井戸まさえのレビュー一覧
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佐藤優と井戸まさえ(民主党議員)の対談形式による、子供の教育に関する本。佐藤優は教育に対しても確固たる信念を持ち、歯切れ良く意見を述べている。ただし、自分に子供がいないためか、説得力に欠ける点も見受けられた。子供に読ますべき数々の本の紹介は面白い。
「(文章の)起承転結が問題。「転」は不要。起承転結で書いてしまうと、公務員試験も司法試験も全部落ちます」p78
「教育の最終的なところは「信頼醸成」に尽きる。どうやって信頼される人間になるか、あるいは人を信頼できる人間になるかというのは、どうやってだまされない人間になるかと「裏と表」なわけです。信頼について勉強する、信頼関係を構築できるということ -
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自分の周りに無戸籍の人はいない。幼馴染みにも、学生時代の友人にも、職場にも。なぜ断言できるかと言うと、戸籍のない人は小学校にも通えないし、働くにしてもマイナンバーカードとかの提出を求めない、雇用契約がしっかりしていないような職場でしか働けないから。まあまあ普通の人生をドロップアウトせずに歩いてきた自分には関わることのない世界だ。無戸籍の子どもは小学校行けないって時点で、ほぼ世間との関係を閉ざしてしまっているのと同じ。
だからこの本の中に書かれているような、戸籍のない人がいるなんてことは、レアケースなんでしょ?と思ってた。それが全然違った。いとも簡単に無戸籍になってしまうのだ。
そ -
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税金を考えるとき、高負担高福祉か、低負担低福祉か、という考え方は聞いたことがあった。アメリカは低負担低福祉。高負担高福祉で有名なのは北欧だろう。ちなみに日本は低負担中福祉と聞く。しかしそれは借金で穴を埋めているので、現実的にはいずれ破綻する。佐藤氏は高負担高福祉がよいと思うけど、日本では難しいという。なぜなら、人口が多すぎてフリーライダーが出てしまい、不公平感からシステムとしてうまくいかないから。あぁ、そうなんだぁというのがなかなか蒙を啓かされたところ。
小学校の教科書を使って、わかりやすく、社会について学ぶことができた。面白かったしね。 -
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本書は、作家の佐藤優さんと政治家の井戸まさえさんによる、小学校社会科の教科書を用いて、政治の基礎知識を身につけていくことを主眼に置いた対談本です。
今までに大人に向けて、小学校の教科書で勉強を勧める本を見たことが無かったので、その新たな視点に惹かれて購入しました。
内容としては、高等学校の政治・経済の教科書ではなく、なぜ小学校社会科の教科書なのかという理由が書かれた序章から始まり、国会、内閣、裁判所、憲法、三権分立、税金、選挙について、教科書の本分の一部を抜き出し、解説を進めていきます。
この本の特徴としては、それぞれの章で「表の教科書」と「裏の教科書」に分かれており、表の教科書では、教 -
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子どもの教育をテーマにした、知の巨人・佐藤優と国会議員・井戸まさえの対談。前半は比較的具体的に「書く力」や「読む力」、また「受験」などいくつかの項目に分けてそのポイントを佐藤優が説明する形。後半は『八日目の蝉』を題材に、そこから現代の家族関係の問題点を読み解いている。
対談という形式だからか、全体を振り返るとなんとなく焦点がぼやけてしまう。けれど個別具体的に詳細を見ていくと参考になる部分も多い。たとえばこんなところ。
◼️本は書き込みをしたり、ポストイットを貼るなどして、汚して読むというのが佐藤流読書術でしたね。それでこそ頭に入るのだと。
◼️p36-37 理屈で説明するのは難しい民族の特 -
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子どもに読ませたくない本は、人をバカにする本。43
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子どもは「自分よりわがままな存在」に出会って、はじめて自分の姿を客観視できるようになる。147
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女性の外交官のほうが自分の力に自信がある人が多いように思います。ただし、みんな気は強いですが。でも、気が強いのを隠す力はある。教養のある人は闘志を隠します。教養とは隠す力でもありますから。181
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人とは、他人に比べ操作し易い自己の判断を正当化する傾向がある。そのため、人生訓は必ず、その人の経験則に基づき、主観というフィルターを通して語られる。謙遜しながらも内在する、自己に対する圧倒的自信。本著曰く、隠す事も教養。しかし、この立場から語られる教訓は、かなりの歪みを持つ危険性があり、本著もそこを脱せない。
つまり、語られるのは、佐藤優が咀嚼し、胃袋で消化した価値観と言葉だ。
私の価値観とは、例えば、次の事が異なる。習い事は、不要ではなく、あればベターなものだ。予備校は、行った方が良いとは思わない。テレビは必要とは思わないが、ゲームは依存しない限り、やった方が良い。これらは、私自身の生き