小黒一正のレビュー一覧
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雇用問題、社会保障、政治参加、子育て 教育 家族の4つの分野に分けて現在の世代間格差、主に若者が損をしている現状をわかりやすく紹介している。OECD諸国間でのデータをきちんと提示しての論考なので説得力がある。
政治的なパワーの弱い若者が多数決の民主主義ではどうしても不利になってしまう。しかし長期的な社会のあり方を考えていくのなら次世代につけを先送りばかりするやり方は具さく以外の何物でも無い。
それがわかっていてもなかなか実現できないところに既得権益克服の難しさを感じる。
筆者たちが提言しているワカモノマニフェストはラディカルだが、既得権益に縛られずに純粋に崎の世代のことも考えた公平な政策という -
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雇用、社会保障、政治参加、子育て・教育・家族の四つの課題に対し、世代間格差という切り口からワカモノマニュフェストを提言した一冊。政治参加、ユースデモクラシーの構築の箇所が興味深い。シルバーデモクラシーの現状、0~30代までの人口割合は44.9%だが、その年代の国会議員は8.8%。60代以上の高齢者の人口割合は28.1%に対し、その年代は41.0%(2008年人口推計よりデータ作成)。対策として、若者参画基本法、若者担当大臣、世代別選挙区、若者クォータ制(割当)etc。また社会保障における利害調整機関として、省庁の上位機関、独立機関(ex.日銀)としての世代間公平委員会、ベース財源の確立は至極全
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ネタバレシルバー・デモクラシーに警告を鳴らし、持続可能な社会の実現を目指すための世代間格差の是正を提言する本。具体的な政策の提言が数多く記載されている。他国で導入されていて実績のあるものが多く、絵空事ではないと思った。
・雇用問題では「金銭解雇を含めた解雇ルールの明文化」「同一労働同一賃金」の法制化
・年金問題では「年金の事前積立方式の導入」「政府から独立した世代間公平委員会の設置」
・政治改革では「地方自治体における選挙権年齢の引き下げ」「被選挙権年齢の引き下げ」
・子育て・教育問題では「教育バウチャーの支給」「給付付き税額控除の導入」 -
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経済学は素人レベルの私ですが、「年金保険料負担と受取額は、80歳以上で、6.8倍、今の20代で1.6倍で明らかに不均衡」その年代の方々が生きてきた時代の物価が、インフレかデフレかを勘案しているのか。単純比較できないのでは?「日本国民の年齢の中央値は42歳。若者の意見は通りにくい」20歳以上の年齢の方のみの中央値を見ているか?「将来の年金負担を隠れ債務と考えれば日本は破綻状態」将来国庫に入るべき年金保険料を対応させてカウントしなければそうなるでしょう。企業会計をそのまま当てはめるのは違和感が。「世代間(負担)調整委員会を国の機関として設けよ」メンバー選出、権限の付与、などいかにも難しそう。世代内
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ネタバレ[ 内容 ]
公的債務が膨らみ続ける日本…。
財政は債務超過状態に陥り、破綻の危機が迫る。
残された時間は少ない。
どんな手を打つべきなのか。
気鋭の研究者が、財政危機の現状を詳細に説明し、社会保障制度改革など再生のプランを具体的に提案する。
[ 目次 ]
第1章 財政破綻はいつ起こるのか?
第2章 債務超過の日本財政
第3章 「埋蔵金」で問題は解決しない
第4章 縮む日本経済、進む世代間格差
第5章 「崩壊する社会保障」の再生プラン
第6章 いまこそ世代間の公平を実現せよ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリ -
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ネタバレ経済学や政治学等の分野における気鋭の若手の学者さんたちの共著。世代間格差をデータとして示し、それが顕著である領域において各著者が提言を述べていた。雇用の流動化、社会保障の積立・税の財源化、若者の政治参加、子供の福祉への重点化など提言のポイント自体は、既視感を覚えるものだった。ただ気になったのは、社会保障の箇所で提案されていた世代間公平委員会である。これは、これからの未来を持続的に発展・豊かにする上で必要であると共感したが、その民主主義という枠組みを超えた「硬直」的なシステム作りへの懸念もある。世代や利益などの定義、考慮する世代の範囲、委員会の政治プロセスなど関しては時代や社会背景に応じて、その
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ネタバレ今月読んだ本について感想をつらつらと。
1.「世代間格差ってなんだ」 著:城繁幸、大黒一正、高橋亮平 PHP新書 2010年
タイトルどおり日本人の若者やご年配、さらには将来世代の間の「格差」を明らかにして、大きく以下の4つの「格差」をテーマに、格差是正の方法を主張している。
1.雇用問題
2.社会保障
3.政治参加
4.子育て、教育、家族
感じたことを纏めた。
1.雇用問題
この章ではおなじみの「終身雇用」と「年功序列」が今の若者にとって非常に不利に働いているということを述べている。若者というより、非正規や50代以上の転職者など、いわば日本の社会人の「王道」のレールから(望む望まないに -
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ネタバレ①デフレ脱却:受給ギャップが原因・被価格競争を目指すべき・
②日本経済復活:人口減少・労働生産性の定価と構造的もんぢを抱えている。製造業のさうまいるカーブ・官学の連携・海外企業の誘致
③歳出削減:日本の歳出はムダがほとんど削減され無駄がない。政府の多額の資産はほとんどが売却困難。税収が歳出の半分以下と恒常的に不足している。
④財政破綻論:国債を国内で消化→償還のための税負担は将来世代が負担をする。豊富な国内貯蓄→高齢化に伴う貯蓄の伸び悩み。銀行や金融機関の安定的国債消化→安定的な投資家ではない、低金利の保証もない。中央銀行の通貨発行→急激なインフレ
⑤経済成長論:歳出削減・増税の必要性有り。財