大野健一のレビュー一覧

  • 明治維新 1858-1881
    明治維新を各藩の「柔構造」で捉え、国際化の成功を能動的な「翻訳的適応」にみる点は自分にとって新たな視点だった。現在に対する示唆としても面白い
  • 明治維新 1858-1881
    読み始めて少し不思議な内容だと感じた。それは本書が一部海外向けの論文であることに由来をするのだろうか。冒頭に第二次大戦以降の開発独裁の国と、日本の明治維新の比較を様々に行う。日本人の感覚では開発独裁と明治維新とでは明らかに異なる発展の仕方に見え、比較検討をしようとあまり思わないのではないか。しかし海...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    興味の持てなかった幕末~明治期。必要に迫られていろいろな本を読んでいたのだけれど、この本は「柔構造」という視点を提唱し、それに基づいて、幕末から新政府に関わった藩ごとに分析されている。「柔構造」という視点が新鮮かつ面白くて、この時代の面白さが少しわかったように思う。
  • 途上国のグローバリゼーション―自立的発展は可能か
    2008年06月28日 02:18 記載:

    昨年先輩に薦められて。

    著者の大野健一さんは一橋、スタンフォードを出てIMFのエコノミストなどを経た大学教授だとか。


    ほとんど無学のまま読んだのですが、特段専門的な知識も必要とせず、現在(ちょっと前だけど)の途上国、移行国が置かれた難しい立場を...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    プリンシプルの無いと呼ばれる日本の強さを分析した書、自分の生きてきた中の観察では相も変わらず大和民族の日和見主義は機能している。

    今後も日本を大和民族が支配していく限りこのシステムは作動し続くことだろう。
  • 途上国のグローバリゼーション―自立的発展は可能か
    元IMFエコノミストの一冊。しかし、ひとつの理論に固執して途上国に押しつけるIMFエコノミストのイメージとはかけ離れている。途上国の現場の息吹を感じ取ろうとする感覚と、高いレベルの理論のバランスが取れている。ベトナムの子どもたちの話や中央アジアの記述なども興味深い。
  • 明治維新 1858-1881
    日本近代政治史の専門家と開発経済学の専門家が、明治維新という世界史上稀な革命を可能とした、幕末維新期の構造的特徴ついて考察している。
    明治維新は、個々の人物や事件を追っていくと極めて分りにくい時代である。登場人物が多く、彼らの間に政策論争や政治闘争が延々と展開されるし、国家目標なるものが複数個あり、...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    明治維新は公議世論と富国強兵の名の下に実現され、外征、憲法制定、議会設立、殖産興業の4つの方向性のどれを優先するかで対立したものの、大きなところでの目標は共有していたため、組織が崩れずにいられたというもの。
  • 明治維新 1858-1881
    意外と面白かった。新しい捉え方で、都合よく当てはめてるだけでは、とか抽象的な表現に逃げているのではと思わなくもなかったが、それを差し引いても新鮮。推奨。
  • 明治維新 1858-1881
     本書を読んで明治維新の時代が立体的に見えた思いがした。この時代を取り扱った書として、高く評価できる本と思う。
     本書によると「明治維新は、欧米列強が支配する19世紀の国際秩序に後発国日本が組み込まれるという国際統合過程であった」とし、その政治過程は戦後の「開発独裁」と違って「富国(大久保)」「強兵...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    [ 内容 ]
    西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、板垣退助―途上国を一等国に導いた指導者を分析する。

    [ 目次 ]
    第1部 明治維新の柔構造(明治維新というモデル;柔構造の多重性;明治維新の指導者たち;政策と政局のダイナミズム)
    第2部 改革諸藩を比較する(越前藩の柔構造;土佐藩の柔構造;長州藩の柔構...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    明治維新に関するおススメ本として友人に教えて貰ったもの。
    なぜ明治維新は成功したのか、他の後進国の開発独裁型統治とは何が違うのか、という視点から雄藩間のやりとり、方針転換などの有様を分析し、この革命(?)の「柔構造」を解読する。
    専門外の本ながらわくわくして読んだ。明治維新はひとりの人間の力で成るも...続きを読む
  • 途上国のグローバリゼーション―自立的発展は可能か
    筆者の考えには全て同意はできないけど、面白いし、わかりやすい。あと筆者の行動力(ベトナムの子供との交流など)は本当に見習いたい。
  • 明治維新 1858-1881
    維新150年だし「西郷どん」だしで再読。
    明治維新を実現した薩長土肥等雄藩の「柔構造」分析が面白い。
    「グローバル化した世界の中で異なる民族、宗教、思想が何とか共存して生きうる世界を築くためには、いい加減な生き方もまったく役に立たないとはいえまい(p179)」
    日本人の特性である「翻訳的適応」を今こ...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    明治維新を柔構造という視点で見つめなおし、新たな評価をするという内容。視点は非常に面白いのだが、歴史を題材にしているという点では、あまりその背景には深く入っていないため、正直、良く分からなかった。おそらくある程度の知識を持っている前提で読むと面白いのだろうが。。。
    何よりも「なぜ、そのような構造にな...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    歴史小説ばかりで新書はあまり読まなかったのですが、ちゃんと学び直すつもりで読んでみた。
    藩毎の考察は興味深かった。薩摩のことにもう少し詳しくなりたい。
  • 明治維新 1858-1881
    ・明治革命は、複数の目標、「富国強兵」と「広議輿論」の二項目、の並列的競合、リーダー間の合従連衡およびリーダーだちによる目標の優先順位の自由な変更を通じて達成された。東アジア型開発独裁のスタイル、つまりカリスマ的リーダーは上意下達するスタイルではない。
    また、リーダーグループ間の柔軟な連携の組み換え...続きを読む
  • 明治維新 1858-1881
    るろうに剣心をまた読み返したい今日この頃。剣じゃなくて政治の話なのでるろ剣とはあんまり関係ないけど面白かった。