タイトルのとおり、「プロジェクトマネジメントの基本と本質が1冊で学べる本」です。
この本のコンセプトが「はじめに」に書かれていますが、「プロジェクトの「実務」に役立つノウハウをまとめたい。」ということです。
著者の長谷川氏は、民間企業と公共分野において長年、プロジェクトマネジメント等の実務を担当されてきた方です。
民間も公共も現場を知り尽くした方だからこそ書ける、現場の実務で参考になるノウハウが詰まっています。
だからといって、ビジネス本でよくある、元社長のような人が書いた昔の苦労話の羅列集ではなく、PMBOKとの対応も整理されており、体系的なノウハウ集となっています。
理論だけではなく、精神論だけでもない、現場のあるある集だけでもない、使える本になっています。
この本でいう「魔物」には、私も何度も遭遇したことがあります。
プロジェクトを失敗させようという人はいないはずなのに、なぜかうまくいかない。
優秀な人が集まったプロジェクトなのに、なぜか成果が出ない。
プロジェクトがうまくいかない構造的な要素として、ヒト・モノ・カネの問題があるというのは、まさにそのとおりだと思いました。
本書に出てくる「失敗プロジェクトのひな形」などは、本当にこの失敗パターンを何度も見たことかというほど、公共でも民間でもよくある話だと思います。
踏みとどまることが非常に重要だということを、改めて実感しました。
プロジェクトマネジメントは、業界や職種など関係なく、すべてのプロジェクトにおいて有効です。
本書は、ITのプロジェクトだけではなく、建設、行政、新商品開発、カレー作りなど、様々なプロジェクトに関わっている、今後関わる可能性のある人に読んでもらいたいと思います。
特に、炎上案件を経験したが上手くいかない方、PMBOKの理論は理解できても腹落ちしない方などには、おすすめの一冊です。