石橋克彦のレビュー一覧
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人間の歴史を地球の歴史という尺度の中においてみると、時々の人間が作り出す常識というものがいかに限定的なものであるかというのが、地震学のような時間軸の長い研究をしている人から指摘されると、説得力がある。
日本における比較的近い時代の「大地動乱」の時代は、幕末から始まり、関東大震災で一つの区切りをつけた。その後は相対的な安定期に入り、日本の高度経済成長は土地との関係でいえば、そうした限定的な安定のなかで実現されたものだという。原発に対して、著者が厳しく批判するのも、大地が比較的平穏であった時代にでき、動乱の時代というものを射程に入れた運用についてきわめて脆弱な考えと方法と技術しかもっていないからだ -
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ネタバレ残念ながらこうなってしまった現在、日本に住む人すべて、読んだ方がいい本だと思う。なお、本の提言は、首都圏集中をやめて分散型社会を目指すこと。私は、自分個人ができることとして、その動きを全力で応援する。
私にとって、この本のすごいところ。読むのに大変な勇気が要ったので、今回は多めに書いておく。
1。過去に関東、東海域を襲った地震を中心に、幕末からの時代を読み解いている。とりわけ、幕末から関東を襲ったというそれぞれの地震について、各地名で(水道橋、丸の内、品川など。。)揺れ具合、建築物への影響、火災などの二次災害について記録が豊富かつ丁寧に紹介されていること。
2。過去の大きな地震前後の、政 -
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主に東海・関東地方の地震の歴史とメカニズムについて解説した本。安政の東海地震から大正の関東大震災までを活動期とし、それ以降は静穏期が続いたとする説を中心に、詳細な歴史的事実を追い、プレートの理論と推論で解説している。主な大地震の発生域を地図で示し、それぞれをプレートのメカニズムで解説し、沈み込み速度やすべりの長さ、繰り返し周期を分析している4章はわかりやすかった。
1986年の大島噴火の後、2000年には三宅島も噴火したが、これらが「前触れ」の可能性があると著者が示唆している小田原地震は起きていない。著者も認めているとおり、小田原地震のメカニズムは複雑で、この本を読んでもよくわからなかった。 -
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前半(第1部)は、南海トラフ巨大地震の危険性について、「あれもある」「これもある」といった記述が続いたこともあり、くどさを感じ、読むのがしんどかったですが、後半(第2部)は、「では、どうしたらよいか」に重点が置かれて書かれていて、読みやすくなりました。
「では、どうしたらよいか」の部分については、現場の声を反映したものがどうか怪しいので(著者の専門外の領域に関する記述が多いように思われるので)、すべてを信じるわけにはいかないかもしれませんが、検討に値する意見だとは思いました。
いずれにしても、アフターコロナを見据えなければならない今、リニア新幹線を推進する合理的な理由は何もない気がします。 -
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ネタバレ前半は日本における(特に近世以降、記録に残っているものを中心とした)地震史。そして後半は地震というもののメカニズムについて述べられている。
さらに前半の中心となっていることがらは元禄以降、関東~東海地域にかなり大規模な地震が群発し、それが最終的には関東大震災という大惨事でフィナーレを迎える。そしてそれがひいては昭和の恐慌、植民地~軍国主義の台頭、さらにそれが太平洋戦争へとつながり、これもまた原爆投下という悲惨なフィナーレを迎えたというわけだ。
ただ、その後鎮まった大地の恩恵も受け、日本は未曽有の経済的発展を遂げる。そのピークがバブルを過ぎ、勢いを失うことが恒久化してきたここしばらくの間、大