白畑真のレビュー一覧

  • デジタルインフラの地政学 インターネット データセンター AI 急所を握るのは誰か

    Posted by ブクログ

    地政学とかいうバズワードに紛れてすごい本が書かれたという印象。
    イランによるAWSデータセンター攻撃や2024年のCrowdstrike障害、TikTokの強制買収など直近の出来事や、その裏側にある米中印露、豪、台湾、EU、イラン、シンガポール、韓国の政策や法令のほか、GAFAMはもちろんNvidia、SpaceX、Oracle、AlibabaやChina Telecomといったスケーラーたちの動向、そしてそれらをコードの世界からも裏打ちするというとんでもないことをしながら、インターネットという80億人が乗った「見えない大陸」がこれからどこに向かうのか、持たざるミドルパワーである日本とその企業たちはどう立ち振る舞うべきかを論じている。

    筆者はさくらインターネットの所属で、日本初のIXが神保町は岩波書店本店の地下にあった頃から黎明期を支えた豪傑(?)であり、自律・分散・協調というインターネット当初の理想が瓦解し、集中・独占・分断へと向かう様を誰よりも案じていたに違いない。

    それだけに、筆者の提言は単純なアンテナの広さや技術的素養だけでは醸せない、正鵠を射た迫真の現実味を帯びている。日本ではこの人にしか書けない本だと思う。

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    2026年07月20日