宮内泰介のレビュー一覧

  • 社会学をはじめる ――複雑さを生きる技法

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    社会学者というと、キャッチコピーで勝負する広告会社の人みたいで、学者としては何だか浮ついた存在、という印象を持っていた。本書を読むと、社会学者がなぜそうした印象をもたれかねないスタンスをとるのかがわかり、「社会学、大事かも」と思わされた。著者があとがきで書いているように、社会学を「合意形成の技法」ととらえ、それがどのようなものであるかを、やさしい言葉で的確に説明している。プリマー新書やジュニア新書によくあることだが、文体はソフトながら内容的にはかなり難しいことを密度濃く語ろうとしている。「やっかいな問題」「被害構造論」「サードプレイス」「感情労働」「弱い紐帯の強さ」「流動的近代」「中範囲の理論

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    2025年05月13日
  • かつお節と日本人

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    ネタバレ

     帯にあるように300年4000キロの旅の物語というのが、カツオではなく
    かつお節であったことがすごい。
     以前荒俣宏著の「男に生まれて」の副題が江戸鰹節商い始末。この本では老舗の「にんべん」を扱っていて、文中で西伊豆の田子のかつお節を書いていた。私事で、親子二代に渡って西伊豆の小さな鰹節店から花がつおを取り寄せ続けていた舌が、今度はどんな出会いもたらすか、とこの本を手にした。
     戦場にもっていく携行食としてかつお節が登場したのが16世紀。明治の殖産工業の後押しと日清・日露戦争といった需要の増大で、漁場と加工場が次々と南方へと出ていく。
     4000キロというのが、戦後でなく、すでに明治末から大

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    2013年11月10日
  • 社会学をはじめる ――複雑さを生きる技法

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    社会学という、名称だけでは何をやっているかよくわからない分野について、わかりやすく解説されている。
    こうあって欲しい、こうあるべきだ、という規範的な思いを起点に、特定の社会的現象にフォーカスし、その解決を目指して、現状の構造化や解決策を見つける分野であると理解した。
    どんな分野にしろ、こういった問題解決のアプローチは根底にあるべき思想かと思う。

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    2024年08月15日
  • 社会学をはじめる ――複雑さを生きる技法

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    社会学とはなにか知らずに読んだ。

    簡単にいうと社会学とは、社会のために良さそうな規範を共同で作って行くこと。ある事柄に関して対話をベースとして人の話や文献・資料からインプットし、分析して暫定理論として提言していく。その一連(プロセス)全てが社会学であると僕は認識した。

    社会学は知るだけではピンとこない。実践に移して初めて、社会学が何のためにあるのか分かる気がする。

    僕の感覚ではあるが、社会学的アプローチは調査・分析をベースとするので、効果的な分野としてはすぐ答えを出さないといけない事象でなく、長期的な事柄に対してだろなと思っている。

    できる範囲で人の話を聞き、分析して、よい社会を作って

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    2024年07月03日
  • 自分で調べる技術

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    本書が出版されたのは2004年。(手元にあるのは2008年の10刷) 本書の出版当時よりもなおさら「調べる」という作業におけるインターネットの比重が大きくなっていて、それ以外に発想しようがないぐらいにまでなっている人も多いのではないかと思う。

    本書は「資料・文献調査」「フィールドワーク+アンケート調査」「まとめかたとプレゼンテーション」という形で、市民が自ら何かを調べる際に取り得る方法の全体像を解説する。

    「資料・文献調査」としては例えば雑誌記事や論文、書籍、新聞記事、統計データ、インターネットなどの具体的な調べ方やそれぞれのメリットの解説がなされている。具体的な情報源が示されていたり、練

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    2020年12月01日
  • 自分で調べる技術

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    ネットを使えばなんでも簡単に調べられると思ってはいるが、いざ欲しいデータがなかなか探せなかったので、この本に書かれている「検索サイト」は使えそうだ。
    また単なる検索サイトの紹介だけでなく、情報の洪水を取捨選択し、自分で考える力を養う姿勢も書かれている。
    中でも「アンケート調査の功罪」の章は興味深い。当たり前のように行われているアンケートに実は多くの誤りがあることに気づかされる。思わず”あるある”と笑ってしまった。

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    2016年10月06日
  • かつお節と日本人

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    宮内さんは、Folkeなどを引用しつつ、沖縄やインドネシアのおっちゃん達に聞き書きをして、市民調査で、かつお節の調査をしている。恐るべし。

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    2020年04月03日
  • かつお節と日本人

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    たんに日本の伝統だ、という話ではない。産地が広がり、また収縮していく様が想像以上に大きく描かれている。以前、かつお節工場を見せてもらったこともあり、食品としてのかつお節や産地については知っているつもりだったが、歴史についてはまだまだ知らなかったと痛感した。かつお節は伝統食品的扱いな割に、消費が減っていないのだ、という。「にんべん」という一企業をよいしょしすぎかな、なんて気もするけれど、にんべんの器が大きかったことも、いまかつお節が受け入れられている土壌かもしれないなあ。タイトルから想像するよりも動きが激しく愉快な本。

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    2013年12月10日
  • 自分で調べる技術

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    文字通り、自分で調べたいと考える市民のための本。かなり具体的な技術が詰まっていて、実際に調べてみようという気になる。ただ、websiteの紹介なども多いため、今でも使える技術かどうかは、実際使ってみないと分からない。

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    2013年02月02日
  • 自分で調べる技術

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    [ 内容 ]
    資料を調べる、データを探す、フィールドワークに出る、プレゼンテーションをする―行動派社会学者の情報収集・整理のノウハウ。

    [ 目次 ]
    1 市民が調査をするということ(自分たちのことは自分たちで決める;調査は難しくない ほか)
    2 資料・文献調査(資料・文献調査とは?;雑誌記事・論文を探す ほか)
    3 フィールドワーク(フィールドワークはなぜ必要か;フィールドワークは立体的 ほか)
    4 まとめかたとプレゼンテーション(1つ目の“一覧化”=フォルダにまとめる;2つ目の“一覧化”=カード化とキーワード化 ほか)
    5 最後に―市民調査を組織しよう(市民調査を組織する;ノウハウの相互交

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    2010年07月01日
  • 社会学をはじめる ――複雑さを生きる技法

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    社会学とは何か、学ぶことができました。

    多様性といわれるようになったからこそ、「やっかい」なことが明らかになった部分もありますが、考え行動して少しでも社会が良くなっていくといいなと思いました。

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    2024年08月14日
  • 自分で調べる技術

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    ネタバレ

    サブタイトルに、
    「市民のための調査入門」とあります。

    自分たちで自分たちの社会を作っていくことが、
    いつからできなくなっているだろうか、
    との著者の問いからはじまります。

    社会は複雑になり、
    決めなければいけない事が一人ひとりではカバーできないくらい
    多岐にわたるようになり、
    それにともなって、
    それぞれの分野にくわしい専門家というポストがつくられ、
    彼らが決定を下すシステムになってきた。
    ゆえに、現代において社会を作っているのは、
    見ようによっては断絶された一人ひとりの専門家の決定である。
    それを、少しでも市民の手に取り戻したどうだろう、と
    著者は言うんですね。
    自分で自分の社会をつく

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    2019年03月19日
  • かつお節と日本人

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    かつお節に漠然と抱いていたイメージを改めさせてくれた好著。伝統食品と言われつつも、庶民の食卓にはいってきたのは割と最近で(こういうのは他にもいろいろあるかも。昔の食はきわめて質素である)、パック入り削り節や風味調味料の登場もあって今日に至るまで消費量は右肩上がりに伸びている。また日本の南洋進出とかつお節の歴史も知らないものだった。

    ・三枚におろした半身から作ったのが亀節。大きめのカツオはそれをさらに背と腹の4枚に切り分けて、そこから作ったのを本節とよぶ。

    ・カビ付けも整形もしていないのが荒節。パック入り削り節た風調の原料に。

    ・現在と同じようなかつお節が作られだしたのは17世紀終わりごろ

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    2018年11月05日
  • 自分で調べる技術

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    まず驚いたのはこの本が発刊されてから10年ちょいの間に情報技術が目覚ましい発展を遂げていたこと。
    リアルタイムで経験していたすべてが、もうobsoleteな手段になっている。
    しかし、使えるツール、調べた後の情報の組み立て方はまだ健在である。
    ★本と言うのは本来こまぎれの情報を最初から最後まで通して読むことを目的に編まれており、ひとつの閉じた世界を作っている。それが本の醍醐味であり魅力、という旨のことが冒頭近くに書かれており、最も印象に残った。

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    2016年03月21日
  • 自分で調べる技術

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    特に新しい学びはなかったが、簡潔で読みやすく、高校生くらいに読んでおきたかったなと思う。また、自分たちの社会を自分たちで作っていくために、まず調査してみようというコンセプトはとても共感できる。それは課題意識から始まる、本質的な課題の発見であり、私たちの社会も活動もそこからしか生まれないのだと思う。

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    2016年01月07日
  • かつお節と日本人

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    かつお節と聞くと、訪れたことのある枕崎を思い浮かべてしまうのだが、東南アジアおよびミクロネシアにまで戦前からその生産ネットワークが広がっていたとは。
    @アンマン

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    2014年05月28日
  • かつお節と日本人

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    なるほど・・・・。
    一見マニア向けとは思うのですが、たった一行「尖閣諸島」と書かれてあったことで、なるほどね・・・・と思う。
    尖閣諸島の「かつお節工場」
    現在は工場跡の基礎石だけがあるものの、それも崩れてきている。
    南洋節の歴史もある。
    当然、尖閣諸島でも・・・・。
    著者に政治的意図はほとんどないのでしょうが・・・・。

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    2013年11月16日
  • 自分で調べる技術

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    一口に「調査」と言っても奥が深い!机上論になってはいけないが、今の時代、根拠となる裏付けデータは絶対に必要!仕事は勿論プライベートでも。

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    2012年11月14日
  • 自分で調べる技術

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    社会学の調査ってすごーく大変で大それたイメージだったけど、
    初心者にもできないものではないんだ、と。
    奥は深いんだろうけど、とりあえず概要を知る意味でさらっと読めて○。

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    2009年10月04日
  • 自分で調べる技術

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    まぁ‥‥可もなく不可もなくって感じかな。調べる方法については類書もあるし、書く方法についても言わずもがなのところがある(いやそれが基本であって大事なのだけどさ)。おさらいさせてもらった感じではあるけど、他人に薦めるほどの本ではないような気がする。

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    2009年10月04日