あらすじ
白人トランス女性リース。ディトランジションし男性として暮らすエイムズ。アジア系シス女性カトリーナ。不器用に生きる三人の、新しい家族の物語。NYT選定「21世紀のベスト100冊」
★PEN/ヘミングウェイ賞受賞作
★ニューヨークタイムズ選定「21世紀ベスト100冊」
★全米批評家協会賞最終候補作
★ラムダ賞最終候補作
★女性小説賞候補作
性移行(トランジション)と赤ちゃん出産をめぐる
新しい家族の物語
ひとりきりでいることができずロマンチックな情事を追いかけるリース、
ディトランジションして父親になることを迫られるエイムズ、
悪夢のような離婚を経て妊娠したIT企業のアイデアエリート、カトリーナ。
それぞれの思惑が合致して交錯して背反する、その先にある新しい家族の形!
21世紀版『高慢と偏見』とも称される傑作長編。
「親であること」の伝統的考え方を、感情、そして実践からひっくり返す。
——ニューヨークタイムズ・ブックレビュー
荒れくるう欲望と、その欲望のなかで格闘するわたしたちの生命力を描ききった。
——ニューヨーカー
最高すぎて叫びたくなる。
——カルメン・マリア・マチャド
【著者略歴】
1981年アメリカ生まれ。作家。アイオワ大学で芸術学修士号(MFA)を取得したのち、ダートマス大学で比較文学修士号を取得。本作で商業出版デビューし、各紙誌からも高い評価を得て、「女性小説賞」や「ラムダ賞」の候補作に選出された。その後、PEN/ヘミングウェイ賞を受賞。デビュー以前から、トランスコミュニティのために作品を執筆し、自費出版やオンラインの無料配布を行なっていた。本作は、「ニューヨークタイムズ」の「21世紀ベスト100冊」にも選ばれている。ほかに、短篇集『Stag Dance』など。
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Posted by ブクログ
「新しい家族」という文句は意外とよく耳にしたりもするが、そのどれとも違う在り方だった。知らない家族の在り方、知らないジェンダー、知らないセクシャリティ、知らないフェティシズム、知らない痛み、知らない葛藤、知らない可能性。この辺は私はそこそこ「知ってるほう」と持ってたが、世には当たり前に知らないことがあるのだという気づき。そこに考えが及ばないのに積極的に何か表明することが、いかに暴力的な行為になりうるか、学生のとき考えていたみたいなことを久しぶりに思い出した。
子どもという概念を通して、no-futurismに満ちた未来を見る。そこに新たな光を見出してみる。私も伝統的な、親たちが辿ってきた人生は多分歩めないから、この可能性に開かれでも冷静に眼差された新たな家族像には何だか救われる部分もあった。
作者がトランス女性当事者と知り、時に傷ましく生々しい感情吐露の描きぶりに納得した。実感を伴った記述なのだろう。