田中仰のレビュー一覧

  • 監督、神になる 池田高校 記憶の衝突

    Posted by ブクログ

    1980年頃に徳島県の池田高校が高校野球でブレークした事を覚えておられる方は多いのではないでしょうか。当時池田高校の監督であった蔦文也氏の実像に迫るノンフィクションです。

    著者は当時の選手、野球部関係者、などの証言を辿ります。冒頭、元部員が新聞社に出そうとしていた「金の亡者だ」という趣旨の告発文を目にする著者。その裏付けを取る取材を開始するのですが、対象は徳島の田舎町を一躍有名にした地元の英雄とも言える蔦氏。蔦氏は亡くなってすでに20年が経ちます。その名声を貶める可能性のある証言を求める取材の様子からは張り詰めた緊迫感が伝わって来ます。

    「優勝して人が変わった」、「お金に執着して講演会ばかりで野球の指導をしなくなった」等の批判的な証言が出てくる一方、予算の限られた田舎の公立高校が”甲子園に出場する”ために必要とされる莫大な金額のお金をどう調達していたのかという視点からは、”勝たなければ甲子園に出られず、そのためには金がかかり、甲子園に出ればさらに金がかかる”という苦しい状況を蔦氏は講演料で賄っていた、という事実も浮き彫りになります。
    著者は最終的には冒頭のネガティブな見方と、英雄視される見方を一つの人物像へと昇華させていて、蔦氏を悪人にしていない結論にホッとする読後感でした。

    あれだけカリスマ性のあった蔦氏ですから、関わった人の受ける印象は様々であるのは想像できます。しかし、その振れ幅の大きさ、高校野球に関わる”お金”という現代にも通じる負の側面を詳らかにする本書、本書の帯にも明記されているとおり蔦氏の人物像に迫る一種のミステリーという印象も受けました。

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    2026年09月11日
  • 監督、神になる 池田高校 記憶の衝突

    Posted by ブクログ

    人のイメージなんてだいたいこんなもん。
    誰からも良いイメージで語られる人なんてそうそういない。光の部分もあれば闇の部分もある。ましてや高校野球という異世界に身を置く人ならなおさらだろう。

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    2026年08月29日
  • 監督、神になる 池田高校 記憶の衝突

    Posted by ブクログ

    金の亡者か稀代のカリスマか。
    高校野球史上に名を残す徳島県は池田高校の名将蔦監督。高い評価と裏腹に一生徒からの告発文。特攻隊崩れから草創期のプロ野球で夢破れ山間の高校の教師に。20年過ぎてから高校野球の強豪校へ。
    元コーチ、選手などへの取材から明らかになる名将の実像とは。

    良くも悪くも、筆者の中で素材を消化しきれず迷いが感じられる。
    高校野球のスリリングな試合展開など皆無であり、読者を選ぶ内容かも。

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    2026年09月20日