水野慎士のレビュー一覧

  • 育成年代のプレーヤ―の判断力を伸ばすバスケットボールトレーニング

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1.「正しい判断」の上に「正しい技術」が積み上がる
    指導者は、技術だけを切り離して教えるのではなく、まず「どのような状況で、何を選ぶのか」という判断を大切にする必要がある。
    どれだけ正確なパスやシュートの技術を持っていても、使う場面やタイミングが適切でなければ、試合の中では十分に生かせない。
    「正しい判断」が土台にあり、その上に「正しい技術」が積み上がっていく、というイメージを持って指導したい。

    2.早熟な選手の目の前の結果だけに満足しない
    育成年代では、身体の成長が早く、フィジカルやスピードに優れた選手が得点を取ったり、試合で結果を出したりすることがある。
    しかし、指導者はその結果だけを見て満足してはいけない。また、選手自身にも、現在の身体能力だけで通用している状態に満足させてはいけない。
    将来、周囲の選手との身体的な差が小さくなったときにも活躍できるように、状況を見る力、プレーを選ぶ力、技術を使い分ける力を育てる必要がある。
    今勝てているかではなく、その選手が将来も成長し続けられるか、という視点を持つことが大切である。

    3.選手の判断に、指導者はどう関わるか
    第4章の、指導者や保護者の在り方については、もう一度丁寧に読みたい。
    特に難しいと感じたのは、選手のプレーに対する「判断」の扱い方である。
    指導者が一つの正解を決めつけてしまうと、選手は自分で状況を見て考えるのではなく、指導者が求める答えを探すようになってしまう。
    一方で、すべての判断を子どもに委ね、「好きなようにプレーしていい」とするだけでは、判断力が自然に育つとは限らない。
    指導者には、正解を一方的に与えるのでも、完全に放任するのでもない関わり方が求められる。
    たとえば、プレーの後に、
    * そのとき、何が見えていた?
    * どうしてそのプレーを選んだの?
    * ほかには、どんな選択肢があった?
    * もう一度同じ場面になったら、どうする?
    * その判断によって、味方や相手はどう動いた?
    と問いかけることが考えられる。
    大切なのは、プレーの成否だけで判断を評価しないことだと思う。
    シュートが入ったからよい判断、外れたから悪い判断とは限らない。結果だけでなく、その場面で何を見て、何を考え、なぜそのプレーを選んだのかを確認したい。
    指導者の役割は、正解を教えることではなく、選手が自分の判断を振り返り、よりよい選択肢に気づけるように支えることなのかもしれない。

    今後考えたいこと
    ・ 選手に考えさせながら、必要な方向づけをするには、どのような声かけがよいか
    ・プレーの結果ではなく、判断の過程をどのように評価するか
    ・指導者が答えを言いすぎている場面はないか
    ・選手に任せることと、放任することの違いは何か
    ・練習の中で、複数の選択肢から判断する場面をどう作るか

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    2026年07月19日