川島四郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本人の体質、日本の風土、紀行にあった食べ物が健康につながる。理論に裏付けられた分かりやすい語り口が魅力の栄養学講義。
前作に続き気軽に読みつつ奥の深い一冊。何より対談形式、センセイと生徒のやり取りなので分かりやすい。
日本食、過去の人類がどこかで選択して作り上げてきたメニューが栄養学的観点から理にかなっていることにどこ感動を覚える。
中国や西欧との水の質の違いが和食を生んだという指摘が炯眼。日本では当たり前の新鮮な水、他国では容易に得られないことから、例えば中国では油を使った食文化になったという。
読者は本書の中にどこかしら目からウロコの部分を得ることであろう。 -
Posted by ブクログ
もう20年以上前、母の取引先の米屋さんが「お歳暮・お中元」(?)とか言って持ってきてくれた本。
母は本をあまり読まない人だけど、中学生の私は当時活字中毒で何でも読んだ。
なるほどなぁと感心したのは、「人間は自分の手で得る事が出来るものだけで十分、それがその時一番身体が必要としている栄養素」というコンセプト。
子どもの頃は草や虫、成長して男性は狩りへ行き肉を得て、女性は木に登って果物や畑で野菜を取る。年をとったらひなが一日釣り糸垂れて、おサカナcatch of the day。
とは言え、その時私は肉食をやめた訳ではない。
それから留学して大学生の頃、ムスリムの友達とよくつるむようになった。ふとある日、冷凍庫をあけてみたら、1年前に買った豚カツ用の豚肉が。考えてみると、ハンバーガーも食べてない。
私、肉食べなくてもいいんじゃない?
そう思って、鳥を含む肉を食べなくなりました。
その後かなり経って、風邪を引いたある日、KFCの看板をみて「血!血を作らなきゃ!!」と身体が訴え、その日から考えを改めた。
鳥は昔飼っていて、自分で捕まえられる。羊もチリの90歳のおばあちゃんが自分でほふれると記事で読んだ。それらは一旦、OKというコトに。基本、四つ足の獣を食べないでおく事にしました。
それを言い出すと人によっては「マグロは?カツオは無理でしょ?」とか言い出すのだけれど、特に日本において、真のベジタリアンって難しい(外食産業、意識が低いので対応が遅れています)。
あまり神経質になってもストレスなので、ざっくりやっています。
それは川島先生も良いと書いてある。
友達に本を貸したら無くなってしまい、その後大学生の頃だろうか、自分で買い直した時には改版されて削除されていたけれど、あれはウーマンリブの流れだったのだろうか?
旧版にはね、書いてあるのです。
「だからといって、女性が肉を食べちゃイケナイってことじゃないんですよ。だってほら、たまには男性がプレゼントしてくれたりするでしょう」、という内容の一文が。 -
Posted by ブクログ
「続々食べ物さん、ありがとう」5
著者 先生=川島四郎、生徒=サトウサンペイ
出版 朝日文庫
p28より引用
“食事の前に、お茶碗に二、三杯、
トコロテンやカンテンを食べるといいです。”
食糧・栄養学者である先生とマンガ家である生徒二人による、
食べる事に関しての対談をまとめた一冊。
少し前に紹介した物と同様に、
食べ物に関する知識が盛り沢山です。
上記の引用は、
ダイエットに関する項の中の一文。
2・3年位前だったでしょうか、
寒天ダイエットが流行したのは。
スーパー等から寒天が消えるほどの流行になりましたが、
この本の出版は1987年、
実は減量の方法としては、
昔から定番中の定番だったのかもしれません。
今回一番印象的だったのは、
シーラカンスの味に関してのお話。
生きた化石と呼ばれるシーラカンスを焼いたり蒸したり・・・、
味についての記述はここには書きませんので、
興味を持たれた方は調べてみたら面白いかもしれません。
どなたにでも。
ーーーーー -
Posted by ブクログ
「食べ物さん、ありがとう」5
著者 先生=川島四郎、生徒=サトウサンペイ
出版 朝日文庫
p34より引用
“育ち盛りの子どもには、
内臓や骨までいっしょに食べる全体食が大事だということが
わかります。”
食糧・栄養学者である先生とマンガ家である生徒二人による、
食べる事に関しての対談をまとめた一冊。
お腹の中で働く酵素からアフリカの百五歳のお婆さんの話まで、
これからの食生活を見つめ直さずにはいられない話が、
盛りだくさんに記されています。
上記の引用は、
年齢に応じた物を食べると言う事に関する中の一文。
自分が食べて体にいいものかどうかは、
自分の体に相談するのが一番と言う事でしょうか。
この全体食のほかに、
青菜をたくさん食べる事とカルシウムをしっかり摂る事は、
何度も何度も出てきます。
特にカルシウムについては、
「カルシウム教祖」と先生が呼ばれているらしく、
その大切さがひしひしと伝わる位に書かれています。
昭和61年の出版なので、
情報の変化はあるかもしれませんが、
変わっているところがどこか調べながら読むのも、
面白いかもしれません。
生きている全ての人に。
ーーーーー -
Posted by ブクログ
今週おすすめする一冊は、『食べ物さん、ありがとう』です。栄養学者の川島四郎氏を先生に迎え、漫画家のサトウサンペイ氏が食べ物のことを色々と教えてもらうという内容で、原著の出版は1985年。当時は結構なベストセラーになったようです。
川島先生は軍隊で兵隊の食糧の研究をしていた方で、陸軍学校を出た後、東大農学部に進み、鈴木梅太郎博士のもとで栄養学・食糧学を研究し、博士号を取得しています。戦後、アメリカ軍は日本軍には携行食では完全に負けていたと言ったそうですが、その携行食=乾パンを開発したのが川島先生です。まさに実践知の人。
その実践知は、徹底して自然界(特に野生動物)に学ぶことから生まれます。そして、良かれと思うことは自らも含めた人体実験でしつこく試す。軍務に服していた頃は、兵隊さん達を実験台に色々と試せたわけで、そこで蓄積したリアルなデータをもとに「川島式栄養学」と呼ばれる独自の理論を発展させたのでした。
川島式では、人類は、内蔵も歯も、ネアンデルタール人の頃から変っていないのだから、食べる物も食べ方も、原始人達に学ぶべき、と考えます。ローフードやマクロビオティックのような90年代以降流行している食事療法の主張とも一部重なりますが、人間の生理、生態、気候風土に関する科学的知見と観察的事実を踏まえている点で、ずっと納得感があります。
とにかく青野菜を食べろ、というのが川島先生の基本的なメッセージなのですが、その理由を、葉緑素と血色素との分子構造の類似性という生理・化学レベルの話と、ライオンはシマウマの胃袋の中で半分消化された青野菜を真っ先に食べるという、生態学・動物行動学的な視点の両方から語るのです。食べ物関係の本は好きでよく読みますが、青野菜の重要性をこんなにシンプルに説得力をもって説明してくれたのは川島先生が初めてなので、感心してしまいました。
その他、カルシウムの重要性や海のミネラルの凄さについても目から鱗が落ちるような話ばかり。浅間山荘事件を引き合いに出しながらカルシウム不足の怖さを語るあたり、現代のキレやすい子たちに通じる問題を感じて、うすら寒くなります。
本書が出版された当時、川島先生は90歳。翌年、91歳で亡くなるのですが、80歳を過ぎても毎年のようにアフリカに調査に行き、お肌も最後までスベスベだったそうです。秘訣は、青野菜を食べ、昆布や煮干しなど海のものをきちんと摂って、ナッツ類の生命力をもらうこと。そういう食生活を心がければまだまだ何年も元気でいられそうだなという希望がもらえます。
本書を読んでいると、我々は、食べ物を介して他の生命達とつながっているんだなということが実感されます。そして、この地球というものがいかに恵みに満ちた有り難い世界なのかということも。まさに『食べ物さん、ありがとう』です。
健康に生きるためのとても大切な知恵を学ぶことのできる一冊です。是非、読んでみてください。
=====================================================
▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)
=====================================================
乳(ちち)という言葉は、大昔は「ち」といいましたが、赤ん坊は言葉をかさねていうので「ち=血」が「ちち=乳」になったのです。驚いたことにね、サンペイさん、この白い乳が、じつはお母さんの赤い血液からできるんですよ。
人間の病気の大部分は食べ過ぎから始まっています。野生の動物で食べ過ぎて体をこわすものなんていませんよ(…)人間以外の動物は、満腹といっても胃袋は八分の入りです。
オオカミやライオンが襲う相手は、必ず草食動物でしょ。あれは腸に残っている青い草を狙っているのです。
〈ピロール核〉というのが四個ありましてね。その真ん中に〈鉄〉が一分子入っているおが血液の赤い血色素、〈鉄〉の代わりに〈マグネシウム〉が一分子入っているのが葉緑素なんです(…)この葉緑素が体の中に入ると、〈ピロール核〉のまん中にあった〈マグネシウム〉が〈鉄〉と入れかわって、真っ赤な血色素になるんです。
だから、青野菜をたくさん食べていると、血色素がどんどん作られ、サラサラした正常な血液になる、という仕組みです。
昔、軍隊にいた時、食後何分たって、兵隊の訓練を始めるのがよいか研究したことがあります。その時、私は上野動物園に四、五日通って、朝から晩まで動物を観察しました。動物はみんな、おなかがいっぱいになったらゴロンと横になる。ゆっくり休んで、胃を働かせる。以来、軍隊では昼食後一時間たってから、訓練を始めるようになりました。
ほかに子どもの栄養で気をつけなくてはならないのは、リンが入っている清涼飲料水やインスタント食品の食べすぎです(…)清涼飲料水やインスタント食品には、とかく、リンが入っています。体の中でこれからお役に立とうとしているカルシウムに、リンがつくと〈第三リン酸カルシウム〉という不溶性のものになって役立たずにしてしまいます。
浅間山荘事件が起きた時、ハッと思ったんです(…)あの事件では、仲間を十一人も残酷にリンチして殺したでしょ。普通の殺し方じゃなかったんで、食べもののせいではないかと思ったのです(…)徹底的に調べました。すると、山に隠れていたので、西軽井沢駅でインスタント食品ばかり買って食っている。青野菜と、カルシウムのあるものを全然食っていないんです。山にこもったのが、十二月初め、捕まったのが三月中旬。百日もカルシウムと青野菜をとらなければ、気持ちが荒れてきて、残酷なことも残酷と感じないというようになるのです。
煮干しを丸ごと食べると、骨のカルシウムと、はらわたにあるビタミンDをいっしょにとることができるからです。あんなに便利な食べものはありません。
ガンジーの信念は、殺されるものをいやがる食べ物は絶対に食べない。自らすすんで食べてほしいといっているものだけを食べる、というものでした。果物と牛乳は、この信念にかなった食べものです。
種子には、生命の根源、バイタルアクション(生きる力)があります(…)種子には何か、生命の根源にかかわるようなものが含まれているのではないかと思いますね。
ヌカの中にはリンが多いんです。消化すると〈リン酸〉がたくさんできる。玄米は、酸性食品というわけです。ですから、玄米食の時は、アルカリ性食品である野菜をたっぷり食べて、バランスをとらなくてはいけません。玄米食べて、肉を食っていたら、酸性過多になります。玄米の効果が帳消しになってしまいますからね。
大自然の宇宙の元素とでもいいましょうか。地上の土にもたっぷり含まれていたのですが、大昔、地球がまだ暖かかったころ、海の水がどんどん蒸発して大雨が降り続き、海へ流れ込んでしまったのです。だから海には、地上にない〈希有元素〉がたくさんあるのです。
魚は肉に比べて、ミネラルの種類も、量もはるかに多いんです(…)海の中で生きている魚には、海藻同様、いろいろな〈希有元素〉が含まれています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●[2]編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
週末、娘と散歩していて、門前にススキを生やしている家を見かけました。「ススキだよ」と娘に教えてあげながら穂に触れた時、もう何年もススキに触れたことなんてなかったな、と気付きました。
子どもの頃はススキはいたるところにあって、ススキのあるところで遊んでは、よく手を切ったりしていたのに、大人になって、東京に暮らすようになってから、触れるどころか、見る機会すらめっきり減りました。というか、東京で見かけたことが本当にあるのか記憶が定かでないのです。北千住の川っぺりに住んでいた頃は見かけた気がしますが、それすらもう10年以上も前のこと。
ススキは多年草で株が大きくなるのに時間がかかりますから、長い間原っぱの状態におかれているところでないと育つことができません。東京には、そんな何年も放置された原っぱなんてほとんどないから、見かけることが少ないのでしょう。確かに空き地はいっぱいあるけれど、家や駐車場になるまでの間の空き地ですから、ネコジャラシなんかは茂っているけれど、ススキが育つまでは至らない。
娘は、日常的にススキを見ることのない風景の中で育つのだよなあと改めて思いました。秋を連想する時、娘の精神風景の中には恐らくススキは入ってこない。当たり前だけど、同じ日本でも、世代によって風景も、季節の捉え方も、全然別のものになっていくのだよなあと思ったのでした。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに本を読んだ。かなり以前にかいれた本であるが、昔よく読んでいた内容に近しいものであり。気持ち良く読み終えることができた。
食に関しては、新しい情報がいろいろ出てきているように思えるが、実はすでに研究されていることも多くあり、昔の文献を読むことで、理解できることも多い。
植物の葉緑素を構成しているピロール核の中にあるマグネシウムが、鉄に変わると血液の中にあるヘモグロビンに変わる。なるほど、理にかなっている。
戦時中、食料についてかなり研究されており、自然農法の大家と言われる福岡正信も、戦時中に人間が食べる食料について研究をしていた。
この本の著者の一人、川島四郎先生の語り口は、読んでいて楽しい。一度、読んでもらいたい。 -
Posted by ブクログ
実践栄養学の川島四郎氏の栄養学講座第3弾。
先生が説く。
人間の頭脳は発達したが、はらわたは北京原人のまま。現代人は味付けするから食べすぎになって成人病になるのだと。
さらに、日本人は欧米人と同じように肉をたくさん食べてはいけないとも。
肉に含まれているリン、イオウ、窒素などの害を防ぐにはカルシウムをたくさん取らなければいけない。ヨーロッパの大地は海の底がせり上がってできたものでカルシウムがいっぱい含まれており、そこでとれる野菜を食べ水を飲めば肉の害を防げるのに対し、日本は火山国だから大地に含まれているカルシウムは少ない。
これを忘れて欧米人の真似をしていれば、体を壊してしまうと、力説する。
傾聴に値する話であろう。 -
Posted by ブクログ
実践栄養学の川島四郎氏がサトウサンペイ氏を生徒役に、栄養学講座を開設。
サトウサンペイのユーモラスな漫画が、話に説得力をもたらす。
当時91歳の川島氏の元気はつらつな秘密は、青野菜を毎日たくさん食べることだと。健康に大切なのは、サラサラ流れる血液で、赤いのが動物の血、青いのが植物の血、ともに化学構造は似ているそうだ。
食べたらすぐ寝るのが一番で、「牛になる」は迷信で、雇い主が使用人をより長く働かせるために言い出したんだと。
また、魚と肉とを比べた場合、魚の方が栄養があるとのこと。タンパク質や脂肪の量は変わらないが、ミネラルに違いがあると。
なにしろ、大昔地上の土にも含まれていた<希有元素>が大雨で海に流れだしたので、地上の土はだしがらで海は栄養たっぷりのだし汁だそうだ。
薀蓄な話が次々と。「続」も読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「続食べ物さん、ありがとう」3
著者 先生・川島四郎、生徒・サトウサンペイ
出版 朝日文庫
p85より引用
“自分の体の状態に合わせて、
ほどほどに食べる知恵を身につけることが大切です。”
栄養学者と漫画家である著者による、
食糧や栄養に関する対談集。
塩分の大切さから香辛料についてまで、
著者の実体験に基づいた理論が雑談のように書かれています。
上記の引用は、
食べ物で美しくなる事を話した項の一文。
自分の体に合う食べ物を、
自分でうまく見つけられれば健康を保つのもうまく行きそうです。
元気に人生を過ごす為にも、
食べる事には充分に気をつけて毎日を過ごしたいものです。
同じ著者のその他の作品でも繰り返し書かれている、
青野菜をしっかりと食べる事などが、
この本でもちゃんと書かれています。
健康を気にされる方にとっては、
良い参考図書になるのではないでしょうか。
紹介されている食べ物や食べ方は、
比較的手に入りやすいものややり方なので、
始めるのにも抵抗が少なそうです。
ーーーーー