読売新聞西部本社文化部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
以前から「左脳は手塚治虫、右脳は梶原一騎に育てられた」と公言していました。右左の是非は置いておいて、自分の人格形成に『巨人の星』と『あしたのジョー』が与えた影響は計り知れないものでした。でも考えてみたら梶原一騎というよりは「川崎のぼる」と「ちばてつや」がGペンで描き出すビジュアルに引き込まれたのだと思います。もちろんアニメの力も大きかったけど、先ずは少年マガジンの絵をうっとりしてみていたのだと思います。本書に多く掲載されている画像を見ていろいろ思い出しました。連載初期の表紙の飛雄馬にもうっすら記憶あります。それは友人に借りた号でしたが返すの嫌だったなぁ…。そして最終回の左門の結婚式を見届けて協会の十字架の影を背負って去っていく飛雄馬の後ろ姿。発売日にすぐ買って友人と一緒に食いいるように見つめ続けた小さな書店の前の光景がフラッシュバックのように蘇りました。こうやって思い出すと連載時の66年から71年の5年間は自分にとっては大変化の時期でした。不良少女の京子の着ているTシャツの胸の膨らみから目を離せなくなったり…まさに第二次性徴期ど真ん中だったのだと思います。そんな読者にとって「川崎のぼる」の漫画家としての画力の成長期がシンクロしたのだと思います。そういえばこの本の表紙になっているモノクロの飛雄馬は1970年の横尾忠則の手がけたマガジンの表紙の原画のはず。子供が直接に大人になるのではなくティーンエイジャーという季節を経ることが当たり前になった時代の並走者が「川崎のぼる」だったのかもしれません。『巨人の星』以降の作品がなにか夢中になれなかったのもなんか自分で分かったような気がしました。しかし、本書には「おっ!」と思うようなネタ満載です。例えば引の画面に登場する白い鳥とか枯葉とかは永島慎二由来だとか、水島新司が漫画で正面から顔を描くようになったのは、『巨人の星』が初めてだ、という指摘をしたこととか…。まったく関係ないところで山手の「ドルフィン」の創始者が山川惣治だったとは!もう一度『巨人の星』読みたくなったなぁ。でも段ボールに詰めてどっかに押し込んでいる『ジョー&飛雄馬』引き摺り出すの面倒だなぁ。