【感想・ネタバレ】監督、神になる 池田高校 記憶の衝突のレビュー

あらすじ

蔦文也監督とは何者だったのか?

◎スポーツ総合メディア「NumberWeb」で1100万PV突破の大人気連載を経て、完全書下ろしで待望の書籍化!◎

「カネはやめられん」
《昭和の甲子園を支配した“高校野球の神様”は、聖人か、守銭奴か?》

甲子園優勝3回、準優勝2回。
「さわやかイレブン」「やまびこ打線」で知られる徳島県立池田高校を率いた蔦文也監督は、日本で最も愛された高校野球監督だった。
しかし池田はその後甲子園から姿を消し、蔦が人前に現れることもなくなっていく。
◎池田高校はなぜ甲子園から消えたのか?
◎蔦文也は本当に英雄だったのか?
蔦の死から25年が経った今、現地を取材すると「酒好きの豪傑監督」「金好きな欲望ジジイ」など証言者によって人物像は二転三転していく――。
親族、袂を分かった元コーチ、拝金主義を批判する告発文を書いた元球児などへの取材から、池田の真実、そして“神様になった監督”の正体に迫るミステリーノンフィクション。

《本書に登場する証言より抜粋》
「金の好きな欲望ジジイ」――当時の教え子が綴った未公開投書文
「正直言うて、指導力っちゅうのはないね」――川原良正(黄金期を支えたコーチ)
「お寺にはようけ寄付しました」――蔦隆司(次男)
「野球が大好きな、普通のおじいちゃんなんです」――江上光治(甲子園連覇時の主将)
「蔦さんを悪人にはせんといてください」――梶田茂生(86年センバツ優勝投手)


《目次》
序章 白い顔――ある高校教師の死/雨の告別式
第1章 発端――元教え子の告発文/炎上した連載記事
第2章 写真の青年――特攻隊で2度の出撃命令/「父を変えたのは戦争」
第3章 田舎の奇跡――酒に溺れた若き日/「神様になった」甲子園優勝
第4章 甲子園と金――年間4500万円の寄付金/私財を投じた寮建設
第5章 英雄の異変――決別した元コーチ/生徒に迫った“進路の踏み絵”
第6章 告発の行方――告発文を書いた元球児/「講演行ったら50万じゃ」
第7章 反論――食い違う証言/2棟の“マンション”
第8章 一つの答え――生徒との“心の溝”/監督勇退の真相
第9章 神様――「ダメなジジイ」の成長/屋根裏部屋の聖書
終章 あの日の記憶――娘との熊本旅行/最期の肉うどん

《著者プロフィール》
田中仰(たなかあおぐ)
1992年生まれ。2021年から文藝春秋「NumberWeb」編集部所属。ウェブメディアを中心にスポーツ関連のルポやノンフィクションを多数執筆する。本書が長編ノンフィクションデビュー作となる。

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Posted by ブクログ

1980年頃に徳島県の池田高校が高校野球でブレークした事を覚えておられる方は多いのではないでしょうか。当時池田高校の監督であった蔦文也氏の実像に迫るノンフィクションです。

著者は当時の選手、野球部関係者、などの証言を辿ります。冒頭、元部員が新聞社に出そうとしていた「金の亡者だ」という趣旨の告発文を目にする著者。その裏付けを取る取材を開始するのですが、対象は徳島の田舎町を一躍有名にした地元の英雄とも言える蔦氏。蔦氏は亡くなってすでに20年が経ちます。その名声を貶める可能性のある証言を求める取材の様子からは張り詰めた緊迫感が伝わって来ます。

「優勝して人が変わった」、「お金に執着して講演会ばかりで野球の指導をしなくなった」等の批判的な証言が出てくる一方、予算の限られた田舎の公立高校が”甲子園に出場する”ために必要とされる莫大な金額のお金をどう調達していたのかという視点からは、”勝たなければ甲子園に出られず、そのためには金がかかり、甲子園に出ればさらに金がかかる”という苦しい状況を蔦氏は講演料で賄っていた、という事実も浮き彫りになります。
著者は最終的には冒頭のネガティブな見方と、英雄視される見方を一つの人物像へと昇華させていて、蔦氏を悪人にしていない結論にホッとする読後感でした。

あれだけカリスマ性のあった蔦氏ですから、関わった人の受ける印象は様々であるのは想像できます。しかし、その振れ幅の大きさ、高校野球に関わる”お金”という現代にも通じる負の側面を詳らかにする本書、本書の帯にも明記されているとおり蔦氏の人物像に迫る一種のミステリーという印象も受けました。

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2026年09月11日

Posted by ブクログ

人のイメージなんてだいたいこんなもん。
誰からも良いイメージで語られる人なんてそうそういない。光の部分もあれば闇の部分もある。ましてや高校野球という異世界に身を置く人ならなおさらだろう。

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

金の亡者か稀代のカリスマか。
高校野球史上に名を残す徳島県は池田高校の名将蔦監督。高い評価と裏腹に一生徒からの告発文。特攻隊崩れから草創期のプロ野球で夢破れ山間の高校の教師に。20年過ぎてから高校野球の強豪校へ。
元コーチ、選手などへの取材から明らかになる名将の実像とは。

良くも悪くも、筆者の中で素材を消化しきれず迷いが感じられる。
高校野球のスリリングな試合展開など皆無であり、読者を選ぶ内容かも。

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2026年09月20日

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