岩澤脩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
だからベンチャーキャピタルはやめられない 投資家だけが知っている 起業とお金のリアル
著:岩澤脩
本書は、知られているようで知られていない「ベンチャーキャピタル(VC)の裏側」を現役のベンチャーキャピタリストが赤裸々に語る本である。VC運営の七転八倒や葛藤、金銭報酬だけではない醍醐味や使命感など、VCのリアルな悲喜こもごもが記されている。
VCは日本のスタートアップを陰で支えるだけでなく、日本経済の発展を後押しする役割を担っている。実際、近年のアメリカ経済は、VCの支援によって誕生し成長を遂げた、GAFAMを筆頭としたビックテック企業によって発展してきたことを疑う余地はない。日本のVCが投資した日本のスタートアップが未来の日本や世界を変えていく可能性も小さくない。
構成は以下の7章から成る。
①ベンチャーキャピタルとは何か
②投資の前にベンチャーキャピタルは泣く
③投資の意思決定を行う5つのステップ1
④投資の意思決定を行う5つのステップ2
⑤どうやって企業価値を高め、EXITするのか
⑥ベンチャーキャピタルを運営するということ
⑦ベンチャーキャピタルは日本経済にインパクトを与えられるのか
本を読み終わるまで、一度も置くこともなく、一気に読んだ本との出会いは久しぶりである。
のめり込むような没入感を持って対峙させていただいた。ポッドキャストを拝聴させていただく中でも滲み出る深い人間力。本書はその深い人間力が文章にまで滲み出ている。
穏やかではあるものの熱く、人を惹き付ける魅力たっぷりの作品。汗の匂いや涙等の感情を感じながらVC業界を体系的に学ぶことができる。
自身が出来る事、やるべきことが整理できる良い機会をいただいた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私が投資家の方々にアピールしていたのは、「自分の事業経験や持っている知識を還
元できる」ということです。
実は、1号ファンドに出資するLPの方のなかには、ファンドから得られるパフォーマンスだけでなく、事業連携や現業とのシナジーを期待して投資される方も一定数いらっしゃいます。そうしたニーズを満たせることを訴求しようと考えたのです。
繰り返しになりますが、私はユーザベースで「Speeda(スピーダ)」という Saasの事業を立ち上げた経験を持っていました。私がLP集めに動いていた2018年頃は新たなSaas が次々と登場して注目を集めていましたが、その事業を立ち上げた経験があるキャピタリストはほとんどいませんでした。そこで、「出資をすることで私たちとつながれば、Saas に対する知見を得られる」ということをアピールしたのです。最新のSaas 業界の産業トレンドや、Saas 経営におけるKPI管理などのノウハウをシェアすることを訴求していました。
また、同じくユーザベースのサービスである「NewsPicks」も当時から勢いがあったので、サブスク型のメディアやビジネスのノウハウを伝えられることも話しました。
もちろん企業秘密は明かせないのですが、実務の前線でどのようなことを考え Saas
ビジネスをつくっていたのかを知ることができる。それが好意的に受け止められたようです。
また、役員としてスタートアップを経営していた人が独立してベンチャーキャピタル
を始めるパターンも日本では少なかったので、その点もアピールしました。
「自分がスタートアップの最前線で働いていたので、投資先の成長支援をするときに起業家目線で悩みに寄り添いながら信頼関係を築いて支援ができたり、リアルな失敗体験をシェアできたり、ネットワークを紹介したりすることができる」
そんなことを提案書に書いていました。
今考えるとちょっと恥ずかしいのですが、LPの方にはそれが評価されたようです。
この経験から言えるのは、ファンドレイズをするうえでは「自分が持っている知識や経験のうち、LPの方たちに還元できることは何か」をしっかり設計することが大切だということです。数億円の資金を集めるためには使えるものはすべて使うことが必要です。