小津薫のレビュー一覧

  • 狼たちの城
    大戦中に迫害を受けるユダヤ人の悲哀 ゲシュタポとレジスタンス 紙一重の駆け引が痺れる #狼たちの城

    ■あらすじ
    第二次大戦中、ユダヤ人である古書店主の主人公に、ポーランドへの移送通知が届く。不安に思った彼は、自身の安全と家族を守るために、レジスタンスに所属するかつての恋人に協力を求めた。

    一方、...続きを読む
  • 狼たちの城
    ユダヤ人の主人公のイザーク。
    最初はどうなるかと思ったけど、見事に危機を切り抜けていく。爽快なストーリーだった!
  • 狼たちの城
    1942年ニュルンベルク。ユダヤ人イザークは家族6人全員が収容所に送られる直前。レジスタンスと関係のある元彼女のクララに何とか出来ないかと頼むと・・・ナチス親衛隊中佐の家で著名な女優が殺害された。守衛がいて、人の出入りは厳密にチェックされていた。事件解決のためにベルリンから敏腕捜査官のアドルフ・ヴァ...続きを読む
  • 文庫 沈黙の少女
     読み終えた途端に、「彼ら」に関する叙述をすべて読み返した。これまで読んでいたものは自分の読んだと思っていたものと全く違っていたことを知る。それが終盤になってわかる。いわゆるどんでん返し。トリック。叙述と構成がもたらすストーリー・テリングの奇妙に捻じれた世界。

     饒舌な小説ではない。ある緊張感が全...続きを読む
  • 文庫 沈黙の少女
    「きみ」「わたし」「彼ら」この3つのパートを繰り返し物語が進む。冒頭の「きみ」で何が起こったの???と引き込まれる。
    「きみ」で語られる登場人物の謎が解き明かされる時、その状況に唖然とする。
    原題は「STILL」。ぴったしだ。
  • 狼たちの宴
    1942年ドイツ、ユダヤ人なのにゲシュタポの凄腕捜査官アドルフ・ヴァイスマンに成りすまし、前作で殺人事件を解決したイザーク。女性連続殺人事件の担当にさせられた。ウルスラがイザークを愛することに嫉妬する新聞記者バッハマイヤーが、彼を貶めようとする・・・

    ドキドキしながら読んだ。イザークはナチス・ドイ...続きを読む
  • 狼たちの城
    ユダヤ人の古本屋主人が家族を守るために、かつての恋人を頼る。恋人は家族を助ける代わりに主人公にゲシュタポ(ナチスの秘密警察)に変装し、彼らの住居で発生した殺人事件を捜査しつつ、本来の目的である秘密文書を見つけろという要求をしている。というのが物語のあらすじ。このあらすじだけで勝ったようなものでしょう...続きを読む
  • 狼たちの城
    優先度の高いナチスもの。第二次大戦中のニュルンベルグが舞台です。ナチスの迫害を逃れようとしたユダヤ人の古書店主イザークは、ナチス親衛隊の将校にして腕利き捜査官のヴァイスマンになりすまして、難事件の捜査を指揮する羽目に。そんなに上手く行くものかと思いましたが……最後は何だか「続編」がありそうな終わり方...続きを読む
  • 狼たちの城
    年明け早々に大傑作。昨年末の各種ベストテンでも上がっていた、ナチス支配下のドイツで虐待される側のユダヤ人が、レジスタンス活動に巻き込まれあろうことかゲシュタポの捜査官として殺人事件解決にあたる。全く逆の立場になることの複雑な心境と、果たして身分がバレずに無事に終わるのかどうかというハラハラ感。
    歴史...続きを読む
  • 文庫 沈黙の少女
    サスペンスなのに文章が格調高くて純文学のよう。ドイツの冬の厳しさが浮かぶようです。でも、そのために結末に来てもすっきりしない感があります。きみ、にとってはラストは良い結末なのでしょうね。
  • 文庫 沈黙の少女
    「わたし」と「きみ」と「彼ら」の3つの視点を切り替えることで、「狩り」の話が進む。「狩るもの」と「狩られるもの」が幾重もの重なり、逆転する。
    その構成の巧みさには、敬服する。
    ただ、登場人物に思い入れするのは難しかった。
  • 文庫 沈黙の少女
    一気に読んだのだからページターナーであるには違いないのだけれど、いやあもう年々暴力がつらくなってきてまして。。。
  • 狼たちの城
    はじめはじれったかったが、途中からぐいぐいと引き込まれ、一気に読み終えた。
    冷静に考えると、博識とは言え古書店主がゲシュタポを出し抜けるような活躍ができるのか?
    ボクシングのトレーニングをしている者相手に勝てるのか?
    など違和感はつきないが、まあ楽しく読めました。
    続編もあるそうなので、日本語訳がで...続きを読む
  • 文庫 沈黙の少女
    2年ほど前に書評をみて、気になっていた本をようやく読んだが、後味が悪い。
    ペドフィリアがまず受け入れられない、子供の誘拐も殺人ゲームも読んでいて辛かった。

    パパの場面はたしかにショックだったけど、話題になったほど、自分には響かない本だった。
    ラジオ、というのはひっかけだったのね。
    ずっと犯人だと思...続きを読む
  • 文庫 沈黙の少女
    実際にこんなカルト集団のような者が存在したらと想像するだけでも怖い.3つのパートで進行しながらだんだん真相に近づいていくところは格調高い文章の力もあって怖いもの見たさでワクワクするところもあったが,最後のきみであるルチアにとって希望のある幕切れとも言えるが,なんら邪悪で自分勝手な存在は失われていない...続きを読む
  • 文庫 沈黙の少女
     最後まで読むと、ある部分を読む返すことになるだろう。「わたし」、「きみ」、「彼ら」の三つの人称で語られる物語は、鬱展開で胸くそが悪くなる。でも、先を読みたくなる作品。裏表紙には、「黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる」とある。そうとおり。
  • 文庫 沈黙の少女
    両親が留守の雪の夜、何者かに誘拐されたルチアと弟。2週間後雪の夜道で保護されたルチアは沈黙を続ける。
    同じように娘を誘拐されたミカは、謎の男たちに近づいていく。誘拐犯たちは子どもたちをどうしたのか?

    ミカの立場からかかれる「わたし」の章と、ルチアを描く「きみ」の章、男たちを描く「彼ら」の章が交互に...続きを読む