草間彌生のレビュー一覧

  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    草間彌生の書く文章が想像以上に詩的で魅力的なので驚いた。読み物として引き込まれるし、草間本人の情熱とか愛が直に伝わってくる。

    才能と芯の強さは勿論のこと、草間彌生って本当に色んな人に愛されて支えられてきたんだな〜としみじみ…。単に彼女が魅力的なのもあるけど、然るべき時に適切な人に頼れる能力というの...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    芸術家草間彌生の自伝。彼女の創作モチベーション、通ってきた道のり、感性に触れられる内容になっていた。彼女の展示を見たのは京都に観光の折、行く場所に困っていた自分がたまたまフォーエバー現代美術館に立ち寄った時のことだ。鮮やかな作品が立ち並び、水玉模様が彼女の死生観に深く結びついていることを知って感銘を...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    草間彌生さんの自伝。確かな言葉で綴られるあまりにも過激な生き様にひたすら驚いた。精神の病とせめぎ合いながら唯一無二の草間アートを作り続けたその強靭な精神力には感服するばかり。ジョセフ・コーネル、ストーカーじゃん!とも思ったが、この年の離れたパートナーに敬意を払っていた彌生さんも立派な人だ。ズシンと肚...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    あらゆる常識にとらわれず、
    あるがままに生きる草間彌生氏の自伝。

    違法であろうとなんであろうと、
    自身のうちの声に正直に生きる姿が素晴らしい。
    コンプレックスを前面に打ち出し、数億本を数える男根を作ったというのも脅威的だ。

    あらゆる批判を気に留めず乗り越え、
    時代を凌駕して前衛的に進んでいく姿は...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    読んで、草間彌生さんが大好きになった。
    あのドットは何を意味ていたのか。やはり、芸術には全て背景があって、そのコンテクストを探るところから始まるのかな。

    恐怖を乗り越えるための芸術。アート。expression。
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    いやー、非常に面白かった。彼女しかできない生き方を一生かけて全うするものすごいエネルギー。現代美術はよく分からないけど、自分の人生の生き方という意味で私も私らしく生きたいと思う。死に際が近づいているからこそ作品を残すパワーにみなぎって勢力的に活動しているというのも素敵だと思う。アーティストってはちゃ...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    今現在のものが第二次草間ブームだとしたら、第一次はもっと面白かったんだろうなあと思わせてくれる自伝。アーティストとしての姿を知りながら家族との軋轢等の記述を読むと、そんなことあるのかと思ったりするが、ふと彼女が80歳を過ぎた、一般的には「おばあちゃん」であることを思い出して納得する。戦前戦後の日本で...続きを読む
  • クリストファー男娼窟
    キラキラしてて、極彩色で、草間さんの自伝かと思うほどリアリティがあって。天は二物を与えず、とは嘘だな。ものすごい魅力的な文章。引き込まれました。
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    読む前は病気の影響で偏執狂的に水玉を描くアウトサイダーアーティストみたいなイメージを持っていたが実際にこれを読むと野心的に評価を求めてきたアーティストということがわかりイメージが一新された。作品内で引用されている評価を見ると海外の評論では病気ではなく作品を評価しているのに対し、浅田彰の評論では主に病...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    卒業旅行で直島のかぼちゃと、群馬のハラミュージアムアークのミラールームを見たので。

    母は歌人、家は資産家で地元の芸術家のパトロンをするなど割とクリエイティブな家庭とはいえ、父は放蕩、母は虐待と、両親の仲が悪く心休まらない壮絶な環境で育った事を知った。

    総合失調症で、高校生には物体にオーラが見えた...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    気になるアーティストの
    お一人です

    草間彌生さんの展覧会に
    行った友人が

    いゃあ 刺戟受けたなぁ
    いゃあ 圧巻だったよ
    とにかく 圧倒された

    と 口々に評してくれたので
    以前にも増して
    より気になる存在になっています

    このエッセイ集も
    なかなかのものですね
    読めば読むほど
    「天才」を感じます...続きを読む
  • クリストファー男娼窟
    初見では、読みづらい文章だった。
    でも、第1章を読み終えた頃には慣れてきて、草間彌生の独特の描写と世界観に没入できたと思う。
    文の書き方がなんとなく英語的だなあという印象を受けた。日本語を編んで作った文章と言うよりも、文学的要素のほとんどが名詞、シンボリズム、情景描写がだったから。割とどんな言語に訳...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    自伝よりも戦いの記録という印象だ。作品はもちろんだが、文章にも惹かれる。特に故郷…信濃の四季の美しさを描写した部分(233p~224p)が素晴らしい。
  • クリストファー男娼窟
    p38 肛門の退行と固着の妖気の中で男たちは、魂の自由からかどわかされ、ナルシズムの囚人カーテンの中で秘かにさまよっている。

    草間彌生も小説を書くのか、と思って読んだら、意外とちゃんと小説だった。幻覚と現実が混じり合って詩的ではある。水玉の印象が強くて、そんな衝動的な感じの人が言葉を操れるのかと思...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    ひとりの芸術家の自伝。社会的なことはわかりにくく、個人的なことはわかる気が。
    人は謎であることを再確認。
    それが芸術のひとつの効能なのかも。
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    やっぱりアーティストは「変人」でなければいけない。笑

    おそらく、日本の現代アートシーンで国際的にも評価されている数少ないアーティストのおひとり。かぼちゃに代表される作品は知っていたけど、実際に草間さんはどんな人なんだろう?ということを知りたくて手にした一冊。

    ある意味、予想通りでしたが、想定上に...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    直島のかぼちゃで初めて草間彌生さんを知りました。自分の病を癒すために絵を描いていたこと、性の解放への想い、芸術に関する日本の意識の低さなど、草間さん自身の言葉で興味深い話がたくさん聞けてよかった。
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    理解し難い表現も多い現代アートの中でも、そのアーティストの考え方を含めた人生が色々と書かれている良著。
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    大学の取手キャンパスでの現代美術論の講義で、講師が「草間彌生は頭がチョットね…」と言っていたのを思い出す。自身の精神病理を克服する手段としての表現でとどまるなら、それはアウトサイダー・アートに過ぎない。しかし本書を読めばわかるように、草間彌生は、「頭のおかしさ」を無尽蔵のエネルギー源にして絶え間無く...続きを読む
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)
    確固たる自己。途轍もない自画自賛。さすが芸術家だなぁと思うが、そこに至るまでの過程を読んで納得。セックスの表現も、果てしないモチーフの繰り返しも、全て恐怖心を克服するための手段だったのか。