大西孝弘のレビュー一覧
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EVを巡る自動車業界、世界の構図がよく分かる良書。若干日本車寄りだが、日本人著者として当然かと思うし、トヨタに対する目線は、EVへの出遅れ感と本気出せば盛り返せるという慢心、EVの独壇場なんでまだ決まっていないという、バランス感というかファクトベース、定まらぬ業界の状態を素直に記したものと感じられる。
例えば、化石燃料で発電した電気を使って走るEVはCO2排出量の削減に寄与しない。ハイブリッドに切り替えた方が効果がある。全くの正論だ。しかし、欧州を中心とした取材ではっきりと見えた事は、世界的なEVシフトの1番の目的は、環境保護ではなく、産業育成と雇用の創出にあると言うことだ。EVシフトの背後 -
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スピード感のある孫正義の経営の展開の「足跡」を
よく見つめて、どこに依拠しようとしているのかが、
わかる作品となっていて、おもしろい。
孫正義のスケールの大きさが、伝わる。
そして、更に大きくなろうとするどん欲さをも描ききっている。
「志高き挑戦者」として ジョブスをこえ、
信長、龍馬、チンギスハーンを越えるために、何をするのか?
なにが 孫正義なのか ということを孫正義が問うている。
「目標が低すぎないか?平凡な人生に満足していないのか?」
ソフトバンク社外取締役の柳井正は、
「なんでも欲しがる」「膨張ではなく、成長を」
「虚業ではなく、実業を」と言っている。
またに、正鵠をえた 指摘であ -
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ソフトバンクの孫さんについての本。これまでにも孫さん関連の本は『志高く』、『幻想曲』、『孫正義の参謀』、『ソフトバンク「常識外」の成功法則』などを読んでいるので、ある程度辿った経緯は知っている。同じ業界にいるわけだし。
一方著者は、「本書で書きたいことは二つある」という。その理念と経営手法だと。どちらも、近年特にスプリントの買収以降見えづらくなっているという。つまり単なる伝記ではないということだ。
経営手法でいうと、通信から電力、ロボット、などにも手を広げる。また、アローラ氏を招聘したことからもわかる通り、全世界でのIT投資を活発化しようとしている。また、買収したスプリントの行く末も気になる -
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ネタバレトヨタの売上の1/3を占めるアメリカと中国だが、EVシフトによりエンジン車の売上を確保できなくなる可能性がある。
エンジン車の販売禁止規制によって、エンジン車が売れなくなる可能性がある。
EV車は航続距離の問題があるため、充電ステーションを十分に確保できない山間部やアジア、アフリカではHV車や再生燃料車、エンジン車の需要が残る可能性がある。
EV車ビジネスは、技術的に車体製造の参入障壁が低いことから、ソフトウェア販売や電池製造で利益を確保する必要がある。発電プラグの特許、使用量など。
EV車はエンジンスペースを必要としないため、自由な座席レイアウトを可能にする。1-3-2など。空気抵抗 -
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EVの動向について日系だけでなくVW、ボルボみたいな海外メーカーのEV戦略についても詳細に記述されてたのが良かった。
VWアゲしてたわりに、VWがEVで勝てなくて工場閉鎖してるの見るとなんとも言えなくなったけど。
EVの駆動に必要なモーターはエンジンに比べて技術的な難易度が高くなく、メーカーによって差も出づらいから、ハードは外注して、ソフトウェアやデザインなどに経営資源を集中投下した方がこれからの時代強いのかもとボルボなどの例をみて思った。
でも情報系の学部卒業して自動車メーカー入ろうって思う人はどれくらいいるんだろう、やっぱり当分の間は大半か工学系だろう。ホンダとソニーのケースみたいにソフ -
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日経番記者の著作なので若干提灯記事的な趣はあるものの、いまの孫正義とソフトバンクをうまくまとめた本といえよう。
幾度も危機にさらされ度毎に不死鳥の如く復活、いやそれ以上の飛躍を遂げてきた孫正義氏。どんなピンチでもある種の余裕と冷静さを兼ね備えていた。ソフトバンクは経営的にはいまが最も安定しており国内有数の成長株にみえる。しかし、足元に米国や中国のリスクは抱えているものの、それとは違う鬼気迫る迫力をいまの孫正義氏に感じることができる。まさに焦燥という言葉が相応しい。安泰を停滞と捉えビジョンの実現までの逆算を明確にイメージし邁進を続ける孫氏のバイタリティはどこから来るのか。国内を代表する稀代の経 -
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日経BP記者が本人や関係者(社外取締役の柳井正など)インタビューなどを踏まえて孫正義の経営手法についてまとめられた一冊。
著者が自らが冒頭で述べているように、佐野眞一「あんぽん」を始め、類書が孫正義の出自に着目することが多いのに対して、本書では経営者としての孫正義の姿を描き出すことに成功している。章立てはPepperに代表されるロボット事業、スプリントによる北米通信事業、国内通信事業、エネルギー事業などの事業別の構成パートと、孫正義を支える優れた経営幹部の姿や後継者問題などに分かれている。
後継者問題に関しては、ニケシュ・アローラの存在が話題になっているものの、真の後継者ではなく、あくまで -
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ネタバレ<メモ>
「VW」
・世界的なEVシフトの一番の目的は環境保護ではなく、産業育成と雇用の確保
・EPAは32年モデルの乗用車のうちEVが67%占めると見込み、約920万台相当
・25年以降の第3世代のEVは、用途に合った乗り心地や社内の機能をソフトウェアで定義する。E/Eにソフトウェアで車両の機能を定義していく体制は、これまでの開発体制を根本から壊して、ソフトウェアを中心に各部署が一体となる必要あり。車両開発の多くをサプライヤへ委託してきたため、EVに合わせたBMへの変化が難しい
・ドイツ政府とVWは一蓮托生。中国市場の好調とSUVの好調で、原資を確保し投資を積み重ねていく。この断面では既存車 -
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ネタバレ2020年から、ロンドンでEVが増えた。
欧米中でEVシフトが鮮明。
化石燃料を使った電気で走るEVより、HVのほうがCO2削減効果があるのは事実。正しいことを議論するのではなく、現実に対処する。
自動車産業の主役は、テスラ、BYD、VW、トヨタ。
EVは世界の販売台数の10%程度。
テスラとBYDは、オンラインで直接販売する。電池や半導体を外販する。
トヨタとVWは、垂直統合システム。EVのモデルを確立できていない。
VWは元国営の保守的な会社で、ディースは相いれなかった。
アウディは新型車をすべてEVにする。
ヨーロッパの2035年規制の中で、eフュエールが認められた。コストが高いので、H