中北徹のレビュー一覧

  • 通貨を考える

    Posted by ブクログ

    [お金「そのもの」の話]経済学の中でも非常に難解と言われる国際金融の分野を、「通貨」そして「決済」というキーワードを軸に考えていく一冊。21世紀に入ってから何度も目のあたりにした金融危機と財政・通貨の関連性、そして戦後長く続いてきたドルの基軸通貨としての役割に一考察を加えるなど、新書ではありますが非常に奥深くまで突っ込んだ作品となっています。著者は、官邸の諮問機関で座長代理を務めた経験もある中北徹。


    いかにも難しそうなテーマに読む前は身構えてしまったのですが、複雑な国際金融の話を、例えば個人が行う銀行への振込レベルから解説してくれているので大変わかりやすかったです。また、国際金融というテーマを自分に引き寄せた形で考えることもできました。それにしても決済システムがどうなっているのかを解説するところは、案外知らなかっただけに、なるほどと思わせてくれて出色でした。


    地域レベルでの共通通貨という著者の構想は、著者自らがボトム・アップ形式というだけあって、非常に繊細。それでいてそのゴールが非常に大胆なところまで至っているので、なにか目を見開かされた感覚を覚えました。こういう本を読むと国際金融の話が毎日のようにニュースで見受けられるのに、なにも知らなかったことがよくわかり反省させられます......。

    〜本書をつらぬくキーワードは、「通貨を作る前に、まず決済を」という言葉に集約できる。〜

    タイトルの簡素な感じと中身がイイ意味でミスマッチ☆5つ

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    2014年02月14日
  • 通貨を考える

    Posted by ブクログ

    少々書かれた時点は古いが、結局の所リーマンショック以降の金融資本主義では抜本的に解決された事態は殆どないので、2012年に書かれたこの本の内容は2016年の現在でも妥当するものが多い。

    例えば、アメリカの財政赤字を日本その他の経常黒字国がファイナンスするという図式がもはや持続可能でないのは、今行われている大統領予備選を見てもよくわかる。この図式が成り立つのは本書にあるように、アメリカに魅力的な金融商品が多数あり、また強いドルを背景に海外からの多額の資金が常にアメリカ国内に滞留するからだが、当然この前提として常に投資を惹きつけられる高度な金融商品を開発するためのインセンティブが、ウォールストリートのトップエグゼクティブ達にふんだんに与えられなければならない。当然彼らのサラリーはスカイロケットし、貧富の差は破滅的な水準にまで拡大する。その結果圧搾された中流階級以下の人々が(自ら名誉あることではないと認めながらも)その資格を欠くことが明白な人物を大統領選挙に担ぎ出さねばならなくなるのだ。

    その意味でも(必要以上にアメリカをスポイルしないためにも)本書の主張通り、日本や中国、韓国のような経常黒字国が通貨協定を結び、ドル以外に保有通貨の分散を図るのは大きな意味があると思う。未だに日韓の通貨協定を日本から韓国への一方的な便益供与だと考えている人にぜひ読んでもらいたいのだが…。

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    2016年03月06日
  • 通貨を考える

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    通貨についての4冊目
    ①ユーロ危機
    ②通貨・金融・財政
    ③国際通貨・為替
    ④クロスボーダー
    ⑤アジア経済

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    2014年12月11日
  • やっぱりドルは強い

    Posted by ブクログ

    本書でいう「ドルは強い」とは、あくまで基軸通貨として。ドル高や、引いては米国経済が強いというわけではない。むしろ、そちらが衰退しても、その地位は確固たるものだと指摘。
    本書にあるように、基軸通貨の強さの源泉は「決済機能」にあり、全世界の「情報」や「機能」がドル決済を通して米国に集中する仕組みが形成されていて、この仕組みこそがアメリカの金融権力の源泉であり、外交力や国力を支えているのだそう。
    口座凍結が北朝鮮への有効な手段となり得たように、米国には軍事力では解決できない問題への対処方法も持ち合わせている。この「基軸通貨国の外交力」と著者が呼ぶ米国特有のパワーがあるからこそ、世界の中心として君臨するんだろうと改めて認識させられた。

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    2013年05月11日