新卒で入社した会社で、新人研修を終えて配属先の部署にあいさつに行ったとき、確かリーダー会議中だったはずなんだけど、あとから「気が強そうな子が入ったな」と思われていた、と聞いた。
いや実際、気が強い方だとは思うんだけど。
この漏れ出てしまう気の強さからか、そこまで理不尽なセクハラとかにあうことなく生きてこれた。
多分それで気づかないうちになくしているものもあると思うけれど、それでなくしてしまうものや、それで私から離れていってしまうもの(人)なら、それでいいかなと思っている。
相手の顔色を窺って、言うことを聞いて、あちらの機嫌を立てて生きていくのは大変そうだし、そういう人を精神的に組み敷いたうえで成り立っているような人は、それはそれで一緒にいても楽しくなさそう。
理不尽を突き付けられたときに、いやそれっておかしくないですか?と言い返せない人がいるのは知っている。
夫に要望を伝えることすらできずに、自分がやればいいしとがんばっている友だちもいるけれども、それって、結局夫を甘やかしてるだけでは?というかその夫、一緒に仕事するのごめんって感じだけど、本当に大丈夫そ?
とはいえ、生い立ちやそれまでの人間関係で、あまりに理不尽を突きつけられて、なにかが壊れてしまうことはある。それは、往々にしてある。悲しき現実。
そうして、壊れかけた、壊れてしまった人たちが、壊れた先を突き抜けて、どうにか自分の足で立つまでの物語。
欝々とした一人称で語られるストーリーは、逐一「大丈夫!」「気にしすぎ!」「いいからいけ!!」と突っ込みたくなるけれども、彼女はこう考えるんだなというのがしっくりしてしまっているので、それはそれで秀逸。
「お隣さん」の吹っ切れ方というか壊れ方もなかなかすごい。
つい最近Xで、ババアは信頼貯金があるから、セキュリティを抜けられる、みたいな話が回っていたけれど、おとなしそうな主婦っぽい外見や人あたりのよさ、も、結構な武器になるんだよな。
その根本に、女性だから力が弱くて、攻撃力が低いという、見下ろされたなにかがあることも、同時に認めなきゃいけないところが悲しいけれど。
主人公(漫画家)の担当編集の、ズルっとしつつ、ちゃんと仕事してそうな感じが好きでした。あぁいう人、いるよね。