トーリ・ピーターズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「新しい家族」という文句は意外とよく耳にしたりもするが、そのどれとも違う在り方だった。知らない家族の在り方、知らないジェンダー、知らないセクシャリティ、知らないフェティシズム、知らない痛み、知らない葛藤、知らない可能性。この辺は私はそこそこ「知ってるほう」と思っていたが、世には当たり前に知らないことがあるのだという気づき。そこに考えが及ばないのに積極的に何か表明することが、いかに暴力的な行為になりうるか、学生のとき考えていたみたいなことを久しぶりに思い出した。
子どもという概念を通して、no-futurismに満ちた未来を見る。そこに新たな光を見出してみる。私も伝統的な、親たちが辿ってきた人生は、多分歩めないから、この可能性に開かれ、でも冷静に眼差された新たな家族像には何だか救われる部分もあった。
作者がトランス女性当事者と知り、時に傷ましく生々しい感情吐露の描きぶりに納得した。実感を伴った記述なのだろう。