そういや携帯系の実際のことは全然知らないなと思って読んだ。
大人の書いたもんだから警戒しながら。
そしたらちゃんとまっとうな大人の書いたものだった。
自分は大人だから、知らないから、きちんと知ろうとして話を聞きにいく。
自分でも試して、自分の位置から見えたことを自分の言葉で語っている。
大人が(大人
...続きを読むの安心ではなく)子どもの安全と幸せを考えて大人向けに書いた本。
私は携帯ツールをほとんど使わないし、中学生でも高校生でもないから描かれる世界はまったくわからないんだけど、でもこれ知ってる。こういう世界は覚えがある。
プロフや携帯がないと仲間になりにくいってのは、自転車に乗れなくて(仲間はずれにされてるわけじゃないけど)お声がかかりにくかったのと同じことだろう、とか。
そもそもの前提からして共有できてない大人に助けを求めたり相談したりなんてするわけないだろう、とか。
たぶん基本的なところは変わってない。
「コンピュータウイルスは手洗いうがいで防げますか」みたいなノリで携帯を的外れに取り締まるのではなく、危ないならどう危ないのか、どうすれば防げるのかを考えようって声が大きくは聞こえない中で、こういう地に足のついた本が読めるのはうれしい。
防げなかったときはどこに助けを求めればいいか(どうやって救いの手につなげるか)まであればもっと良かった。
ネットに固有の問題なんて、ここが公の場所だってことを実感しにくいことくらいだ。
そこだけきちんと抑えておけば、あとは憶測でものを言ってはいけませんとか、公共の場でプライベートを垂れ流すのは危険ですとか、嫌なことは断っていいとか、聞ける関係性の作り方とか、そういう基本的なことをきちんと教えるだけでいい。
そこが一番難しい。
本気で向き合わなきゃいけないから。
本気で向き合うだけでいいんだけど。