ジャン=クロード・カリエールのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ装丁とタイトルだけで買って長らく積読していたが、やっと読み終わった!!対談、ということなので話があっちこっちいったりと読みにくさもあり、少しずつ読んだけどめちゃくちゃ面白かった。
タイトル的に絶滅するかもの話をするのかと思いきや、残るって前提で話が進んでいく感じで、そうだよねぇって嬉しくなる。絶対この本棚の本たちは死ぬまで持ってるだろうなっていう根拠のない確信がある。
本って無条件に崇拝されていて確からしさが保証されているような気がする(そう教育されてきた?)し、必読の名著!みたいに言われたりするけど、偉大な残されなかった本も、馬鹿阿呆間抜けが書いていていてもの残されてきた本もある。様々な解釈 -
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Posted by ブクログ
「与えられた時間と予算の範囲内で、私たちは自分の好きな旅先を選ぶように、好きな本を選んで読みさえすればよい。」訳者あとがきのこの一節は、稀代の古書愛好家二人による対談の本質を示しているように思える。
対談というのは、面白いものだ。頭の中にあったもの、世に顕れている事実を論理的に構築し整理した文章とは異なり、ある種の放縦なエネルギーを持っている。
「紙の書物はなくなるのか?」という問いについては、早々に「なくならない」という結論が提示される。一方で「なくなってしまった」書籍、焚書や単なる火災、時の洗礼により忘れられてしまったものへの言及もある。
忘却というプロセスが文化を産む、しからば忘却と -
Posted by ブクログ
ネタバレ書物という切り口で、二人の知的巨匠がそれぞれの文化観や歴史観を語り合う対談(電子書籍より紙の方が、というような、タイトルから勝手に想像してしまった薄い内容ではない)。膨大な書物コレクションを有している二人だからこそ発せられる、紙に印字された書物そのものの意味や価値、というのは本当に興味深い。特に、それを読む必要は必ずしもない、というチャプターは面白い。
引用したい文章はいくつもあるが、エーコの一文。知る、知識を得る、ということが、インターネットの発展した現代においても、絶対的に必要なことである、というメッセージは、自分も耳が痛いところです。
「何かを暗記しているということが、知的な優越性に -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルのイメージから、デジタル化されたものに言及されているように感じるが、そうではない。
タイトルと内容はあまり関係ないように思えて、実は確かに紙の書物について言及しているので面白い。
実によく考えられたタイトルだ。
本好きの雑談。
要点メモ:
・勉強のやり方や資料のまとめ方、探し方は、それぞれをこなしていかない限り身につかない。それぞれをこなすのが最善の方法。
・一日十冊読めと記載された記事をみるたびに、その必要はないと考える。効率のよい読書のやり方は、十冊読むよりも参考文献を数多く使用している本一冊を読むことである。
・一つの物事を十の違う方法で調べて、検討するくせをつける。おのず -
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Posted by ブクログ
訳者あとがきで原題は「だから本好きはやめられない」というようなものと書いてあったが、そっちのほうが内容をよく表していると思う。
「薔薇の名前」のエーコと「昼顔」のカリエールが書物について縦横無尽に語りつくす。
まず、2人とも最初から電子書籍の登場で紙の書物がなくなるなんて全く、これっぽっちも思っていない。邦題にあるような危機感なんて始めの数ページであっさり否定し、その後は2大書籍おたく(笑)が本をめぐるあれこれ、うんちくを古今東西、古代から現代までにわたる広範囲にわたってひたすら語り倒す。本好き(≠読書好き)にとって「そうそう、そうなんだよ(笑)」と膝を打つ会話があちこちにちりばめられている -
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Posted by ブクログ
書物(冊子本)とは、車輪のように出現した時点において既に完成されたものである。つまり、書物はこれ以上進化(変化)することはない。この意味において電子書籍とは「書物」ではありえず、書物に取って代わることのできる同型の存在ではないということである。
名うての創作家・学者であるジャン・クロード・カリエールと、世紀の碩学ウンベルト・エーコの間に交わされる超ハイレベルの「雑談」には、グイグイ引き込まれつつも、思わずため息。。。
とにかく、本への情熱では彼らの右に出るものはないのであろうが、世界中の書物・読書愛好家と、あまり変わらない一面も垣間見えるのが嬉しいというか慰められること請け合いである。
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Posted by ブクログ
ネタバレ愛書家による本にまつわる対談集。こういうのがエスプリが効いた掛け合いとでも言うのでしょうか。
原題直訳の『本から離れようったってそうはいかない』もなかなか良い感じ。
邦訳タイトルはかなりおどろおどろしく、衝撃的ですよね。
著者の片方、ウンベルト・エーコは薔薇の名前やフーコーの振り子のタイトルだけ知ってた作家さんであり学者さん。
フーコーの振り子と言ったら上野の科学博物館ですわー。
そのうち読んでみたいです。薔薇の名前は文庫版がないみたいで残念。
『保存すべきものを保存するための当てになるツールが、今日なかなか見つからない(p93)』って、ほんとその通りで、だから私が積極的に電子書籍を買わない -
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