小津薫のレビュー一覧

  • 狼たちの城

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    大戦中に迫害を受けるユダヤ人の悲哀 ゲシュタポとレジスタンス 紙一重の駆け引が痺れる #狼たちの城

    ■あらすじ
    第二次大戦中、ユダヤ人である古書店主の主人公に、ポーランドへの移送通知が届く。不安に思った彼は、自身の安全と家族を守るために、レジスタンスに所属するかつての恋人に協力を求めた。

    一方、ドイツ秘密警察が駐留している城では、人気女優の殺害事件が発生する。しかし事件を捜査するはずだった特別捜査官は、現場への移動中にレジスタンスに襲われてしまう。

    レジスタンスは主人公の彼に、特別捜査官に成りすますように告げるのだった。

    ■レビュー
    第二次大戦中のドイツ舞台に繰り広げられる、歴史&冒険

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    2022年12月16日
  • 狼たちの宴

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    アレックス・ベール『狼たちの宴』扶桑社ミステリー。

    第二次世界大戦末期のドイツを舞台にした冒険探偵ミステリー小説『狼たちの城』の続編。前作から続くユダヤ人の元古書店主イザーク・ルビンシュタインの悪夢。

    基本設定や大筋は前作と同じなのだが、決して二番煎じとはならず、新たなスリルとミステリーが描かれる。やはり非常に面白い。

    前作でゲシュタポの特別犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンに間違えられ、ナチスが接収した城内で起きたドイツの大人気美人女優ロッテ・ラナー殺人事件を解決したイザークは再びアドルフ・ヴァイスマンとして女性絞殺事件の捜査に挑む。

    幕間に描かれるマリアンネという女性に失恋してから周

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    2022年07月12日
  • 狼たちの城

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    ユダヤ人の主人公のイザーク。
    最初はどうなるかと思ったけど、見事に危機を切り抜けていく。爽快なストーリーだった!

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    2021年12月18日
  • 狼たちの城

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    1942年ニュルンベルク。ユダヤ人イザークは家族6人全員が収容所に送られる直前。レジスタンスと関係のある元彼女のクララに何とか出来ないかと頼むと・・・ナチス親衛隊中佐の家で著名な女優が殺害された。守衛がいて、人の出入りは厳密にチェックされていた。事件解決のためにベルリンから敏腕捜査官のアドルフ・ヴァイスマンが送られてきた。クララがイザークのために用意してくれたのはヴァイスマンのパスポートだった。イザークはヴァイスマンになりすまして事件を解決しなくてはならなくなった。

    めっちゃくちゃ面白かった。ユダヤ人がどういう目に会うのかの臨場感、事件解決のプレッシャーが凄い。私は必ずしも主人公に自分を投影

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    2021年11月18日
  • 狼たちの城

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    アレックス・ベール『狼たちの城』扶桑社ミステリー。

    第二次世界大戦末期のドイツを舞台にした冒険探偵ミステリー小説。

    非常に面白い。古くはボブ・ラングレーの『北壁の死闘』、ジャック・ヒキンズの『鷲は舞い降りた』、近年ではハリー・ファージングの『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え』など、意外にナチス物はハズレが無いように思う。

    迫害される主人公のユダヤ人古書店主がナチスの親衛隊に扮して、ナチスの深部に潜入し、戦争の早期終結のために活躍するというストーリーで、さらにはこの主人公が探偵役まで果たすというのだから、たまらない。

    第二次世界大戦の末期、ナチスによるユダヤ人迫害が続く中、ニュルンベルクのユ

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    2021年06月04日
  • 文庫 沈黙の少女

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     読み終えた途端に、「彼ら」に関する叙述をすべて読み返した。これまで読んでいたものは自分の読んだと思っていたものと全く違っていたことを知る。それが終盤になってわかる。いわゆるどんでん返し。トリック。叙述と構成がもたらすストーリー・テリングの奇妙に捻じれた世界。

     饒舌な小説ではない。ある緊張感が全編を満たす。日常生活からアウトランドにはみ出した者たち。自由意志であろうと、強制された形であろうと、登場人物のほぼすべてがそのようにカテゴライズできる。

     非日常生活を象徴するのが、冬という季節、凍りついた湖と、その周囲に広がる森、そして古びた小屋。小屋には狭い地下蔵が用意されている。

     小説を

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    2019年07月20日
  • 文庫 沈黙の少女

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    「きみ」「わたし」「彼ら」この3つのパートを繰り返し物語が進む。冒頭の「きみ」で何が起こったの???と引き込まれる。
    「きみ」で語られる登場人物の謎が解き明かされる時、その状況に唖然とする。
    原題は「STILL」。ぴったしだ。

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    2023年08月04日
  • 狼たちの宴

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    1942年ドイツ、ユダヤ人なのにゲシュタポの凄腕捜査官アドルフ・ヴァイスマンに成りすまし、前作で殺人事件を解決したイザーク。女性連続殺人事件の担当にさせられた。ウルスラがイザークを愛することに嫉妬する新聞記者バッハマイヤーが、彼を貶めようとする・・・

    ドキドキしながら読んだ。イザークはナチス・ドイツの機密情報をレジスタンスに流すため危ない橋を渡る。まるで自分がユダヤ人として当時のドイツにいるかのように。

    今でいうなら、トランプ支持者だらけになった共和党内で反トランプを掲げるようなものか。

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    2022年08月31日
  • 狼たちの城

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    ユダヤ人の古本屋主人が家族を守るために、かつての恋人を頼る。恋人は家族を助ける代わりに主人公にゲシュタポ(ナチスの秘密警察)に変装し、彼らの住居で発生した殺人事件を捜査しつつ、本来の目的である秘密文書を見つけろという要求をしている。というのが物語のあらすじ。このあらすじだけで勝ったようなものでしょう。ここまで盛り込まれた展開も珍しい。正体がバレたら=死という極限状態の中で読書で仕入れた昔のミステリー(ホームズなど)を駆使しつつ奮闘するさまは身震いもの。密室殺人の謎も見事に絡ませながらエンタメ度抜群の秀作。

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    2022年08月29日
  • 狼たちの城

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    優先度の高いナチスもの。第二次大戦中のニュルンベルグが舞台です。ナチスの迫害を逃れようとしたユダヤ人の古書店主イザークは、ナチス親衛隊の将校にして腕利き捜査官のヴァイスマンになりすまして、難事件の捜査を指揮する羽目に。そんなに上手く行くものかと思いましたが……最後は何だか「続編」がありそうな終わり方でした。と思ったらあるみたい(未訳だけど)

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    2022年05月01日
  • 狼たちの城

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    年明け早々に大傑作。昨年末の各種ベストテンでも上がっていた、ナチス支配下のドイツで虐待される側のユダヤ人が、レジスタンス活動に巻き込まれあろうことかゲシュタポの捜査官として殺人事件解決にあたる。全く逆の立場になることの複雑な心境と、果たして身分がバレずに無事に終わるのかどうかというハラハラ感。
    歴史ミステリーでありながらも、重厚になり過ぎず、スリリングな緊張感を保つ手腕が素晴らしい。
    4.2

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    2022年01月31日
  • 文庫 沈黙の少女

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    サスペンスなのに文章が格調高くて純文学のよう。ドイツの冬の厳しさが浮かぶようです。でも、そのために結末に来てもすっきりしない感があります。きみ、にとってはラストは良い結末なのでしょうね。

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    2019年08月21日
  • 文庫 沈黙の少女

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    「わたし」と「きみ」と「彼ら」の3つの視点を切り替えることで、「狩り」の話が進む。「狩るもの」と「狩られるもの」が幾重もの重なり、逆転する。
    その構成の巧みさには、敬服する。
    ただ、登場人物に思い入れするのは難しかった。

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    2019年08月15日
  • 文庫 沈黙の少女

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    一気に読んだのだからページターナーであるには違いないのだけれど、いやあもう年々暴力がつらくなってきてまして。。。

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    2019年08月14日
  • 狼たちの城

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    ネタバレ

    はじめはじれったかったが、途中からぐいぐいと引き込まれ、一気に読み終えた。
    冷静に考えると、博識とは言え古書店主がゲシュタポを出し抜けるような活躍ができるのか?
    ボクシングのトレーニングをしている者相手に勝てるのか?
    など違和感はつきないが、まあ楽しく読めました。
    続編もあるそうなので、日本語訳がでたら読みたいと思います。

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    2021年12月25日
  • 文庫 沈黙の少女

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    ネタバレ

    2年ほど前に書評をみて、気になっていた本をようやく読んだが、後味が悪い。
    ペドフィリアがまず受け入れられない、子供の誘拐も殺人ゲームも読んでいて辛かった。

    パパの場面はたしかにショックだったけど、話題になったほど、自分には響かない本だった。
    ラジオ、というのはひっかけだったのね。
    ずっと犯人だと思っていた人たちがただの模倣犯だったというのも拍子抜け、、、。
    主人公だけが何も知らない世界。

    ペドフィリアのおじさんの一人が、自分も子供の頃に被害者だったというのは苦しい。

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    2020年07月17日
  • 文庫 沈黙の少女

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    実際にこんなカルト集団のような者が存在したらと想像するだけでも怖い.3つのパートで進行しながらだんだん真相に近づいていくところは格調高い文章の力もあって怖いもの見たさでワクワクするところもあったが,最後のきみであるルチアにとって希望のある幕切れとも言えるが,なんら邪悪で自分勝手な存在は失われていないのがなんとも後味の悪い読後感になった.

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    2019年12月01日
  • 文庫 沈黙の少女

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     最後まで読むと、ある部分を読む返すことになるだろう。「わたし」、「きみ」、「彼ら」の三つの人称で語られる物語は、鬱展開で胸くそが悪くなる。でも、先を読みたくなる作品。裏表紙には、「黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる」とある。そうとおり。

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    2019年11月17日
  • 文庫 沈黙の少女

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    両親が留守の雪の夜、何者かに誘拐されたルチアと弟。2週間後雪の夜道で保護されたルチアは沈黙を続ける。
    同じように娘を誘拐されたミカは、謎の男たちに近づいていく。誘拐犯たちは子どもたちをどうしたのか?

    ミカの立場からかかれる「わたし」の章と、ルチアを描く「きみ」の章、男たちを描く「彼ら」の章が交互にストーリーを進めていく。徐々に明かされる真相に驚く。そして、とにかく怖い。
    いろいろな意味で衝撃のはしる小説だった。疲れた。

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    2019年09月24日