小宮山宏のレビュー一覧
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会社の仲間の紹介で読んだが、予想以上に学びの深い本だった。まず、恥ずかしながら、少子高齢化という問題は日本だけでなく世界の先進国の共通の課題であるということを理解していなかった。そのため、「日本は課題先進国であり、様々な課題を解決していけば課題解決先進国になれる」という著者の考え方がとても新鮮だった。また、「イノベーションの余地とは「理論」と「現実」の差であり、技術者との対話が必要である」という指摘もとても共感できた。確かに会社で開発シナリオや商品企画考えるときには、割と顧客ニーズとか精神論でスペックを決めてしまいがちになる。やはり判断軸の一つとして、「理論上到達できる数値」をしっかりと示し議
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一問一答形式で、(たぶん)一般の人々が思っている疑問に答えてくれている。
文章は簡潔で読みやすく、数値を元に解説してくれているので論理の飛躍がない。
東大の世界ランキングは当時16位(現在は12位くらいだっけ)だけど、それは英語圏の人が作成したランキングだし気にするなとか、ハーバードの年間予算は3兆円で東大は2千億円だとか、日本を課題解決先進国にしようとか、大学院の学生成績上位者六分の一に年間奨学金200万を与えるとか!(俺にくれ)
東大の学生は一読すべし。
東大には予算が足りない。国内海外の優秀な学生を引き付ける奨学金制度、授業料免除制度、研究予算などなど。(去年からドクター -
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この人の問題のとらえ方の視点は本当に面白い。工学出身の人なので、社会を語るデータが物流を基本にしているのも、新鮮で説得力がある。
例えば、
・中国は13億の人口を抱えているからまだまだ大丈夫、というが本当だろうか。社会インフラで人工物の飽和を図る指標は難しいが、重く価格も安いセメントはほとんど地産地消される。そのため、セメントの生産が道路、港湾、ダム、ビルといった社会インフラを代表する指標となる。1920年あたりからとられている人口一人当たりの総セメント量はアメリカで1人16t、日本で29t、フランスで22t。中国はすでに14t近くストックしており、近年の顕著な増加率を勘案すると、2012 -
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震災から立ち直り、新たな社会と産業を創り上げて行こうとしている今の日本にこそ必要な視点がこの一冊に詰まっていると思えた。
著者は元東京大学総長で現三菱総研理事長の小宮山先生。工学系出身で、エネルギー環境領域が専門であり、日本の再生の一路として「環境技術」を提案している部分では、流石にデータに裏付いた主張がしっかりしており、納得できた。自らの家を小宮山ハウス呼び、省エネハウスの実証をしてメディア公開しているのを以前テレビで目にしたが、そういう姿勢も面白い。以前から話に説得力があり、惹きつけられると思っていたが、本になってもそれは変わらず、一気に読むことがてきた。
まず導入の視点が新鮮だった。 -
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ネタバレギリシア、ローマ時代から19世紀末までの世界平均寿命は、25歳。20世紀に入っても31歳。2011年に70歳。
幸せな加齢の5条件
栄養、運動、人との交流、新概念への柔軟性、前向き志向
日本企業のCSRレポートは、「我が社を取り巻く社会にはこういう課題があり、それは我が社のこの事業と関連しているから、こういう事を実践するのだ」という能動的に統合性が語られる事が少ない。
企業調査をしてみると、会議で検討を重ねた企業の数よりも、具体的に実行している企業数の方が多い。これは、各社のCSRが「なぜ、どうして、今我々が?」という検討がないがしろにされている証拠。
5つのCSR重 -
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虚勢を張っている感が強い感じがする。
例えば、
・欧米の大学とは競争しない、と言いながら
・世界の知の頂点を目指す、と主張している。欧米と戦わずして、どうやって世界の頂点に立つのであろうか?矛盾している。それともその発想が東大特有の幻想なのであろうか。
東大は、世界を目指すよりも、日本のために、まともな官僚を養成する機関(専門学校)になった方が日本にとっては遥かに役立つと考える。
世界を目指すのは資金が豊富にある私学がやるべきであって、国に主導権を握られている東大には無理。筆者も主張しているように未だにビジネススクールが実現されないのがその証拠であろう。