡的にはまって少しずつ真相に近づいていく。
内容は映画版よりボリュームがあって村の人間関係も複雑。ただ訳者さんと相性が合わないのか、それとも羊目線で描かれているからなのか、情景をイメージしにくく読むのにすごく時間がかかった…