田中健之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
横浜中華街関係の本は、これで三冊目。
中華街というよりは、中国という国から見た中華街という感覚に思える。『開国日本と横浜中華街』は日本史での横浜中華街の位置づけなのに対して、こちらの本はやや世界史よりの視点になっている。つまり、中国という国がどういう変遷を経て、その有り様の変化が他国にある『中華街』にどれだけの影響を与えたのかという着眼で展開していた。故に、当時の日本政府との関係はもちろんのこと、中華街で暮らす華僑たちの歴史をひもとく内容になっている。どうしても、『中国人』とひとくくりにしがちではあるが、当たり前に彼ら、彼女らはひとまとめにくくって籠にいれられるようなものではない。それぞれに矜持を持ち、それぞれの信念と思考を持って生きているのだ。
本文中に、『横浜中華街物語』の語り手の名前があり、参考文献にも同書の名前があった。横浜開港150周年を記念しての発行となれば、同時期には出版されたものだと納得もいく。
2009年に発行されてから、すでに15年以上が経過している。そうした意味で、この本は最新の情報を伝えてはいない。歴史の一頁としてたたまれる一冊なのだろうと思った。