◎日本が選ぶべき医療とは?
海外と日本の医療制度や国民性を比較しながら、これからの日本が選ぶべきはどんな制度かを問うた本。
日本の医療とそれを支える国民皆保険制度は、海外と比べるととても大きな違いがあるということがとてもよくわかるように、丁寧に説明してある。
これから高齢化社会に向かっていく日本は、
...続きを読む今のままの制度を続けていてよいのか?海外制度の導入が必要なのか、それとも別のパッケージが必要なのか。
こうした様々な疑問と論点を解説しながら、各章のまとめに代えて、「選択の論点」を用意し、読者に考えさせてくれる。
結論を言ってしまえば、終章で
"弱者や恵まれない人々が悲惨な目に遭わないような社会をつくろうとしてきたのが、戦後の日本社会であった。そのことを、若い世代の人たちにも理解し継承してもらうことが、今後の医療や社会保障の持続のために必須の条件であろう。(p224)"
と語られている。
この分野のことは詳しくないが、(仮にこの結論を鵜呑みにしなかったとしても)日本と海外の制度について課題が書かれており、医療関係者ではないが理解しやすかった。