木下鉄矢のレビュー一覧

  • 朱子学

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    朱子学について学ぶ時、「性」「心」「善」といった語が重要であることはわかるものの、それが一体何なのか明確にとらえることがなかなかできず、いつも気持ち悪い思いをする。その点、この本は、それらを朱子の関係するテキストを丁寧に示しながら説き明かしてくれる。またそれぞれの説明において「すなわち・・・」として、明快適切にまとめもらえているのはありがたい。「格物」の「物」という語の捉え方も勉強になった。ただ、そのことに関係して陽明学について触れられているが(154頁)、これについてもう少し詳しく知りたかった。もし王陽明が「物」をモノ(物体)でなくコト(現象)と捉えていたならば、朱子の立場を批判することはな

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    2015年07月16日
  • 朱子学

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    タイトルは「朱子学」となっていますが、伝統的な朱子学の展開を概説した本ではありません。朱熹のテクストを引用して、そのていねいな読み解きをおこないつつ、著者自身による朱熹の思想の解釈を提出している本です。とりあげられているテーマは、「学」「性」「理」「心」「善」の五つです。

    著者は、「朱熹の思想は首尾一貫する体系性を持ち、中国史上に現れたさまざまな思想の中でも飛び抜けて完成された論理的整合性をその大きな特徴とする、という認識が実は相当に誤った断定であると感じざるを得ません」と述べています。本書では、朱熹そのひとのテクストのうちに思想の揺らぎを読み解くときつつ、とりわけ存在論と倫理学・政治思想を

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    2020年07月02日
  • 朱子学

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     朱熹の論に対する著者の考察がひたすら述べられているというかなり思い切りの良い構成。朱子学そのものに対する解説もないに等しい。また、朱熹の著作は当然として、過去の主要な解説書を読んでいることを前提とした考察なので少なくとも最初に読む本ではない。幾つか解説を読んでなにか違うと感じたら読んでみる本だと思う。

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    2018年01月13日