権藤博のレビュー一覧
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日経にコラムを書いている権藤博の本を見つけて期待を持って一気に読んだ。とても面白いし、勉強になった。技術論ではないところが良かった。それは以前何冊か読んだ落合博満の本も同じ。どちらも優勝を目指す集団を経営するストーリーになっており、会社内の各機能のノウハウ本ではない。企業と違うところは選手たちは元々、その分野でプロとして活躍することを夢見てその集団に入ってくる、というところだろう。その差は大きいが、それはいつクビになってもおかしくない環境だから、というのもあるのだろう。最後に権藤博が書いた言葉がとても印象的だった。
「忘れてはならないのは、戦うのは社員などの
従業員であり、戦いで傷つくのは彼 -
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監督としてベイスターズを日本一に導き、日本代表の投手コーチとしても活躍した権藤氏の投手起用に関する話。権藤氏の信念が伝わってくる。投手がどのような気持ちで戦っているのかの一端を知ることができた。
「我々の時代の監督は現役の頃に召集令状が来て戦争に行き、戦火をくぐり抜けて、また野球界に戻ってきたような人が多かった。だから野球ができるだけで最高だ。「何?肩が痛い?ヒジが痛い?たるんどる!命までは取られりゃせんよ」という考え方ですよ」p5
「8、9回をいかにしのぐか。投手コーチの役目はその一点に絞られている」p6
「選手たちは試合に出てナンボ」p8
「投手一人で1試合抑えるのはなかなか難しい時代にな -
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<目次>
第1章 嫌なバッターの共通項~データでは分からない生きざまがある
第2章 打者が嫌がるピッチャーの絶妙な「間」~速いだけでは抑えられない
第3章 その常識を捨てなさい~「低めに投げろは大間違い
第4章 嫌なバッターはあいつだ!
第5章 嫌なピッチャー、嫌なバッターをつくるためには~監督・コーチができること、できないこと
<内容>
権藤博と二宮清純の対談集。我々野球好きの常識、テレビの解説者の常識を覆す話がたくさん。ピッチャーなら、「外角」「低め」「間」。バッターなら、「インコース」…(権藤さんがピッチャーなので、バッター編は少し)。第5章も示唆に富む。「教えない」「アドバ -
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タイトル通り、『継投』について著者が対談した本となっており、最近の台所事情が書かれている。
投手の分業制が当たり前になり、一人のエース級の投手だけでは成り立たないのが今のプロ野球である。その為、後ろからゲームプランを組み立てていく考えはもっともに思われる。だからこそ、しっかりした抑えがいるチームが日本一に輝いているのも頷ける。
加えて、ブルペンでの肩作りも、従来の2回ではなく1回とするところも新鮮味があった。2017年、セ・リーグの中継ぎ・抑えの両タイトルを取った阪神も、金本監督・金村コーチのもとこの方針を取り入れているようだ。
本書を読み、来年以降投手の継投について、また違った視点から -
- カート
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試し読み
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ネタバレ中日ファンということもあって、この本の存在を知ってすぐに読みました。
権藤さん、いろいろと考えてますね。野球に興味のない方でも教える立場の方には参考になる1冊だと思います。
(野球に興味がある方はなお深く味わって読めると思います。)
自分が感銘を受けたのは以下の3点。
・「教えすぎるな」
真にその人物の成長を望むのであればコーチや教える立場の人間はDon't over teach.を忘れてはならない。どんあ相手であれ、真の成長を望むのであれば丁寧に助言し、我慢強く見守っていく姿勢を保つことが大事なのだ。
・「練習に『宮本武蔵』の修行法を取り入れた」
麻の芽の上を毎日跳んでいるうちに -
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・できないものをできるまで辛抱強く見守ってやるのが「優しさ」である。一方、できるまで待つことができず、また今度とか次にやればいいよとなってしまうのが「甘さ」である。
・Mr.ゴンドウ。教えてくれるのはありがたい。でも教えられて覚えた技術はすぐに忘れてしまうものなんだ。Don't over teach。
・自分の姿は自分には見えない。バッターにはピッチャーの姿が、ピッチャーにはバッターの姿しか見えない。だからコーチは彼らを映し出す鏡にならないといけないのだ。
悪い状況に陥った人というのは自分自身が見えていない。自分が見えていないから更に悪い状況へと陥っていく。
・よく「ライバルを -
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ネタバレ・退くべき時を見極める→欲が出てきそうになったらぐっと我慢する
・マニュアルの答えは一時的。緊張する場面での経験の中にこそ答えがある。
・情報は捨てようとしろ。ひっかかったものだけが残る。
・中流のプライドと反骨心を持て。
・競争なきところに繁栄なし。ライバルを作り、おだてて競わせる。
・できない子はなぜできないかを一緒に考え、分かるまで何度も教えてやる。とことん付き合う。
・トップの余裕はやせ我慢からでも生み出せる。
・流れのいい時こそ、不測の事態に備え、準備を念入りに。
・人生のチャンスは、実働の8時間以外の16時間のうちにひそんでいる。
・自主性を身につけさせ、「やる気」を起こさせるため -
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「権藤、権藤、雨、権藤」で知られる著者による一冊。「Don't over teach.」をもとに、優しくかつ厳しく選手と向き合っている姿勢が評価できる。昨今では、プロ野球も超高校級選手や即戦力ルーキーにばかり目を向け、育てるという肝心な部分がないがしろにされてきているように感じられる。これはまた、今の日本企業の現状にもあてはまる。力のあるスター選手ばかりを集めたチームよりも、いかにして不揃いのチームで彼らを生かし育てながら対等にやっていけるのかを考え抜くことこそが、上に立つ者の役目ではないだろうか。この本の内容は、何も野球に限ったことではなく、企業で働く管理職の人たちにも相通ずるとこ