めっちゃ面白い。代理人という、名前は知っていても具体的には想像しづらい仕事の内容を垣間見せてくれる一冊。
ドイツ最大手のフットボール代理人事務所「スポーツ360」でアジア部門責任者を務め、菅原由勢選手をはじめ多くの選手を支える龍後さん。欧州最前線のリアルと日本サッカーの未来を語るノンフィクション!
龍後さんが担当しているのは、日本代表だと、菅原選手、久保選手、瀬古選手、塩貝選手、松木選手。
現地での生活やキャリア形成をまさに二人三脚でサポートしている。選手によっては欧州移籍も。
というか、代理人の仕事って思ったよりかなり多かった。ピッチ上以外の全てを支えているってイメージ。
例えば、食事会のセッティング、選手と日本人シェフを繋ぐ、良いメディカルコーチやフィジカルコーチを紹介する、メディア対応の拘束時間の取り決め、など、代理人ってよりもはやチーム外にいるマネージャーって感じ。
自分で動いていてるって書いていたから、良いと思ったことはどんどん何でもやってみている姿勢が、めちゃくちゃアグレッシブ。
「W杯ベスト8の壁は、ピッチの外にも存在する——」と帯に書かれているが、読んでいるうちにその意味がひしひしと伝わってきた。
特に「ある一週間のスケジュール」を公開していたところがすごく印象に残った。
ドイツのケルンを拠点にイングランド、オランダ、フランスを飛び回って、試合を見て、選手と会食し、自社のミーティングに参加し、クラブと交渉し……と、まさに超多忙。NGK→森ノ宮→営業→NGK→漫才劇場→営業→NGK→営業みたいな大阪芸人の殺人スケジュールを思い出すハードさで、欧州最前線で戦うことの凄まじさを実感する。
また、選手たちとの個別エピソードも読み応え抜群。特に菅原選手、塩貝選手、瀬古選手のエピソードが非常に魅力的だった。なかでも塩貝選手に関しては、龍後さんと出会わなければワールドカップに選ばれていなかったかもしれないと思わされるほどで、代理人の存在が選手のキャリアや人生そのものを大きく左右するキーパーソンなのだと痛感させられた。
そして、熾烈なディールについても。移籍期間はもうクタクタだろうな。「舐められたら終わり」って書いているし、おかしいことはおかしいとちゃんと主張しないと、本当に弱肉強食の世界で良いようにやられる。時には身内ともぶつかったり、メディアを利用して移籍金を釣り上げたり、タフでテクニカルなビジネスの戦いが記されていた。おすすめ!