山口雄也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021/08/01リクエスト 2
病は決して不幸そのものではない。患者を可哀想だと言ってくれるな。
僕は僕の生き様を残し伝えていくから、あなたはあなた自身の命について考えてほしい。
僕は、今の僕が好きだ。がんになり、自分の思いを綴り、そして自らの人生について深く考えることのできる自分が。
19歳で癌に、しかもとても珍しい胚細胞腫瘍になってしまう。
データからは、一年以上生存している人を見つけられない、そんな苛酷すぎる病。
何度も読んでいて、また再発、また再再発、その中で大学に通い課題も出し、旧知の友や、病院内で親しくなった人の訃報を知る。
最後の選択は、
死ぬかもしれないA、死ぬかもしれないB
どちらを選ぶか?
というもの。
悩み、死ぬかもしれないBを選ぶ。それは母親にドナーになってもらうという親にも体力的な負担をかけるものだった。
その後もまだまだ過酷すぎる治療が続くが、ラストはなんとかいい風に収まる。
彼の書いているいろいろな例えは、ちょっと難しく自分には理解できない部分もあったが、気持ちの揺れは、完全にわからなくとも、見えるように伝わってきた。
彼に選べる治療法を与えられたこと、そのチャンスに乗れたこと、そして命を繋げたこと、本当に嬉しく思う。
選べず亡くなっていく人もいることを思うと…
もうすぐ私事だが、妹の9回目の命日がやってくる。あっという間に亡くなった妹の姿がチラつき、辛いことをたくさん思い出した。
でも彼の比ではない。
頑張らなくていい、病を切り離せないならうまく共存して、長く命をつないでほしい、そう心から祈ります。 -
Posted by ブクログ
山口雄也さんが6月6日亡くなった。
ある日突然、僕のTwitterアカウントのおすすめに飛び込んできた彼。がんと戦う彼のツイッターがなぜおすすめされたのかはわからないが、末期の大変厳しい状況の中で文字どおり懸命に生きようと、生き切ろうとする彼のツイートの切実さから目が離せなくなった。
そして、つい3日前、雄也さんの父親の代理のツイートで亡くなったことを知った…
この本は大学1年の冬に突然、胚細胞腫瘍というがんを宣告され、入退院を繰り返した山口さんの闘病記だ。2020年3月までのブログを基に構成されている。
「がんになって良かった」は、病気としての「がん」という側面でなく、限りある人生を悔いなく生きるきっかけの「がん」としてなって良かった、ということ。
山口さんが、初めてがんになって、数ヶ月に及ぶ抗がん剤治療を受け、最後に十時間を超す難手術を受けるの前夜に、これまでの厳しい道のりを思い出しながら記したもの。
この言葉に対し、世間からは心のない中傷を浴びせられたという。
ー 癌になって良いはずがないだろう
ー 強がりだ
ー それは生きているから言えることだ
ー 私の母は死にました
ー 癌になって良かったですね
これらは、「病気は悪」で他人事と思っているからこその言葉ではないか、と思う。著者も「考えぬ葦の戯言だ、お前もいつか死ぬぞ」と思ったという。まさしく。
山口さんは、死の領域に足を踏み入れた者だけが手にし得る世界の眺めがあるのだという。彼らを可哀想だという人間は、きっとその美しさがわからない。
健常者も病人も、お互いの存在が心のどこかにある、そんな相互の支え合いこそ「愛」だという。
オアシスは「Live Forever」で「永遠に生きていたい。死にたくなんかない。」と歌う。それは叶わない。誰しも死ぬ。
この世には、だからこその美しさがある。
がんになってない人もがんから目を背けないことでこの世の美しさに近づけるのではないか。生きていくことの素晴らしさに少しでも気がつくことができるのではないか、と思った。
山口雄也さんの冥福をお祈りします。 -
ネタバレ 購入済み
正解のない話
作者の訃報をツイッターで聞いて
タイトルについて、考え込んでしまう。
『「がんになってよかった」といいたい』
壮絶な治療を得て、元通りの生活にもどることができたのなら
タイトル通りそうだと思う…。そして、この本を描いた時、出版されたとき
作者自身は快方に向かっていた時期だ。
しかし、そのあとに再び再発。
Twitterやプログなどをときどき読んだが
壮絶な治療の果てに待つのが、今度はどうしようもない「死」で…
亡くなる一週間前に、補助付きで歩いてる動画をアップしていた。
目はたしかに、生きることを諦めてなかったと思う…
Twitterやプログと合わせて記憶に残る本になった。
正解のない話。
ただ、やはりがんにはなりたくない…って思った。