草間彌生のレビュー一覧

  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    松本市立美術館で買ったポストカードが家に帰るまでに折れてしまわぬよう、ケースとして購入。特に読むつもりはありませんでしたが、読んでみると止まらずに1日で読み切ってしまいました。
    カボチャと水玉模様の精神病の世界的なおばちゃん、と言う程度のイメージしかなく、果たしてなぜその思想を知らないのか、知らなかったのだが、読んで納得。日本の風土で受け入れられなさそうな思想を持っており、今の世では特に炎上必至な思想に感じられます。ただ、目指す未来は明るい未来であり、その思想は危険思想などではない。出る杭が打たれる日本に馴染ませるには何ができるか、我々も考える必要がありそうだ。
    それはそうと、同じくニューヨー

    0
    2025年08月31日
  • クリストファー男娼窟

    Posted by ブクログ

    小説としてではなく作者の芸術作品のとして触れた方が良い。作中に頻繁に出てくる強烈なイメージの描写は小説の一部として捉えると受け止めきれない。小説家には書けない、草間彌生だからこそ描けた作品。

    0
    2025年04月25日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    草間彌生の書く文章が想像以上に詩的で魅力的なので驚いた。読み物として引き込まれるし、草間本人の情熱とか愛が直に伝わってくる。

    才能と芯の強さは勿論のこと、草間彌生って本当に色んな人に愛されて支えられてきたんだな〜としみじみ…。単に彼女が魅力的なのもあるけど、然るべき時に適切な人に頼れる能力というのはとても大切で、その中で自分の力を信じてとにかく活動と発表を続ける事の重要性を実体験を通じて教えられる。

    読者である美術関係者・また美術に興味のある人間に直接向けているような文章が散りばめられていて、たまにドキッとする瞬間がある。これからアート・デザインに直接関わっていく人々と、アートを好む人々は

    0
    2021年06月06日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    芸術家草間彌生の自伝。彼女の創作モチベーション、通ってきた道のり、感性に触れられる内容になっていた。彼女の展示を見たのは京都に観光の折、行く場所に困っていた自分がたまたまフォーエバー現代美術館に立ち寄った時のことだ。鮮やかな作品が立ち並び、水玉模様が彼女の死生観に深く結びついていることを知って感銘を受けた。
    本の内容のなかでも、彼女が忌避しているものをあえて創作の対象にし、それにより克服するといった考え方、創作はとても驚いた。創作のモチベーションに何かしらのコンプレックスやくらい過去などがあることはよくあるが、彼女はそれを克服しようとし、対象を無限に生み出すことで打ち勝とうとしている。言うのは

    0
    2020年09月19日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    草間彌生さんの自伝。確かな言葉で綴られるあまりにも過激な生き様にひたすら驚いた。精神の病とせめぎ合いながら唯一無二の草間アートを作り続けたその強靭な精神力には感服するばかり。ジョセフ・コーネル、ストーカーじゃん!とも思ったが、この年の離れたパートナーに敬意を払っていた彌生さんも立派な人だ。ズシンと肚の底に響く自伝だった。文才も素晴らしい。

    0
    2018年10月17日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あらゆる常識にとらわれず、
    あるがままに生きる草間彌生氏の自伝。

    違法であろうとなんであろうと、
    自身のうちの声に正直に生きる姿が素晴らしい。
    コンプレックスを前面に打ち出し、数億本を数える男根を作ったというのも脅威的だ。

    あらゆる批判を気に留めず乗り越え、
    時代を凌駕して前衛的に進んでいく姿は、
    真の芸術家として尊敬に値する。

    「人間に衝撃を与える」
    人は衝撃派によって目覚める体験を人生で経験することがある。その目覚めは一生を左右するほどの影響力だ。

    そのツールは人それぞれ。
    公共の場で全裸で抱き合い接吻しセックスを始めるボディペイントの祭典。
    都度10から15くらいの法律を犯してい

    0
    2018年07月10日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読んで、草間彌生さんが大好きになった。
    あのドットは何を意味ていたのか。やはり、芸術には全て背景があって、そのコンテクストを探るところから始まるのかな。

    恐怖を乗り越えるための芸術。アート。expression。

    0
    2014年09月03日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    いやー、非常に面白かった。彼女しかできない生き方を一生かけて全うするものすごいエネルギー。現代美術はよく分からないけど、自分の人生の生き方という意味で私も私らしく生きたいと思う。死に際が近づいているからこそ作品を残すパワーにみなぎって勢力的に活動しているというのも素敵だと思う。アーティストってはちゃめちゃなんだけど、やっぱりとことん魅力的だなあ。クレージーな天才であるサルバドールダリとも交遊があったと知り、やはり類は類を呼ぶなあと。日本の画一的な右倣えを暗黙に求める没個性なところに辟易する気持ちと共に、海外から日本に帰って、日本の自然の美しさや人の優しさに感動する気持ちも共感できる。そして、海

    0
    2014年07月21日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今現在のものが第二次草間ブームだとしたら、第一次はもっと面白かったんだろうなあと思わせてくれる自伝。アーティストとしての姿を知りながら家族との軋轢等の記述を読むと、そんなことあるのかと思ったりするが、ふと彼女が80歳を過ぎた、一般的には「おばあちゃん」であることを思い出して納得する。戦前戦後の日本では確かに大変だっただろうなあと。

    0
    2013年06月28日
  • クリストファー男娼窟

    Posted by ブクログ

    キラキラしてて、極彩色で、草間さんの自伝かと思うほどリアリティがあって。天は二物を与えず、とは嘘だな。ものすごい魅力的な文章。引き込まれました。

    0
    2012年11月27日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人となりを知らなかったので 自伝的な位置づけのものを2冊手に取った。草間彌生さんの人物紹介はいつもわかりにくく的を得ないが なぜ的を得ないのかがこの本を読んでわかりました(苦笑)

    松本での複雑な育ち 絵を学ぶまで。尊敬するアーティストに手紙を書いて アメリカに渡る道筋を作ったたくましさ。セックス感。貧乏しながら芸術家として名をなすまで。死を願う精神の病とは裏腹に作品への制作意欲への執着を見れば弱さどころかパワーの塊。

    アメリカや欧での前衛的なハプニングについてもよくわかった。これを読んだ後でアートを見たらよりたくさん受け取れそう。“前衛的”の定義も少しわかった気がする。

    地元の種苗店に婿

    0
    2025年04月20日
  • クリストファー男娼窟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何気なく手に取ったがあの草間彌生による作品で、小説も書くんだと感心しつつ読み始めた。3つの短編が収められており、表題作の「クリストファー男娼窟」は肛門セックスが連呼されていて、読んでいて小気味よい。残る2篇も性に関わる話で、文芸チックな感じで結構良かった。

    0
    2025年03月24日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読む前は病気の影響で偏執狂的に水玉を描くアウトサイダーアーティストみたいなイメージを持っていたが実際にこれを読むと野心的に評価を求めてきたアーティストということがわかりイメージが一新された。作品内で引用されている評価を見ると海外の評論では病気ではなく作品を評価しているのに対し、浅田彰の評論では主に病気に触れているのが国内外におけるアート観の違いというか草間彌生に対する評価の違いなのかもしれないと感じた。

    0
    2024年03月16日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    卒業旅行で直島のかぼちゃと、群馬のハラミュージアムアークのミラールームを見たので。

    母は歌人、家は資産家で地元の芸術家のパトロンをするなど割とクリエイティブな家庭とはいえ、父は放蕩、母は虐待と、両親の仲が悪く心休まらない壮絶な環境で育った事を知った。

    総合失調症で、高校生には物体にオーラが見えたり、植物の話す声が聞こえたりしていたが、それが全ての作品の原点だと知って驚いた。ゴッホも最近個展に行ったコンマサもそうだし、芸術家は精神を病みやすいのかな。

    代表作の水玉模様には作品を水玉模様で埋め尽くすことにより、幻覚や幻聴から身を守る儀式的な意味が込められている。生涯に渡って苦しみ続けた精神の

    0
    2022年12月29日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    気になるアーティストの
    お一人です

    草間彌生さんの展覧会に
    行った友人が

    いゃあ 刺戟受けたなぁ
    いゃあ 圧巻だったよ
    とにかく 圧倒された

    と 口々に評してくれたので
    以前にも増して
    より気になる存在になっています

    このエッセイ集も
    なかなかのものですね
    読めば読むほど
    「天才」を感じます

    そんな草間彌生さんが
    ーやはり 日本というのは大田舎の村という感じがする
    に始まる
    「自国の文化を育てる思想」の章で
    日本の芸術後進性をこれでもかと
    熱く語っている部分には
    何度も うなづきなから
    読ませてもらいました

    0
    2021年09月14日
  • クリストファー男娼窟

    Posted by ブクログ

    初見では、読みづらい文章だった。
    でも、第1章を読み終えた頃には慣れてきて、草間彌生の独特の描写と世界観に没入できたと思う。
    文の書き方がなんとなく英語的だなあという印象を受けた。日本語を編んで作った文章と言うよりも、文学的要素のほとんどが名詞、シンボリズム、情景描写がだったから。割とどんな言語に訳してもニュアンスが変わらない文章なんじゃないかな…

    あまり読んだことのない感じの文体で面白かった。移動中に読むつもりで持ち歩いてたけど、結局後半は家で一気読みしてしまった。

    0
    2021年07月18日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自伝よりも戦いの記録という印象だ。作品はもちろんだが、文章にも惹かれる。特に故郷…信濃の四季の美しさを描写した部分(233p~224p)が素晴らしい。

    0
    2021年11月27日
  • クリストファー男娼窟

    Posted by ブクログ

    p38 肛門の退行と固着の妖気の中で男たちは、魂の自由からかどわかされ、ナルシズムの囚人カーテンの中で秘かにさまよっている。

    草間彌生も小説を書くのか、と思って読んだら、意外とちゃんと小説だった。幻覚と現実が混じり合って詩的ではある。水玉の印象が強くて、そんな衝動的な感じの人が言葉を操れるのかと思ったけど(たまに良く分からない場面はあるけど)渡米してただけあって、ニューヨークの雰囲気を肌で感じて、そして絶妙な狂気と感性の言葉で表現されている。
    愛の渇望と、性の衝動と、茫漠な自己の風景。ミルク色のカーテン。蛾の銀色の鱗粉。腐ったネズミと花。蒸れた体臭。ドラッグとホモの夜のニューヨーク。

    0
    2020年11月11日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ひとりの芸術家の自伝。社会的なことはわかりにくく、個人的なことはわかる気が。
    人は謎であることを再確認。
    それが芸術のひとつの効能なのかも。

    0
    2019年10月12日
  • 無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    やっぱりアーティストは「変人」でなければいけない。笑

    おそらく、日本の現代アートシーンで国際的にも評価されている数少ないアーティストのおひとり。かぼちゃに代表される作品は知っていたけど、実際に草間さんはどんな人なんだろう?ということを知りたくて手にした一冊。

    ある意味、予想通りでしたが、想定上に変人だった。すごく自分に対して自信を持っていて、ひとつひとつの動きは戦略的なんだろうなあ〜ということが文章から漂っていました。

    最近、「成功する(=作品の値段が上がる)アーティスト」の法則ってなんだろう?ということを考えることがあります。国内、海外/日本人、外国人というカテゴリ分類をして過去の成功

    0
    2018年04月04日