沖守弘のレビュー一覧
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本書は、写真家・沖守弘氏(1929~2018年)が、1974年以来取材したマザー・テレサの活動とその素顔を、1984年に数多くの写真とともに発表したもので、46刷(2019年1月時点)となるロングセラーである。
マザー・テレサ(本名:アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ)は、1910年にオスマン帝国時代のユスキュプ(現・北マケドニアのスコピエ)でアルバニア系の熱心なカトリック教徒の両親のもとに生まれた。12歳のときに、神父から、インドには貧しい人びとがたくさんいて、そうした人びとのために働く召命というものがあることを聞いたことがきっかけとなり、18歳のときにアイルランドのロレット修道会に入り洗礼を受け -
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74のメッセージがあり、それについての解釈やエピソードがそれぞれ語られる、という形式。
彼女が立ち向かった貧困の問題は簡単なものではない。、
それでも大事なことは状況や環境ではなく、それから学べることをマザーテレサがどう汲み取ろうとしたのか。一つ一つの行動は手段でしかなく、大事なのはその先。何を守ろうとしたのか。何を貫いたのか。
人は、大切にされたらうれしい。そして人を大切にするのは何よりの喜び。
その生き方に、迷い苦しみながらも辿り着いたことに、強い憧れを抱く。
姿勢に学ぶ、人としてのあり方を知るとは、こういうことなのだと気づかせてくれる。腐りかけた時に、心に染み渡る本 -
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”人間にとってもっとも悲しむべきことは、病気でも貧乏でもない、自分はこの世に不要な人間なのだと思いこむことだ。”
あ~確かにそうなのかもしれない。twitterで「~なう」っていう表現が流行っていたらしいけど私個人的には疑問に思ってた。あなたがそこにいることを自分が知らない人に配信して面白いのかな~って。でも、きっとそれを知らせて自分が知らない人でも返信してくれたら、自分の存在意義を見いだせて嬉しいのかもしれない。twitterを書く人が返信を期待しているのか、期待してないのか知らないけれど。こう書いても、私はtwitter自体を否定しているんじゃない。有力な情報や、プッて笑っちゃうような「つ -
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不親切で冷淡でありながら奇跡をおこなうよりは、むしろ親切と慈しみのうちに間違うほうを選びたい。飢えている人がいます。でもそれはパンがないためではありません。だれかの”自分”でありたいという思いが満たされない飢えなのです。物の量より愛の量なのです。ノーベル平和賞授賞式にて。私はみなさんが考えておられるような受賞者にはあたいしません。世界のもっとも貧しい人びとにかわって章をうけました。私には、受賞の晩餐会は不要です。どうか、その費用を貧しい人たちのためにお使いください。いい話。よい話。心がすうっとキレイになる。これに遭遇する度に読書をしていてよかったと思う。
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まだ無名だった頃からマザー・テレサの活動に密着取材を行って
いた日本人カメラマンによる著作である。
路上に捨てられた子供の施設、誰にも看取られずに死を迎えようと
する人には死を迎える為の家を、そしてらい病患者とその家族には
自立しての生活が出来る村を作り、インドの最も貧しい人たちの
救済活動に一生を捧げたマザー。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心」。
誰にも必要とされていないと感じている人々に、底なしの愛情で
接するマザーとシスターたちの活動が文章と写真でつぶさに綴られ
ている。
ノーベル平和賞の授賞式には普段のサリーとサンダル姿で出席し、
晩さん会の費用は貧しい人々の為に使って欲し