井戸まさえのレビュー一覧
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佐藤優と井戸まさえ(民主党議員)の対談形式による、子供の教育に関する本。佐藤優は教育に対しても確固たる信念を持ち、歯切れ良く意見を述べている。ただし、自分に子供がいないためか、説得力に欠ける点も見受けられた。子供に読ますべき数々の本の紹介は面白い。
「(文章の)起承転結が問題。「転」は不要。起承転結で書いてしまうと、公務員試験も司法試験も全部落ちます」p78
「教育の最終的なところは「信頼醸成」に尽きる。どうやって信頼される人間になるか、あるいは人を信頼できる人間になるかというのは、どうやってだまされない人間になるかと「裏と表」なわけです。信頼について勉強する、信頼関係を構築できるということは、だまされない、人をだまさないということ(を学ぶこと)」p242 -
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自分の周りに無戸籍の人はいない。幼馴染みにも、学生時代の友人にも、職場にも。なぜ断言できるかと言うと、戸籍のない人は小学校にも通えないし、働くにしてもマイナンバーカードとかの提出を求めない、雇用契約がしっかりしていないような職場でしか働けないから。まあまあ普通の人生をドロップアウトせずに歩いてきた自分には関わることのない世界だ。無戸籍の子どもは小学校行けないって時点で、ほぼ世間との関係を閉ざしてしまっているのと同じ。
だからこの本の中に書かれているような、戸籍のない人がいるなんてことは、レアケースなんでしょ?と思ってた。それが全然違った。いとも簡単に無戸籍になってしまうのだ。
そもそも著者が無戸籍に関心を持ったのも、自分の生まれたばかりの子どもが、無戸籍になってしまいそうになったからだ。
著者は再婚だ。前夫とは別居期間を経て調停が長引いたものの正式に離婚は成立する。その後、実際に生活をともにしている現夫と籍に入り、現夫との間の子を妊娠、出産した。離婚成立から265日後のことだった。
役所に出生届を出しに行くと、この子は現夫との間の子と認められない、民法上は前夫との間の子どもになるから、前夫の名前に書き直してもらわないとこれは受理できない、と断られる。
はぁ?
何それ?
民法772条に「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子と推定する」という、いわゆる「300日ルール」があることを著者は知る。この法律、明治にできて百数十年間変わってない。
この場合、生まれた子どもの戸籍を作るには、前夫が「嫡出否認」の訴えを起こすか、母子や実父が前夫に対して「親子関係不存在確認」の訴えを起こすしかない(2002年時)
どちらにしろ前夫の協力が不可欠である。
ちゃんと協力してくれる人も多いと思うが、例えば、DVが原因で離婚した人などは、居場所を知られることを恐れて、連絡をしない。そもそもDVから逃げたなら離婚が成立していない場合も多い。しかし、そんなことは考慮されず、出生届は上に上げた条件をクリアしないと受けてもらえない。
こうしていとも簡単に、無戸籍児が生まれてしまうのだ。
著者の経験によると役所の窓口の人も不勉強で、面倒臭いのか窓口をたらい回しにする。著者は政治家を目指しており、同じ政治塾出身の現職議員なども動かして、役所に圧力をかけるなどして、子どもが無戸籍になる事態を避けることはできたが、役所の冷たい対応に心身疲れて諦めてしまう人は多いだろう。
支援してくれる団体がないと、難しいと思う。
著者は念願かなって民主党の国会議員になり、さあやっとこれで無戸籍問題の解決に議員として取り組めるぞ、と勇んでいたら、時の民主党政権で小沢一郎が、一年生議員が地域の陳情をあっさり受けないようにとの配慮?で、そういった陳情を小沢一郎直轄にしてしまったため(無戸籍問題なんか取り組んだって票になんかならないため)取り上げてもらえないまま、政権交代してしまった。その後の改選で彼女も落選した。
じゃ、いまの政権に働きかけてみればいいとも思うが、同じような理由で取り上げないのか、はたまたNPOとかで動いたほうがやりやすいのか。
その後の活動を見てみると、後者のような気がする。
巻末に支援団体の連絡先が書いてあるので、こな問題で困っている人と接点を持つことがあってら、この本の存在を教えてあげたい。 -
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税金を考えるとき、高負担高福祉か、低負担低福祉か、という考え方は聞いたことがあった。アメリカは低負担低福祉。高負担高福祉で有名なのは北欧だろう。ちなみに日本は低負担中福祉と聞く。しかしそれは借金で穴を埋めているので、現実的にはいずれ破綻する。佐藤氏は高負担高福祉がよいと思うけど、日本では難しいという。なぜなら、人口が多すぎてフリーライダーが出てしまい、不公平感からシステムとしてうまくいかないから。あぁ、そうなんだぁというのがなかなか蒙を啓かされたところ。
小学校の教科書を使って、わかりやすく、社会について学ぶことができた。面白かったしね。 -
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本書は、作家の佐藤優さんと政治家の井戸まさえさんによる、小学校社会科の教科書を用いて、政治の基礎知識を身につけていくことを主眼に置いた対談本です。
今までに大人に向けて、小学校の教科書で勉強を勧める本を見たことが無かったので、その新たな視点に惹かれて購入しました。
内容としては、高等学校の政治・経済の教科書ではなく、なぜ小学校社会科の教科書なのかという理由が書かれた序章から始まり、国会、内閣、裁判所、憲法、三権分立、税金、選挙について、教科書の本分の一部を抜き出し、解説を進めていきます。
この本の特徴としては、それぞれの章で「表の教科書」と「裏の教科書」に分かれており、表の教科書では、教科書本文の解説になり、原則論が多く書かれていますが、裏の教科書では綺麗事なしでそのテーマの現実はどうなっているかが書かれており、ただの教科書の解説に終始しないようバランスのよい説明がなされています。
様々な知識が書かれていることは良いことですが、それでも首を傾げる箇所がいくつかありました。一例を挙げますと、ドイツのリサイクルについての件が書かれていますが、そこでナチスが健康にこだわっていたという例をあげます。国民の身体は総統のものだから、国民自身が勝手に処理していいものではなく、健康体を維持しなければならないという考えが当時あり、これは人間という資源の効率的な利用であり、この考え方がいまドイツでは人間ではなく、ごみに向かっている、と佐藤さんは説明されております。しかし、ドイツにおけるごみのリサイクルというのは、戦後ごみの量が増えてきたために、ごみを仕分けしてリサイクルを行い、ごみの量を減らすという目的で始まったはずです。従って、ナチスが国民を資源として効率的に使おうと様々な方針をあげていたことが、戦後ではごみに向かったという思想的な発想よりも、単純にごみの量の増加が原因で、環境に配慮したごみ処理方法を模索していった結果、リサイクルが一般化したと考えるのが合理的ではないでしょうか。ナチスの健康志向とリサイクルの因果関係が結びつくことに疑問符がつきます。書かれていることを全て鵜呑みにのは注意が必要です。 -
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子どもの教育をテーマにした、知の巨人・佐藤優と国会議員・井戸まさえの対談。前半は比較的具体的に「書く力」や「読む力」、また「受験」などいくつかの項目に分けてそのポイントを佐藤優が説明する形。後半は『八日目の蝉』を題材に、そこから現代の家族関係の問題点を読み解いている。
対談という形式だからか、全体を振り返るとなんとなく焦点がぼやけてしまう。けれど個別具体的に詳細を見ていくと参考になる部分も多い。たとえばこんなところ。
◼️本は書き込みをしたり、ポストイットを貼るなどして、汚して読むというのが佐藤流読書術でしたね。それでこそ頭に入るのだと。
◼️p36-37 理屈で説明するのは難しい民族の特徴や文化を、神話はわかりやすい言葉で物語っているからです。
◼️p54 「親はどんなことがあっても子どもを許す」「子どもの味方である」という信頼関係をきちんとつくっておくことですね。
◼️p56 偉人の話の対極になるのですが、社会はわれわれ凡人によってつくられているということも忘れてはなりません。だから、ふつうの人が危機的な状況においてどういう選択をしたかを学んでおくことは、重要だと思うんです。
◼️p131 国際社会に通用するためには、外国語と数学と国語の力が重要です。国語はイコール論理の力です。この3つは絶対に必要ですね。
ただ本の最後で、子どもの教育で大事なのは結局「信頼醸成」なんだという主張がされていたが、これは些か唐突すぎではないだろうか。 -
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子どもに読ませたくない本は、人をバカにする本。43
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子どもは「自分よりわがままな存在」に出会って、はじめて自分の姿を客観視できるようになる。147
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女性の外交官のほうが自分の力に自信がある人が多いように思います。ただし、みんな気は強いですが。でも、気が強いのを隠す力はある。教養のある人は闘志を隠します。教養とは隠す力でもありますから。181
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ネタバレ「舌切雀」の「絵本を読んでいる大人のほうは、多かれ少なかれ見た目で大きいつづらを選んで"失敗した"という体験をしているんですね。」に思わず吹き出した。
読ませる本、家庭学習、受験、環境などについて井戸さんの質問に佐藤さんがバンバン応えて行く。
あまりにも内容が多岐にわたって盛り込まれているので消化するのに苦労する。
一度読んだだけではすんなり入ってこない。
というか、佐藤さんが示しているのはあくまでも入り口なのでこれを受けてどうするかと悶々としているというか。
「採用基準」といい本書といい、日本の未来はそうとうに厳しい見通し。
・教養は「読む」「書く」「聞く」「話す」4つの力。
・読む本のステップアップ
絵本→神話→偉人伝
名作(時代が違うもの)は映像と連動
同世代の小説で追体験させる
・「点数がいい」「理解できている」「頭がいい」ということはそれぞれ別のことと親が理解していることが重要
・「理論力」を身につけると国語の問題は8割できる
国語ができるようになれば、すべての科目の成績が上がる
・「テレビとゲームは敵」
・物事というのは、8割を超えた後、そこから完璧なところまで近づくいていくには、特別な努力が必要になるんです。逆に言えば、どんな問題でも8割理解していれば、だいたい対応できるんです。
・教養のある人は闘志を隠します。教養とは隠す力でもありますから。
・教育の最終的なところは、社会人の教育でも、子どもの教育でも、結局は「信頼醸成」に尽きると思うんです。
どうやって信頼される人間になるか。あるいは人を信頼できる人間になるかというのは、どうやって騙されない人間になるかということと「裏と表」なわけです。
・「その先に子どもの幸せがあるか」ということを考える。